労働基準法は店長を助けてくれない。店長の労働の現実を知る。

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店員Kです!

労働者は労働基準法によって守られている。
そういうことに”表向き”はなっています。
ですが、実際に労働基準法が100パーセント守られている、なんてことは
ほとんど無いでしょう。
多くの会社が何らかの部分に違反しているはずです。

そして、店長職においては、それがさらに顕著です。
店長は労働基準法と縁のない仕事ー
そう思ってしまっても良いぐらいです。

労働基準法は店長を守ってくれません。
(他の労働者の場合もそうかもですが、この記事では店長に主眼を
おいて書いていきます)

店長が労働基準法と縁が無いのは何故なのか。
見ていきましょう。

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店長は労働基準法で守られない?

店長の仕事は、正直に言ってしまえば、
サービス残業だのなんだのが蔓延しています。
勿論、全ての店長がそうではありませんが
基本的にサービス残業もなく、休日出勤もなく、
労働基準法の全てが守られている店長、などという店長は
存在しないのではないでしょうか。

それほど、店長と言う仕事は
労働基準法と縁のないものなのです。
なぜ、そうなってしまうのでしょうか。

店長の仕事の実態

まず、私が敬虔した雇われ店長の仕事の実態を書いておきましょう。
私の場合の毎日の勤務時間は朝9時~夜22時。
それが週5回ありました。
勤務時間は一応、10時~18時とされていましたから、
休憩とか細かい部分を除いても、4時間ちょっとの残業は
つく計算になります。
それを1か月、休日を除いて20日としても、月の残業時間は
80時間ぐらいにはなったわけです。

ただ、これは、甘い方。
他の店長は月の残業が100時間を超える店長、
もっと上を行く店長なども居ました。

そして、この会社では
残業持ち時間30時間という謎システムがあり、
残りの残業はサービス残業でした。

有給休暇は出ているはずなのに、何の説明もなく
当たり前のように消滅しますし、
休日出勤をしても、当然、何も変わりません。
まさに、ボランティアです。

このように店長の仕事は、
労働基準法が全く守られていないことも多く、
真っ当なプライベートを楽しみたいのであれば
経験者として、おすすめはできません。

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管理監督者として扱われる?

名ばかり管理職…と言われるやつですね。
労働基準法において、
管理監督者には時間、休日、休憩の項目は
適応されない、というものがあります。

この管理監督者に当たるとして、
会社側が残業代などを一切支払わない、というケースは
実際に存在します。

この辺り、店長が管理監督者に入るのかどうか、という点が
非常にあいまいにされており、それが店長に対して
残業代などが支払われず、労働基準法において
店長が守られない一因になっています。

厳密に言えば、店長は管理監督者には含まれない、というのが
一般的な考え方です。
雇われ店長は実際にやってみれば分かりますが、
ほとんど権力と言う県bン力なんてありませんからね…

ですが、それでも会社によって判断は異なる為、
残業代などが一切出ない場合も多いのです。

必要以上の責任を感じてしまう&背負わされる

店長になると、そのお店の責任を全て背負うことになります。
売上に対する責任もそうです。
損益の状態が悪いと、会社は店長を激しく叱責します。
しかしながら、今のご時世、そう簡単に売上など
上がるものではありませんし、
そう簡単に売上が上がるのであれば、閉店してしまう
お店なんか無くなるでしょう。

が、それでも本部は売上を上げろといいます。
勿論、店長もいろいろと努力はすることでしょう。
しかし、それにも限界があります。

そして、どうにもできなくなった店長が最後に
選ぶ道は何か。
それが”自分の身を削ること”です。
サービス残業をしたり、アルバイトの出勤時間を減らして
自分が出勤して人件費を抑えたり。
そういうことをし始めてしまう店長が多いです。

そして、会社はそれを
”店長の自主的な仕事”として判断します。
実質的には会社から強要されているようなものなのですが、
形式的に見れば”店長が勝手に来ている”ということに
なってしまいます。

会社もわざとらしく
「サービス残業はやめろ」だとか、そういうことを
”表向き”は言います。
ですが、出勤しなければ、仕事も終わらず、利益も上がらず、
激しい叱責が待っているー。
そのため、店長たちは出勤してしまう。

そして、労働基準法はこういった状況を
守ってくれないことも多いです。
店長は、本当に労働基準法と縁のない職業です。

労基に駆け込めば良い?

もちろん、過酷な環境で仕事をさせられているのであれば
労働基準監督所に駆け込めば良い、
そう思う人も居るかもしれません。
仮に、証拠を手に、労基に訴え出れば何とかなるかもしれません。
会社に対しても、指導が入る可能性もあります。

ただし、店長は出勤時間、待機時間を証明する術を持っていない
ケースも多いです。
現場で店長の出勤退勤を見ているのはアルバイトスタッフさんだけですし
会社側がとぼける可能性もあります。
また、労働基準監督所が動かなかったり、
会社側が”注意したけど、勝手に出勤していた”という話に
持っていく可能性もあります。

そして、仮に労働基準監督所が動いたとしても、
恐らくはその店長は近いうちに会社を去ることになるでしょう。
もちろん、本来、会社側がそういうことをしてはいけないのですが
”法律に引っかからないグレーゾーン”のやり方ならば、
会社はいくらでも持っています。
労基に駆け込んだ店長は、恐らく解雇されます。

自分の生活がかかっている人も多いでしょう。
そして、店長はそもそも、毎日疲れ果てています。
労基に駆け込めば、また色々なことが日々、起きて、
余計な負担になることは目に見えていますし、
会社から不当な扱いを受けて実質上の解雇状態に
されるのも目に見えています。

そうなると、多くの店長は行動することを控えます。
辞める覚悟で訴える人もほぼ居ません。
自分の労力になるためです。

そして、黙って働いている状態では、
労働基準法は、店長を助けてはくれません。
そのため、店長にとっては、労働基準法というものには
守られることなく、苦しい勤務を強いられるケースが
非常に多いのです。

労働基準法に守られている、と
実感している店長は、ほとんどいないのではないでしょうか。

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誰も何も言わないから…

そして、店長に対する劣悪な労働環境が蔓延しているのは
”ほとんどの人が何も言わないから”という点が
一因として挙げられます。
店長にも、自分の生活がありますから、多くの店長は過酷な
労働環境に置かれていても、特に何も
言わずに、苦しみながら仕事をしていることも多いです。

すると、どうなるか。
雇う側からしてみれば”誰も声をあげない”わけですから
喜んで店長たちを機械として扱います。
酷い話ですが、世の中とはそういうものです。

”誰も何も言わないなら、それはそれでラッキー”それが
会社の考えです。
そして”周りはみんなそうだから”と店長の酷使やサービス残業が
当たり前の時代が出来上がってしまったのだと思います。

何も言えない店長、そして、
どんどん悪い例を見習っていく会社達。
今後も、店長に対する悪質な勤務実態は拡大していくものと
思われます。

まとめ

労働基準法は店長を守ってくれるようにはできていません。
店長として働く以上は、
悲しい事ですが、ある程度覚悟するしかないのかもしれません。

もちろん、声をあげることはできます。
ですが、実際のところは声をあげるのが難しいのも事実ですし、
上げても、大した効果を得ることができないという現実もあります。

本当に”手遅れ”になったときぐらいしか
労働基準法は店長を助けてはくれません。
…まぁ、これは店長に限った話でもないのですけれどね…。

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