出せ!バイト分含めた有給休暇を会社から勝ち取った店員Kの話

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店員Kです!

私の旧勤務先は、有給休暇を出さない会社でした。
まぁ、、正式に言えば、出てはいる”設定”になっているのですが、
決してとることはできない
(申請する方法も不明)会社で、私を含め、どこの店長も
「有給なんかないよ」と言っていましたし、
アルバイトスタッフさん達にも有給休暇などは存在していませんでした。

就業規則的にはちゃんと有給休暇出ていることになっていたのですが(汗

これから先も勤める会社から”出ない有給休暇”を貰う事…
有給はちゃんと出るモノと決まっているのですが、貰うのがとても難しい…。
もちろん、自分の立場を気にしなければ有給を貰う事はできるでしょう。
ですが、そのあと、扱いが悪化したり、辞めるよう仕向けられたり、、
そういうこともあるので、難しいところです。

なので、私も在籍中は我慢していました。

しかし、2016年8月、お店の閉店が決定し、
店長である私も(他へのお誘いはありましたが断りました)、
アルバイトスタッフの皆様も退職することになりました。

その時、私の有給休暇を貰うための戦い(?)は
始まりました。

退職するなら、ちゃんと出すもの、出して貰わなくては!!

有給を出さない会社から有給を貰うのは難しい。
けれども、もうやめてしまう会社なら話は別です。

閉店日は2016年9月。
約1か月の時間がありました。

私は、ただちに行動を開始しました。
有給を手にするための行動を。

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初めの一手

最初に私は本社の経理部に対して
メールを送りました。

ビジネスマナーでは「電話」ですよね?
なので、何でメールなのか。そう思う方も居ると思います。

それは「記録に残らないから」

有給を出さない会社は、ある意味「薄汚い事」も平気でします。

例えば電話で「有給について」お話したとしましょう。
しかし、「そんな電話貰ってない」ととぼけられたらどうでしょう?
恐らく、私には打つ手はありません。
実際にした電話も無かったことになり、有給休暇の話ももみ消されて
しまうのです。

閉店決定から退職まで1か月。
私には時間もありませんでした。
退職してしまえば、当然やり取りがしにくくなり、
結果、上手く誤魔化されてしまうかもしれませんから…。

なのでスピード勝負でした。

で、上での書いた通り、
私はメールを送りました。

内容は
「9月閉店に伴い、私 及び 退職するアルバイトスタッフさん
 全員分の有給休暇を申請したく思います。

 有給の申請方法 と 申請のために必要な書類がありましたら
 お送りいただけますでしょうか?

 なお、有給が申請できない、という場合は
 その理由と担当者名を明記の上、メールにてご返信
 お願いします」

って感じですね。
強気です。

なんせ退職するんですからね…。
あと、ある程度強気でないと、向こうも折れません。

ちなみに、最後の3文は、有給が申請できない!と言わせないための文章です。
担当者明記は「私は言ってない」 と言い逃れさせないため。
メールにて なのは、上でも書いた通り記録を残すため。

こうして、とにかく本社側の「逃げ道」をふさいでいくことが
有給取得の第1歩です。

アルバイトスタッフさんの分も?

日本では、法律上、アルバイトスタッフさんにも有給休暇が出ます。
働いた日数と期間に応じて、その資格を手にすることができるのです。

私の職場の場合は、全員が有給のでる基準に達していました。
まぁ、世の中で有給が出るアルバイトなんてほとんどないのが
現状ですが、
今回は会社都合の退職ですし、有給を全員分に出すべきと私は
考えました。

自分ひとりだけ会社と交渉して有給を貰うっていうのも
あまり気持ちの良いものではありませんからね…。

残ったスタッフ全員の有給も一緒に申請することにしました。

本部側の一手

私は、上でも書いた内容のメールを送り、
返事を待つことにしました。

相手のアクション次第で、こちらも次の行動を起こす、
そういうことです。

本部があっさりと「有給出しますor払います」と言ってくれば
それでおしまいですが、
何かごねてきた場合は、こちらも次の対応を考えなければ
いけなくなります。

しかし…
本社側からの回答はなく、1週間が経過しました。

そこで、私は悟りました。
このままメールの返答を遅らせて、私が諦めるのを待っているor
退職日を迎えるのを待っているのだと。。

そこで、私は次の一手を放つことになりました。

相手の返答を待たずして次のメールを送ることにしたのです。

内容は、

「○月○日 お送りしたメールのご回答をまだ頂いておりませんが
 どうなっておりますでしょうか?

