WiiUはどうして売れなかったの?Wiiの勢いを引き継げなかった理由とは?

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任天堂から2012年に発売された「WiiU」は、
Wiiの後継機として発売されたゲーム機です。

Wiiと言えば大ヒットを記録し、
国内でも1200万台以上の売上を記録した大人気商品でした。

が、一方のWiiUは
400万を下回り、半分以下に落ち込む結果となり、
これは現時点で発売されている任天堂の据え置きハードの中で
最も厳しい売上となりました。
(ゲーム機全体で見れば300万越えもそれなりに売れてはいるのですが
任天堂ハードとしてはかなり苦しい結果であるのは事実です)

もちろん、WiiUにも良いところはたくさんあります。
私も実際に発売日に購入しましたので、思い入れもありますが、
結果的には苦しい結果になったことは事実です。

好きな商品でも、事実は事実として受け入れなくてはなりません。

では、WiiUはどうして上手く行かなかったのか。
元ゲーム屋店長の知識も元に詳しくお話していきます。

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Wiiの好調が嘘のような結果に…

WiiUの1個前の据え置きハード「Wii」は、
大ヒットを記録し、
社会現象にも一時期なったような、そんなハードでした。

当然、そのWiiの後継機ですから注目を集めるはず…だったのですが
WiiUは、当初からスロースタートが続き、
そのままズルズルと微妙な展開が続いた挙句に、
任天堂ハードとしては比較的早い段階で、後継機にバトンタッチ
することになってしまいました。

Wiiの好調ぶりはどこに行ってしまったのか?と
思えるような状況で、
当時、ゲーム店にいた私も、Wiiの時とは真逆の結果に
驚いたものです。

任天堂タイトルの投入が遅れた

”任天堂ハード”で、非常に重要な要素の一つが
私は”任天堂ソフトのラインナップ”であるかと思います。

マリオ、ポケモン、ゼルダ、カービィ、スプラトゥーンなどなど
”任天堂のゲームを遊ぶため”に”任天堂のゲーム機を買う”人は
多いと思います。

ですが、WiiUの時には任天堂タイトルの発売が遅れ、
本体発売直後、半年以上”ほとんど新作が出ない状況”が
続いてしまいました。

これが、かなりの致命傷になった、と私は考えています。

WiiUが発売されたのは2012年12月のことですが、
それから半年の間を見てみると、

2012年12月…NewスーパーマリオブラザーズU、ニンテンドーランド
2013年1月…なし
2013年2月…なし
2013年3月…ゲーム&ワリオ
2013年4月…なし
2013年5月…なし
2013年6月…なし
2017年7月…ピクミン3、NewスーパールイージU、レゴシティアンダーカバー

と、なっています。
8月以降は月1ペースぐらいで新作が出るようにはなりましたが
ゲーム機はスタートダッシュが非常に大事なところ、
まるで”もう終わりが近付いているハード”かのように
任天堂が新作を出せなかったのは”非常に大きな失敗”であるかと思います。

その上、ニンテンドーランドとゲーム&ワリオは
同じようなパーティ系のゲームですし、
本格派の任天堂タイトルが1個もない状態が続いたのも
厳しい状況を招いたと考えられます。

Wiiの時は発売された12月に
はじめてのWii、Wiiスポーツ、ゼルダの伝説トワイライトプリンセス、
おどるメイドインワリオを本体同時発売、さらに
ポケモンバトルレボリューションを発売した他、
1月にエキサイトトラック、2月にファイアーエムブレム、3月にアイシールド、
4月にスーパーペーパーマリオとやわらかあたま塾、と
かなりのハイペースで展開していたのと比べると
「WiiUはどうしちゃったの?」と思うぐらい、新作の投入が遅れていました。

任天堂ハードの生命線は”任天堂タイトル”なところ、
その生命線を投入できなかったのはかなりの痛手と言えるでしょう。

ただ、後継機のニンテンドースイッチにはその反省がしっかり
生かされており、
発売された3月にゼルダの伝説ブレスオブザワイルドとワンツースイッチ、
4月にマリオカート8DX、6月にアームズ、7月にスプラトゥーン2と
それなりの勢いで新作を投入し、結果的にスイッチも普及したので、
”WiiUの時の経験は無駄にはなっていない”とは思います。

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ファミリー層に「分かりにくい」感じにしてしまった

実際にお店にいてよく感じたのが
「そもそもWiiUをWiiの後継機と認識していない人」の多さです。
実際にそれなりにいたのです。

DSとDSLiteぐらいの違いとしか認識しておらず、
WiiUのソフトをWiiで遊べると思っているような、そんな人もいました。

任天堂ハードのユーザー層は”ファミリー層”や、普段あまりゲームを
やらない層も、非常に重要な位置を占めています。
しかし、そういった”普段やらない人”にパッと聞いて
分かりにくい名前をつけてしまった、というのは個人的には
失敗であると感じます。

「Wii」と「WiiU」では、確かにバージョンアップ版なのか、
後継機なのか、あまり詳しくない人には分かりにくい部分も
あるでしょう。

また、本体発売時に「プレミアムセット」「ベーシックセット」と
2つに分けてしまったのも失敗要因の一つになっている可能性もあり、
任天堂のハードは基本的に発売時は「1モデル」で、
ごちゃごちゃと色々発売しないことが多かったのですが
WiiUでは2モデル同時に発売してしまい、
実際に家族連れのお客さんなどから「よく分かんない」と
聞かれたこともあります。

”とにかく分かりやすく発売する”ということも
任天堂ハードには求められる大事な部分の一つで、
最初から2モデル発売、ということはしない方が良かったのでは?
と、個人的には感じます。
(実際、スイッチは最初は1モデルでスタートし、後から追加するような
感じに戻っています)

Wiiが好調すぎた

”前のハード”が好調だと、なかなか移行も進まず
それで満足してしまう人や
新ハードの方が目立たないようなケースも
実際に起きることです。

WiiUの”前”のハードは大ヒットしたWiiですから
そういった意味でも厳しい部分はあったのでしょう。

”Wiiで十分”という人は、当時も実際にいましたからね。

こうなってくると、現在の任天堂ハードは
”ニンテンドースイッチ”ですが、Wii以上に好調であるため
”スイッチの次”は、相当注意しないと厳しい結果になる可能性もあります。
(スイッチが売れなくなるまで次世代機は引き延ばした方が良いと
私は個人的には思いますね…)

インパクトに欠ける一面も

もちろん、感じ方は人それぞれですが、
Wiiの時に比べるとWiiUのインパクトは比較的薄く、
ゲームパッドは斬新でしたが
ニンテンドースイッチとは違い、携帯ゲーム機として
使うことができるわけではなく、
また、ゲームによっては
”せっかくテレビに繋いでいるのに、ゲームパッドを見ることを
 強要されるゲーム”もいくつかありました。

良くも悪くも、試行錯誤の中で、という印象もあり、
Wiiほどのインパクトを得ることができなかった、
ということもまた、一つの要因にはなっているのではないでしょうか。

スイッチ、Wiiと比べるとやはりインパクトに欠ける部分は
あったかと思います。

まとめ

Wiiの勢いを受け継ぐことが出来ずに
終わってしまったWiiUでしたが、
それでも、WiiUの時に得た経験が
ニンテンドースイッチに生かされているようにも見えますし、
決して”無駄”ということはなかったように思います。

その結果、今のニンテンドースイッチの大ヒットがあると思えば
WiiUも決して無駄ではなく、良い経験の積み重ねに
なったのではないでしょうか。

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