”山林火災”は、非常に恐ろしいものです。
一度燃え広がってしまうと、
長期間に渡り、炎が消えずに
どんどん炎が広がって行ってしまうようなケースもあり、
最悪の場合は、人が住んでいる地域にまで燃え広がることで
人的被害や、住宅への被害などが発生することもあります。
実際に国内でも山林火災は度々起きていますし、
海外などでも大規模な山林火災が発生して
その状況が報じられるようなこともあります。
では、そんな山火事はどうして発生してしまうのでしょうか。
山林火災・山火事が発生する原因には
どのようなものがあるのか、
そして、どのような状況の時に、山林火災が燃え広がってしまう
リスクがあるのか、この点について詳しく見て行きましょう。
自然発火は少ない。人間が原因のケースがほとんど
自然界において、何らかの原因で火がついてしまい、
それが原因で山林火災が発生する…
と、言うことももちろん可能性としては0ではありませんが、
実際に統計を見てみると、
実は”自然に発火した”ケースは非常に少なく、
そのほとんどが”人間”が原因です。
悪意があるケースも、悪意がないケースも含めて
何らかの形で”人間”が原因となっており、
(つまり、言い方を変えれば人間がいなければ起きなかった火災、
ということになってしまいますね…)
人為的な原因で、山林火災が発生しているケースの方が
圧倒的に多いことになります。
自然現象のものも含めて、どのような理由があるのか
その点を見て行きましょう。
たき火によるもの
消防庁の統計によると、一番多い山林火災の原因は
”たき火”となっており、
何らかの理由で山の中でたき火などをしていて、
それが燃え移ってしまって、山林火災に繋がる…というケースですね。
”何でそんな場所でたき火なんか…”と思う人もいるかもしれませんが
山の中などでは、色々な理由でそういったものを
行うことがあり、
普通にたき火をするだけであればともかく、
何らかのミスや予期せぬ事態によって、それが燃え移り、
山林火災に繋がってしまうという形になります。
当然、一度燃え広がってしまうと、
たき火をしていた人だけでその火を始末することは
困難になってしまい、どんどん山林火災が広がっていく…
ということになってしまいます。
国内の山林火災で最も多い原因となるのが
”たき火”となっていますから、
万が一、自分自身がそういった場所でたき火を
するような機会があった場合には
細心の注意を払うこと、そして決められたルールは
安全のためにしっかりと守ることを徹底して下さい。
「火入れ」によるもの
「火入れ」と言うと、あまり聞き慣れない言葉だと
感じる人も多いと思いますが、
”火入れ”とは、森林、またはその付近で
立木竹、雑草などを面的に焼くことを示します。
一般人がやるようなことではありませんが、
森林付近の土地を所有していたり、
何か事業などを手掛けている場合、
そういったことを行うこともあります。
この”火入れ”という行為には許可が必要で、
十分に安全に配慮した上で行うことになるものですが
それでも、場合によっては火入れによる火が燃え移ってしまい
山林火災に繋がることもあります。
また、中には無許可(当然違法です)で、火入れをするような人が
出て来る場合もあり、そういった行為があると
当然、さらに危険性は増していきます。
放火などによるもの
残念なことではありますが、
どんなところにも悪い人はいて、
そういった人たちが、山林火災の原因になってしまうこともあります。
つまり、何かと言うと”放火”による山林火災ですね。
山林をずっと人の目で見張っていることはやはり難しいですし、
火災報知器のようなものを設置して…なんてことも
なかなか難しいですから、
放火をするような人間を0にすることは残念ながら難しいです。
当然、放火をされてしまえば、
悪条件が重なった場合には一気に燃え広がってしまう可能性もあり、
非常に危険な行為ですが、
世の中にはそのようなことをしてしまう人もいて、
こういった”悪意のある人的な行為で”山林火災が発生してしまうような
ケースも存在しています。
火遊びなど
山の中での火遊びだったり、
吸い殻などの不始末だったり、
そういったものでも、山林火災に繋がる可能性があります。
山の中でも火遊びは言語道断として、
火の不始末などでも、そこから火が燃え広がって
山林火災に繋がってしまうようなケースがあります。
当然、このようなことで山林火災が発生した場合
大きな責任を問われることになりますから、
絶対に自然を甘く見るような行動はしないようにしましょう。
また、子供が火遊びをした場合も大変危険ですから、
親がしっかりと責任をもって管理・指導をする必要があります。
野焼きなどによるもの
ドラム缶を使って屋外で枯草などを焼却する行為も、
山林火災に繋がる恐れがあります。
これらは”野焼き”と呼ばれるものですが
法律上も許可なく行うことは禁止されている行為で、
勝手に行えば、山林火災の発生に繋がる可能性も
十分に考えられることです。
もちろん、勝手に野焼きをして火が燃え広がった場合は
重大な責任問題になりますので、
そのようなことはしないように注意して下さい。
自然現象によるもの
最初にも書いた通り、山林火災が自然現象によって
発生するケースは非常に少ないことですが、
0ではなく、
例えば”落雷”などによって火がついてしまい、
そこから燃え広がることで、
”人間とは関係のない原因で”山林火災が
発生するケースもあります。
また、火山の噴火などによって、
山林火災の引き金になるようなこともあるでしょう。
ただ、国内における山林火災の大半は、
人為的なもの(悪意のある・ないに関わらず)となっており、
このような自然現象による発火はごく少数となっています。
大抵の場合は、”人間が何かやらかしてしまった”ことによって
発生しているのが、国内における山林火災…ということになりますね。
燃え広がりやすい危険な状況とは?
山林火災は上記のような理由で発生しますが
一方で”環境”も重要で、
例えば雨が降っている日などは当然、そのリスクは低いですし、
風が弱い日にも、燃え広がるリスクとしては下がります。
が、逆に下記のような条件が揃っていると
山林火災が発生するリスクや
万が一の場合に燃え広がるリスクが高く、
何らかの事情で、火を使うような場合は
そのようなことになってしまわないよう、
特に細心の注意を払う必要があります。
注意するべきポイントは、
・落ち葉が多い季節
・乾燥している季節、乾燥している日
・風の強い日
このあたりになります。
これらの条件が揃っているタイミングでは
山林火災が発生するリスクは高まりますので、
より一層の注意を払う必要があります。
実際に山林火災は7割ほどが
1月~5月に発生していると言われていて、
当然、1年のうちの半分にも満たない5カ月で、
7割が発生しているということは、
こういった時期にはより危険度が増している、
ということを示しています。
燃え広がってから後悔したのでは遅いですから
もしも何らかの事情があって、山林付近、あるいは山林で
火を取り扱う場合には特に注意をして下さい。
まとめ
自然現象による発火も多いとイメージしている人も
いるかもしれませんが、
実際には、ほとんどの山林火災は”人間の仕業”によるものです。
悪意がある場合は論外ですが、
悪意のないミスの場合であっても
山林火災が起きてしまうと、場合によっては
人的被害も出ることになりますから、
そのようなことは起こさないように注意していきましょう。