政策金利が上がる=住宅ローンの変動金利が上がるとは限らない。その理由は?

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マイナス金利の解除により
政策金利が上がった…

こう聞くと、=住宅ローンの変動金利も上がる、と
思っている人もいると思います。

もちろん、政策金利が上がれば上がるほど
住宅ローンの変動金利が上がる可能性も高くはなりますが、
必ずしも、”政策金利が上がる”=”住宅ローンの変動金利が上がる”と、
いうことではありません。

政策金利=変動金利の数字ではない、ということですね。

では、実際にはどのような関係性があるのか、
住宅ローンの変動金利はどこが決めているのか、
この点について解説していきます。

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政策金利自体は住宅ローンの変動金利の数字ではない

まず、”政策金利”と呼ばれるものは
「日本銀行(つまり、日銀)」が決めているものになりますが、
これ自体は直接的には住宅ローンの変動金利と
関係しているものではなく、
政策金利=変動金利ではありません。

実際に、政策金利がマイナスになっていた時も、
住宅ローンの変動金利は「マイナス」にはなっていませんでしたし、
政策金利が上がっても、住宅ローンの変動金利が同じように上がる、
ということはありません。

実際に2024年3月のマイナス金利解除の際にも、
それに合わせる形で住宅ローンの変動金利が変化することは
起きていません。
(実際、一部銀行は「(現時点では)上げない)」と、
 発表もされています)

後述する通り、もちろん、政策金利が上がれば上がるほど
住宅ローンの変動金利が上がるリスクは高まりますが、
変動金利は”政策金利の数字自体”で上下するものではありませんので、
政策金利が上がった時点で、直ちに変動金利が上がるわけではありません。

では、住宅ローンの変動金利は一体”なに”で決められているのでしょうか。

変動金利を決定づけているものは…?

”変動金利”の数字を決定づけているものは、
”政策金利”そのものではなく、
”短期プライムレート”と呼ばれるものになります。

政策金利が上がっても、変動金利が影響を受けないのはそのためで、
”政策金利”と”短期プライムレート”はそれぞれ別物になります。
そのため、政策金利が上がっても、すぐに変動金利が上がるとは限らず、
逆に政策金利が下がっても同様のことが言えます。

この短期プライムレートは政府や日銀が決定しているわけではなく、
各銀行が独自に決定するものになっていて、
決定する場所も、政策金利とは異なっています。

このため、政策金利が上がった場合でも、
各銀行が独自に判断して”短期プライムレートは変化なし”という
決断を下すこともあるわけです。

政策金利が変化しても、
この短期プライムレートと呼ばれるものが動かない限りは
変動金利には影響は及びません。

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ただし、短期プライムレートは政策金利も判断基準の一つ

ここまで説明してきた通り、
政策金利自体は、住宅ローンの変動金利とは
直接的には関係なく、
政策金利が上がったら変動金利も上がる、という”連動”しているものではありません。

しかしながら、この変動金利に直接影響を与える
”短期プライムレート”は、政策金利も判断材料の一つとなっているため、
政策金利が上がれば上がるほど、この短期プライムレートが上がっていくリスクが
高まるのは事実です。

簡単に言えば、
”政策金利が上がれば上がるほど、短期プライムレートも上がる可能性がある”
と、いうことですね。

そのため、政策金利自体は直接的に変動金利には関係はしていませんが、
変動金利の基準となる”短期プライムレート”が、その政策金利に関係しているため
”場合によっては”影響を受ける可能性がある、ということです。

ただし、過去の事例を見ても短期プライムレートは政策金利以上に
動きにくい傾向にあり、
実際に過去に政策金利が変わった際にも反応を見せていません。

当然、政策金利が上がり続ければ”影響を受けやすい”
短期プライムレートも上がる可能性は高まりますが
政策金利が少し動いたからと言って
必ずしも短期プライムレートが反応するとは限らず、
政策金利が変動しても、結果的に住宅ローンの
変動金利には変化が生じないこともあります。

急激に上がる可能性は限りなく低い

2024年3月のマイナス金利解除により、
政策金利が上昇しましたが、
この”短期プライムレート”の方が急激に上昇する可能性は
”限りなく低い”と考えられます。

政策金利自体の変動が微々たる変動ですし、
仮に今後、政策金利が何度か上がったとしても、
現在、銀行は”競争”になっていますし、
あまり変動金利への影響を強めれば、
やはり悪影響も免れません。

また、今までの実績(変動の)や、
現在の景気の状況、各専門家の解説など、
それらの点を総合的に考えると
”短期プライムレート”が今後、急激に上昇に向かう可能性は
低く、当面の間は変化があったとしても、
”微々たる変化”に留まるのではないかと考えられます。

まとめ

政策金利が変動しても、
その時点で住宅ローンの変動金利に
影響を与えるものではありません。

政策金利と変動金利自体は、直接連動はしていないためですね。

ただ、変動金利を決める
短期プライムレートという数字は、政策金利も一つの判断材料となって
上下するために、
政策金利の変動がただちに住宅ローンに影響を
与えるものではないものの、
政策金利が上昇を繰り返せば繰り返すほど、
そのリスクは高まっていくのもまた事実です。

過剰に怖がる必要は全くありませんが、
住宅ローンなどで不安を抱えている人は、
しっかりと最新の情報が耳に入るようにしておくと、良いと思います。

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