お店の最後!こうして店は閉店する ~実録!あるゲーム屋の終焉~

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店員Kです!

今回の記事では、私が独立する前に店長をやっていた
とあるゲームショップの閉店までの道筋、そして閉店後について
詳しく書いていきます!

お店がどのようにして終わるのか…
この記事を読んでいただければ分かるかと思います!

それでは、どうぞ!

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どんなお店だったのか?

まず、私の旧勤務先のお店をざっと紹介しておきましょう。
写真はまだ閉店が決まる前。
閉店になるなど夢にも思っていない時期のものですね!


こんなゲーム屋でした!
小さいですが、ゲームからカードまで結構いろいろありました!

ここに私はアルバイトとして入って、
そのあと店長になったのです。

最近はこういうお店が減ったので寂しい限りですよね。

あ、私はもう、この店舗の閉店時にこの会社は退職
しているので、一応店舗名は伏せておきました
(分かる人には分かってしまうと思いますが・・・)


お店に入ってすぐの店内風景。
狭いお店だったので、内容物ギッシリでした!

いつも新しい商品が入るたびに、どこにどう並べようか
とても苦しんだのは良い思い出です。

↑の写真で見える3つの通路しかないので、
写真からでもその狭さ(?)が伝わってくるかと思います。


通路の奥行きはこんな感じ。
なので、床から天井までフル活用して
できる限りのゲームソフトを並べていたのです。
カードもかなりギッシリでした。
広いお店は良いなぁ…などと思いつつ。


これが中央通路の写真。

と、まぁなかなか売上もあったお店ではありましたが、
親会社の意向、
ゲーム業界の衰退、
そして他のグループ店舗が次々と閉店していったことによる
維持費の高騰、
そう言った悪条件が次第に重なっていき、
ついに閉店が決まってしまうのでした。

ちなみに、閉店前に予測できなかったのか?と
思うかも知れませんが、
店長をやっているとやはり事前にそういう空気は伝わってきます。

ただ、どこかでまだ大丈夫だろう、まだ…と
思ってしまうのも事実なのですけどね…。

閉店決定!最終日まで~

ある日、会社の本部長が「話があるから店に行く」と
電話をかけてきました。

正直なところ、嫌だな~とは思ってました。
前任の店長から、本部長がお店に直接やってくるときは
大抵良い話じゃない、と聞いていましたので(笑)

で、到着した本部長は、私を店のすぐそばにあるファミレス、
”ジョナサン”に連行していきました

写真のセブンイレブンの上に見えるのが
私の旧勤務先の反対側にあった
終焉の地ジョナサン。

ここで「閉店が決定したこと」を告げられました。

告げる時、本部長はとても言いにくそうでしたね。

しかし、私はこの日が来ることをどこかで覚悟してましたし、
いずれ自営業を始めることは決めていたので
ついに来てしまったか…
そんな感じでした。

閉店までの期間は1か月。
なかなかにスピード閉店でした。

そして私はアルバイトスタッフさん全員に閉店の事を
告げることに。

驚く人。本社の決定に不満を抱く人、特に何の感想も無い人。
反応はそれぞれでした。

そして、決まった閉店を告知するときがやってきました。


まさか自分が店長の代にこの
「閉店SALE」を貼ることになるとは
思いませんでしたよ。

閉店セールのPOPを貼る作業ってとても
虚しいものです。
どうせ何をやってももう終わりなのですから…


で、閉店するお店定番のこういう投げ売りも
するのです。
閉店セールという名の在庫処分。

「結構売れるんでしょ?」と思うかもしれませんが、
案外売れなかったりします。

最新のソフトなどはグループ企業だったので、
他の店舗に送る為、ほとんど値引きなどしませんでしたし、
人気作も同様でした。

なので、安くなっていくのはどうしても人気の無いソフトに
なってしまうんですよね…。


店内にも、こんな感じで「閉店SALE」ののぼりなどが
各所に設置されることに。

突然の閉店と言う事で、おどろく方も多かったですし、
せっかく新作を予約されていたお客様の分も全て
キャンセルになってしまいました。

実はこの年、超大作ソフトの発売があり、予約も相当数入っていたので
そこまで閉店を延ばすことはできないかどうか、上層部に
直訴したのですが、ダメでした(汗

大手企業の決定を覆すことなど、個人の力では無理なのですね。。


積極的な仕入れなどを停止するので、
当然、在庫は減っていきます。

元々は写真の下半分のポスターで隠してある部分にも
ソフトがあったのですが、置くものが無くなって
しまったので、こうやってポスターで隠すことに
なりました。

こういう光景を見ると「あ~この店ももう終わりなんだな」
って実感できちゃいます。


品切れしたもの、終了したものから次第に
撤去していくことになります。

このガチャも、閉店日を待たずに、先に引き上げ
することになりました。

最終営業日から引き渡しまで、基本的にはあまり余裕が
ないので、営業中から、このように少しずつ片づけを
していかないといけないのです。

片づけをしていると、より終わりが近づいているような
気がしてしまいますね。
(まぁ、実際に終わりが近づいているんですけれども…)


これが、実際に店舗に貼り付けしていた閉店告知のPOP。

こういうPOPを作るのは楽しくないですね。

で、営業しつつ、閉店の準備も水面下で進めつつ、
最終営業日を迎えて閉店になりました。

閉店が決まってからの営業期間中は閉店に向けた準備や
アルバイトスタッフさんへの対応などもあるので、
いつもの営業より大変です。

閉店後の片づけ!

