病院の「たらい回し」はどうして起きるの?その原因とは?

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救急搬送時などにおける
「たらい回し」という言葉を
聞いたことはあるでしょうか?

これは、救急搬送時などに、搬送先候補の病院から
「受け入れ困難」「不能」と断られてしまい、
なかなか行先が決まらない状況のことを言います。

これだけ聞くと、病院に対して悪いイメージを
抱いてしまう人もいるとは思うのですが
これには、どうにもならない一面があるのも事実です。

たらい回しが起きる理由と、
個人にできる協力できること、身を守るための方法を
解説していきます。

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たらい回し0を目指せば病院は潰れる

残念ながら、人間は万能ではありません。
たらい回しが絶対に起きないようにしろ!と
言われてしまったら、ほとんどの病院は
潰れてしまうでしょう。

それが、現実です。

よく誤解されるのが「病院はやりたくなくて断ってる」と
言うことですが、
そうではなく「受け入れてあげたくても、できない」と
いうのが現実です。

医療スタッフが急に分身することなんてできませんし
病院のスペースを突然2倍にするようなことはできない…
受け入れる人数には、どこも限界がある、ということです。

その現実だけは理解しておかなくてはいけません。
そして「たらい回し」を防ぐために、医療を受ける側も、
そのことはしっかり自覚し、
自分の身を守るため、そして、本当に助けが必要な誰かを
守るために、意識を持つことも、大切です。

受け入れが出来ない理由とは?

たらい回しが起きる理由は
「やりたくない」ではなく「できない」からです。

理由としては
・人員不足
・病床不足
大きく分けて、この2つです。

よく考えてみてください。
医師の数には限界があります。
当然、看護師の数も、です。
既にその病院で、医師と看護師が、他の処置をしている場合、
当然ですが”運ばれてきても誰も相手にすることができない”
状態ですから、そうなってしまえば、運ばれてきた方は
そのまま放置されて、命を落とすことになってしまいます。

夜間などの場合に関しては、専門医がいない場合などに関しても
やはり、受け入れが難しい場合があります。
「分からない病気」なのに受け入れて、それで
患者さんが命を落としたりすれば、当然、世間からも
批判されるでしょう。

それが分かっているのに、受け入れることなど
できるわけがない、ということは
病院側の立場になってみればわかると思います。

病床に関してもそうです。
手術などを行う機材や場所に関しても限界があり、
既に使用中である場合、
新しい患者さんの受け入れなど、できないのです。

「しない」ではなく「できない」
これが、現実です。

対応できる人がいないのに受け入れれば
当然、運ばれてきた人は放置されることになりますし、
病床が足りないのに受け入れれば
これまた、大変なことになります。

それでも「受け入れろ!」と叫ぶ人は、
”現在治療中の人を見捨てて、こっちを助けろ!”とか
”現在病床を使ってる人を床に放り投げて
 自分に病床を提供しろ!”と
言っているのと同じことです。

おかしなことを言っている、ということは
分かるかと思います。

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理想と現実は違う

「じゃあ人が足りない、なんてことにならないように
たくさんの医師を配置しておけばいいんじゃないの?」と
思う人もいると思います。

が、これをしてしまうと、
今度は「普段」は医師があまる状況になってしまいますし
人件費が爆発的に跳ね上がります。

と、なればどうなるか。
病院の経営がひっ迫し、病院がそこから無くなります。

医師だって人間ですから”無償で働け”なんて
言えないのは分かると思います。

それは、診療代を大幅に引き上げるしか
なくなってしまいます。

当然、皆さんだって怒ると思います。

病床も同じです。
”足りなくならないように大幅に増やせば?”と
思うかもしれませんが
そんなことをしたら普段は病床が余りまくり状態になり、
これまた経営を逼迫することになるでしょう。

結果、病院は潰れます。

「人がいなくてもとりあえず受け入れてくれ!」という人も
いると思いますが、これも無理です。
人がいないわけですから、運ばれても
何もできず、満足な場所も提供されないまま
最悪の場合、そのまま放置で命を落とすことになります。
そうなれば、当然家族は怒り狂うでしょう。
「なんで受け入れたんだ!」と。
そんなことが続出すれば、これもやはり、病院がつぶれるでしょう。

理想としては
確かに”24時間365日、どんな分野にも対応できるドクターが
十分に常駐していて、病床も山ほどあって安心!”
みたいな病院があれば一番だと思いますが、
そんなことしてしまったら
病院自体が世の中から消えてしまいますから、
出来ないのです。

各病院とも、それぞれ努力はしているのです。
ですが、限界というものがあるのです。

個人に出来ることをしっかりと!

「たらい回し」が起きないために、
そして自分が「たらい回し」に遭わないように、
大事なこととしては

「日頃から自分の健康を意識する」ことですね。

もちろん、意識していてもだめなときはダメですし
そう言う時のために病院はありますから
どんどん利用して良いのですが、
「健康を意識すること」ぐらいはしておきましょう、ということです。

自分が健康なら、たらい回しに遭う心配は無くなりますし、
”自分が健康でいることで”病院を利用しない分、
他の誰かが病院のお世話になる余裕ができます。

こういった点で、ひとりひとりが間接的に協力していく、
ということが、とても大事なのです。

また、「用もないのに病院に行く」
「用もないのに救急車を呼ぶ」みたいなことは控えること、
これもまた、たらい回しが発生しないように、
一般の立場から出来る、協力のひとつになりますね。

まとめ

たらい回し…と聞くと「なんで?」と思うかも
しれませんが
病院側も好きでそうしているわけではないのです。

理想論を語るのは簡単ですが
現実はそう甘いものではない、
ということを理解し、
一人一人が、出来る限り健康に気を遣うことも、
大切なことになるのです。

もちろん、それでも体調を崩してしまった場合に関しては
遠慮する必要はありませんが
一定の配慮・理解をすることも
大切なことになります!

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