 閉店・退職までに時間的余裕がないため、
 早急にご回答をお願いします。

 ○月○日までにご回答いただけない場合、
 別途対応を考えさせて頂きます」

返事の催促のメールですね。
メール送信日から三日以内に連絡してほしいこと、
そして無視を続けるのであれば「別途対応」をすること。
これを強調してお送りしました。

別途対応、とはハッタリなのですが、
会社側からすれば「労基…?」と不安になるものです。

案の定、すぐに担当から電話がかかってきました。

返答は「直ちに全員分の有給日数を計算して、
    その分の金額を次の給料と一緒に振込みします」

という返事でした。

良い返事ではありましたが、
私は念のため、メールでも同内容を送ってもらいました。

「言ってない」と言われたら
それで終わりなのです。

しつこいぐらいに追いつめていかなくては
有給を払わない会社から有給を貰う事はできません。

会社側は、今までのバイトスタッフさん達の勤務日程を
社労士に依頼して計算してもらい、有給金額を算出するとの
ことでした。

悪あがき?

これで安心!とは行きませんでした。

会社側は、わざと面倒にした(?)かのような
有給申請用紙を送ってきました。
普通書かなくてもいいようなことまで書くような、
面倒なモノでした。

それを見て私は
「提出期限がなんたら…と言いだすつもりだな」と判断し、
面倒ではありましたが、スタッフに印鑑など、必要最低限の部分
(本人が記入しないといけないところ)を書いてもらい、
あとは速攻で書類を仕上げ、
本社へFAXした上で、時間帯指定最短で送りつけました。

勿論、それぞれの書類のコピーは控えた上で、です。

送付後、また待たされました。
社労士の計算に時間が掛かる、と。

とりあえずまだ時間に余裕があったので、
少し待つことにしました。

すると1週間ほどして本部の経理部じゃない人間が
お店にやってきて、
有給について説明をしてきました。
社労士の計算も終わった、、と。

そして今度は私に各スタッフの有給日数を決めてほしいと言ってきました。

社労士の計算を元に
「最大○○日分有給取得可能」と、それぞれのスタッフごとに計算結果が
表示されていました。

本部社員はそれを渡しながら私に言いました。
「全員が全員、満額だす必要は無いからね。」と。

「今までの働きを見て、この人はこのぐらい、
この人は法律上の最低ライン、と言った感じに
ふりわけてくれれば良いから」。

それが本部社員の言葉でした。

つまり、法律上の最低ラインまで、有給を減らして
申請してほしい、そういうことだったのでしょう。

そして何故か散歩(?)に誘われ
お店の外で。
そこで本部社員は
「もともと閉店するとき、店長には有給分支払してるんだよな~
お疲れ様でしたの意味も込めて」

と語りだしました

続けて
「今、会社も苦しいからさ…」と言った話なども…
会社を助けてほしいとでも言いたいのでしょうか?

私は当然、
全アルバイトスタッフ分、満額で申請しました。

本部社員も諦めたのか、もうそれ以上、何も言ってきませんでした。

遠回しにネチネチと下げるように言ってくるその姿勢、
アルバイトスタッフさんを軽視するようなその姿勢を見せられた以上、
私には”満額回答”しか選択肢はありませんでした。

決着!支払!