そして、閉店後の片づけが始まります。
最終営業日から、物件の引き渡しまでは10日程度しかありません。
なので、急ピッチで片づけが進められていくことになります

まず、商品は他の各店舗に送ることになりました。
数万単位で存在する商品の在庫がちゃんとあるかどうかを
照らし合わせて、PC上で他のお店に送るための伝票を作り、
ひたすらダンボールにつめて発送する。

終わりがないんじゃないかと思うぐらい、気の遠くなるような
作業でした。

閉店作業の中でこれが一番きつかったですし、
精神的にも疲れましたね。

正直なところ、普通に営業していた方が疲れません。
閉店作業はただの地獄です。

荷造りしては発送、別の人は棚の解体。

そして私は店長だったので、
各種契約の解約(セキュリティとか)のための連絡などの
作業にも追われていました。

休みも無くなりかねないレベルです。

このようにどんどんモノは無くなっていき、
解体できるものは解体します。

ショーケースなどは受取希望店舗があるものは
送り、後は産業廃棄物として処分することに。

産業廃棄物業者が来る日までに出来る限り、
細かく分解しておき、到着に備えます。

で、これは余談なのですが、
私は旧勤務先の反対側の通りにテナントを借りて
自営業を始める準備を同時進行で行っていました。

旧勤務先が産業廃棄物として捨てる予定の
ショーケースなどを↑のように頂きました
(上は私の独立後のお店です)

旧勤務先にとっては、産業廃棄物の料金が浮き、
得ですし、
私にとっても、ショーケースをそろえる費用が浮いたので
かなり助かりました。

…話を戻します

産業廃棄物の業者が来て、店内にあったほとんどのものは
このように撤去されました

もうごく一部のカウンターと、閉店作業をしている
スタッフの私物などしか残っていない状況です。

あの狭い店舗でも、何もないとこんなに広かったのですね。

この状態だと、声も響くので、ある意味では新鮮でした。

ちなみに上の写真は明け渡し前夜の写真です。
もう、私も翌日でこのお店、この会社とはサヨナラする日でした。

そして、明け渡しの日がやってきます

残っていたカウンターも撤去され、
もはや何もなくなりました!

完全にクリーンな状態です。
壁や床をできる限り綺麗に掃除して、
ついに明け渡しの瞬間へ。

鍵を大家さんに返却し、本部長と共に店の外へ。

これでもうこの建物に入ることはありません。

私はアルバイト時代も含めると、5年以上ここで
勤務していたので、少し寂しい気もしました。

そして店を出て、本部長とも別れの挨拶をし、
私は退職しました。

この日から、私の自営業としての人生がスタートしたわけですね。

生まれ変わるお店…

閉店後、私が勤務していたお店は少しずつ、面影を無くしていきます。
新しいお店に生まれ変わる為にー。

私は自営業のお店の開店準備をせっせと進めつつ、
反対側にある、旧勤務先が変わって行く様子を日々
見ながら、作業をしていました。

明け渡しから数日後、ご覧のとおり、看板は
白塗りになっていました。

ここにゲームショップがあったことはもう過去の話に
なった瞬間ですね。

10年もすれば、人々の記憶からも無くなって行くのでしょう。

私のお店も無事に開店を迎え、さらに時が流れたある日。
お店の跡地に動きがありました。
内装工事などが始まったみたいです。

このころには白塗りされていた看板の部分も取り外し
されていました。
もう、面影はどこにもありませんね。

あれから半年以上が経ちました。
今では、ご覧のとおり、保育施設が出来上がりました。

自動ドアにも、シャッターにも、外観にも、
もうあの時の面影はありません。
こうして、お店というものは消えて、
新しく生まれ変わって行くのです。

そして私は懲りずに反対側の通りで、
今度は個人事業主として中古ゲーム・トレカ・ホビーの
買取販売専門店をOPENさせました。

この先、このお店がどうなるかは分かりませんが…。
まぁ、今回の記事では店についての話は置いておきましょう。

最後に…

まぁ、これが閉店までの一連の流れですね。
細かい作業などはたくさんありますが、このようにして
お店は消え、また新しいお店に生まれ変わって行くのです。

私が閉店を経験したのは今回紹介したこの1件だけですが、
もう2度味わいたくないですね…
やはり、閉店というのは悲しいモノです。

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