店員経験者が語る!キモチップはいらない!お店の負担を増やす!

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「キモチップ」というものが
話題になっていますね。

これは、数年前から販売されているもので、
お店に対して感謝の気持ちを伝えよう、というものに
なっています。
メモ用紙のようなものになっており、
そこに感謝の気持ちを添えて
置いておける、というものになりますね。

お店に対する感謝の気持ちをそっと、
置いておく…
それが、キモチップというもののようです。

が、ザンネンながら元店員の立場から
言ってしまうと、お店にとって迷惑になってしまうことも
あるので、元店員としてはおすすめできません。

感謝の気持ちは、口で伝えて頂ければ、と思いますし、
何となく言いにくいのであれば、
わざわざメモを置いていただかなくても大丈夫です。

キモチップ事態を批判したりだとか、そういう意図ではなく
お店側から見た現実的な面をお話していきます。
この世は、理想では成り立たないのです。

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どうしてお店の迷惑になってしまうの?

感謝の気持ちを書き残して
お店側がその感謝の気持ちを受け取る。
なんと素晴らしい世界でしょうか。

が…
世の中、そんなに美化された世界ではないのですよね。

接客業をやっていた人、もしくは今現在やっている人なら
分かると思うのですが、
正直、お客さんに心から感謝している店員がどのぐらいいるのか、
お客さんから感謝されることに悦びを感じる店員がどのぐらいいるのか。
案外、少ないですよね。

「早く帰りたい」
「お客さんは来ない方がいい(仕事が楽)」
「感謝の言葉なんて一銭にもならない」

冷たいようですが
それが、この世の現実だと思います。

もちろん、心から感謝している人もいるでしょう。
ですが、それは、お店の経営者レベル(売上が自分に直結する人)か、
その商売に心の底から生きがいを感じている人か、
そのどちらかであると思います。

お店において、多くの店員はアルバイトスタッフさんです。
売上が伸びたり、感謝されることよりも
お金を稼ぎたい。

この世はそういう世界であって、
店員さんに感謝!
感謝されたやった嬉しい!生きがいを感じる!
そんな風に感じる人は、少数であると思います。

もちろん、建前上は、そんな本音表に出さないとは思いますが
人間とは、そんなものでしょう。

そんな中、キモチップを残されれば、
キモチップを残した側は純粋な善意かもしれませんが
お店の店員からすれば迷惑になる可能性もあるのです。

メリットがない

まず、店員からしてみれば、紙に残されても
メリットはありません。
お客様から感謝の手紙を頂いた、なんて
喜ぶ人は、少数派であると思います。
特に、キモチップのような、テンプレート的なものが
そっと置かれていても、
流し見して、さっさとゴミ箱に、というのが
現実ではないかと思います。

直接感謝の気持ちを伝えられるのであればともかく
紙で残されても店員からしてみれば
何のメリットもないでしょう。
特に、雇われている身からすれば
そんなことよりも、早く休みが欲しい!
それが現実であると思います。

全員が全員そうであるというわけではありません。
色々な考え方の人が世の中にはいますから
喜ぶ人もいるでしょう。
が、キモチップを残せば必ず喜ばれる、と思い込むのは
単なる驕りでしかないと思います。

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手間が増える

お店によっては本当に1分1秒を争うほど
忙しいところもあります。
そんな中「キモチップ」を残されればどうでしょうか?

まず、「これは何だろう?」となる時間がかかります。
そして次に「読む時間」もかかります。
加えて、それを処分する時間も増えます。

その間、たった数十秒ではありますが、
お店の店員さんの手間を増やすことにも繋がります。
本当に数十秒です。
接客をしたことのない人には「そのぐらい」と思うかもしれません。
が、現代社会の店員には、その数十秒を笑って
流せるほどの余裕も、もはやありません。
それほどまでに、心の余裕を失っています。

逆に手間を増やすだけですし、
迷惑に思う人も出てくるかと思います。

もしも感謝の気持ちを伝えたいのであれば口頭で。

キモチップに限らず、メモ書きを残されても
それはお客様側の自己満足であり、
粋でもなんでもありません。

メッセージによっては恐怖を与える可能性

普通の「ありがとう」ぐらいであれば
この心配はありませんが、
キモチップや、その他のメモ用紙などに
通常のお礼を越えるような文章を書き残したりすれば
店員さんに、不安や恐怖を与える場合もあります。

常連さんなどを除き、必要以上にお客さんに
接近される、ということは怖いと感じる人もいるのです。

善意のつもりでお店側に残した「キモチップ」が
お店の店員に恐怖を与える結果になる可能性もある、
ということです。

これはキモチップに限らず、
例えば、お店の人に直筆の手紙を渡したりだとか
もっと度を越したケースだと告白や連絡先を
渡したりだとか、
そういうことは多くの店員にとって恐怖であり
嬉しいことではありません。

お客さんと店員のトラブル、というのは
よく聞くことだと思います。
面倒ごとに関わらずに、お金を稼いで
普通に仕事を終えて、休みたい…
そんな店員さんの思いを
壊してしまうことになるかもしれないのです。

ゴミが増える

キモチップもそうですし、手紙もそうですが
最終的には、ゴミ、もしくはリサイクルになります。
紙の状況やサイズによっては燃やすごみに
なることもあるでしょう。

もちろん、少数の人がやるぐらいであれば
大したことのないゴミの量ではありますが
もしもこの文化が広まってしまって、
来るお客さん来るお客さん全員が
キモチップのようなものを置いていくように
なってしまったら…

これは正直、ゴミが増えるだけで
非常に迷惑になりますね。

リサイクルなら費用はかかりませんが
結構管理するのが面倒ですし、
紙も増えればゴミだしの日まで
邪魔になってしまいます。

燃えるごみにする場合は、有料ゴミですから、
本当にお店にとって迷惑にしかなりません。

加えて、もしもキモチップに個人名が
書かれていた場合、
そのまま捨てると問題になる可能性も
(個人情報保護の観点から)ありますから
お店はおそらくシュレッダーなどで処分する
などの対応を求められることになります。

そうなれば、手間も、ごみも増えます。
お店からしてみると、メモ書きを残される、ということは
マイナスでしかないのです。

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笑いものになるかもしれない現実

キモチップをお客さんからいただいて
「ありがとう…」なんて店員さんたちが
喜びに包まれる…なんて思っているなら
それは接客業を経験したことがないか、
よほど理想的な人が揃っていた職場か、
そのどちらかでしょう。

現実的に考えれば、キモチップを残せば
アルバイトスタッフを中心に
笑いものになることが安易に想像できます。
小切手風に金額なんて書き残していたら尚更です。
忘年会や新年会などの集まりで
ネタになる可能性もあります。

店員も人間ですから、
本当に、そういうものなのですよ。

世の中、そんなにきれいなモノじゃありませんし、
お客さんのことを裏でネタにしたり
裏でクレーマーや態度の悪いお客さんのことを
ボロボロに言ったり…
そういうこともあるのです。
どこのお店も、表に出ていないだけです。
たまに、接客中に態度を出してしまう人もいますが、
多くの人は、接客中は親切で、裏ではネタにしていたり、
そんな光景が、この世の現実なのです。

まとめ

キモチップを受け入れられないほどに
今の世の中は窮屈になってしまったのか!と
言いたくなる人もいるでしょうし、
感謝の気持ちが伝わらない店員は
接客業向いていないのでは?と思うかもしれませんが
実際に接客業をやってみれば分かります。

この世はそういうものですし、
そんなにきれいなモノじゃないのです。
お客様に喜んでもらえることが全ての喜び!
なんて時代じゃ、今はないのです。

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