そして、申請、いよいよその申請も通ったらしく、
私と、全アルバイトスタッフさんに有給休暇分の金額が
支払われることになりました。
最初は9月の給料日(9/25)に入るなどと言っていましたが、
結局会社の経理手続きが遅れているとかで、
入ることはなく、
最後の給料(10/25)に振り込まれることで決着しました。

ですが、私は「そのまま有耶無耶にするつもりなんじゃないか」と
経理部を疑いました。

と、いうのもこの経理部、親会社の経理部なので、
私の所属する子会社の経理は非常にいい加減で、
学生から社会保険料とってたり(返還させました)
税の引き落とし手続きをちゃんとしていなかったり(クレームいれました)
給料明細送って来なかったり(クレーム送りました)、
全くやる気が無かったのです

「子会社だからと言って、手を抜いているのではないでしょうか?」と
まで言わないと、ちゃんとやってくれないような有様だったのです。

在籍中のそういうやりとりから、私はこの経理部を全く信用して
居ませんでした。

9月30日を最後に、私もアルバイトスタッフも退職します。
その後、もし10月25日に振り込まれなかったら…?

そう考え、私は関係各所の連絡先を退職前に全て控え、
今までのメールのやりとりも、全て保存しました。
何かあった時に使うためです。

しかし…結果的には10/25にしっかり全員分振り込まれました。
私以外のアルバイトスタッフさんの分をごまかすのではないかと、
全スタッフさんに確認をとって、申請用紙と照らし合わせましたが
嘘偽りはありませんでした。

最後はしっかりとやってくれた!という印象です。

・・・。

本部社員は言っていました。
「経理部が慌てている」みたいな話を。

そして他の店の元店長も
「よく全員分有給貰えたなー」と言ってました。

それほどまでに有給に関してはセコイ会社だったのでしょう。
ですが、私の勤務している会社だけではありません。

雇われ店長に有給の無い会社など腐るほどあるでしょうし、
ましてはアルバイトスタッフさんに有給の出る会社など、
逆に少ないぐらいでしょう。

世の中の多くの人は泣き寝入りしているのです。

有給を勝ち取るためには…

有給が出ない会社から有給を勝ち取るには…
正直なところ、在籍中は困難です。
「自分がこのあと退職する」 そういう立場になって初めて
↑のような方法が使える…と言う感じですね。

勿論退職予定が無くても、↑のようなやり取りを繰り返せば
有給は貰う事ができるかもしれません。
けれども、そのあとは保証できません。

会社から嫌がらせを受けてしまう可能性もありますし、
会社に居難い環境を作られてしまって、体よく追い出されることだって
あり得ます。

なので、その覚悟があれば良いのですが、無い場合は、
自分の退職が決まったとき以外は行動しない方が良いと思います。

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勝ち取るコツ

まず、やり取りはメールです(文章であればメール以外でも可)
電話がビジネスマナー!なんて言ってたら、会社に良いようにされてしまいます。
文章で送ってもらい、しっかりと記録に残し、「聞いていない」と言い訳できる
逃げ道を無くします。

そして、相手が言い訳や、有給を出せない!と言ってきた場合は
「理由」と「担当者 もしくは責任者名」をメールで聞き出します。
これはかなりの圧力になります。

向こうは労基に持っていかれることを恐れてますからね。
「担当者名」を聞き出すのも大事です

「対応次第によってはあなたは大変なことになりますよ?」
そういう意味合いもあるのです。

次に、返事が遅い場合は、毎日でも催促のメールを送ります。
また、返答期限を設け、それまでに返答がない場合は
「別の対応を考える」などと、法律関係の対応を匂わせておきましょう。
それで、慌てて返事をしてくるケースもあります。

そして、最後まで油断しないこと。
振り込まれるその瞬間・有給が貰えるその瞬間まで決して
油断してはいけません。

記録すべきことは全て記録し、
本社からの圧力も受け流す。
そういうことも必要です。

「記録」「諦めずしつこく」
この2つが大事ですね…。

ちなみに退職予定が無い場合に、安全に有給を勝ち取る方法は
ありません…。
↑はあくまでも「これから退職」するって言う場合の話ですからね。

まとめ

店員Kの場合も、有給申請から貰うのに2か月かかりました。
最終的には貰う事ができたので良かったのですが、やはり普段有給を
出さないような会社から、有給を貰う事は容易な道ではありません。
会社側には会社側の都合があるのだとは思いますが、
法律で決まっているモノは出すべきですし、
貰えるものは貰うべきだと個人的には思います!

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