医療崩壊を防ぐため自粛強要は「医療の為にあなたは職を失え」と同じ。

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新型コロナウイルスの騒動で、
「医療現場がひっ迫しているから、自粛しろ!」みたいな
ことを言っている人を時々見かけます。

「医療崩壊を止める」
これは、もちろん大事なことです。
当然、医療現場で働く皆様も人間ですから、
その負担が出来る限り軽くなるように、ということは大事なことですし、
医療の崩壊が起きてしまえば、
大変なことになる、ということもまた事実です。

医療現場は、想像以上に余裕がありません。

が…
じゃあ「医療崩壊を防ぐために緊急事態宣言をしろ」
「医療崩壊を防ぐために自粛をしろ」
と、言うのが正しいか?と言われると

それはそれで、ちょっと違くないですか?
と、なります。

医療崩壊を防ぐために自粛=正義!みたいな極端すぎる
考えになってしまっている人には
ぜひ、考えてほしいことなのですが、
「医療を守るために自粛をしろ」ということは、
綺麗事抜きで言えば、こういうことです。

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医療を守るために自粛は、人によっては残酷な言葉

「医療を守るために、あなたはの職を失いなさい」
「医療を守るために、あなたは生活苦に陥って破滅しなさい」

そういうことなのです。
医療崩壊を防ぐために自粛を強要し続ければどうなるか。
当然、今度は逆に、自粛したことにより、経営が成り立たない企業やお店が
出てきて、当然、失業者も出てきます。

”急に自分が職を失う”なんて夢にも思わなかった人たちは
ローンだのなんだの「色々な支払い」があるために、
いきなり失業すれば破綻します。
貯金は全員があるわけではありません。

つまり、医療崩壊を防ぐために自粛自粛、
緊急事態宣言!をやっていれば
確実に”そのせい”で破滅する人が出て来るわけです。
生活苦の人にとっては、それで「命を落とす」人も
出て来るでしょう。

当然、命は落とさないまでも
自粛が長引くことによって「職を失う人」も出てきます
「自分の会社やお店を失う人」も出てきます。

そういう人からしてみれば
医療崩壊を防ぐことの重要性も、
医療従事者の苦しみも、分かってはいるけれど、
それでも、
そう言われてしまうと
「医療のためにお前は破滅しろ」
言われている状態になってしまうわけです。

これはこれで、とても残酷なことだと思いませんか?

そういう人も現実にたくさんいて、
一概に「自粛に反対」する人が悪党、と断言するような
空気は、間違っています。

立場が違えば意見が異なることを理解する

当然、医療現場や医療関係者、
そして持病のある人、
生活にある程度の余裕があって自粛で破滅や失職の不安がない人。
そういった人からすれば
「自粛しない人(できない人)」や
「緊急事態宣言に反対する人」が悪に見えるかもしれません。

ですが、反対の立場で考えてみましょう。
自粛や緊急事態宣言が繰り返されれば生活が破綻してしまう人、
月々の支払が出来なくなってしまう人、失職してしまう人、
自分のお店や会社を失ってしまって
従業員たちを守れなくなってしまう人。
そういった人たちからすれば、”逆”です。
「自粛しろ!」「緊急事態宣言を出せ!」という人こそが
”自分たちの生活を潰しに来ている悪”ということになるのです。

どっちが正しいか、という話ではなく、
「立場が違えば、見方もまた変わって来る」という話です。

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「医療だけ」守って「他は考えない」は間違い

医療崩壊を防ぐために、自粛をお願いします!だけでは、
これは、”他の立場の人間”のことを
全く考えることのできていない、
”残酷な言葉”になってしまいます。

医療だけ守って、
他が破滅してしまえば、
医療は守られても、
そこに元通りの世界は残っていません。

ですので、やたら自粛を!自粛を!ではなく、
本当に難しい話ではありますが「何かを制限することによる対策」ではなく
他の対策を考える必要があります。

何も思いつかないから「自粛」「自粛」を繰り返していれば
本当に、失職、破滅、人身事故、無敵の人など
あらゆるものが時間経過とともに爆増していくことになります。

それは、医療現場の求める未来ではないはずです。

”極端すぎる対応”は、
他の破滅を招いてしまいます。

医療が!医療が!ではなく、
医療以外も苦しいのです。

だからと言って、医療を守る必要がない、とは言っていませんし、
医療現場も守る必要は当然あります。

言われているような医療崩壊が起きたら起きたで
今度はさらに”別の部分”が破滅してしまいます。

が、「医療だけ守る」では、ダメということです。

医療を守ることは当然大切です。
ですが、「医療だけ守っていればいいんだ!」は
違います。
これは間違いであり、そんなことをしていたら、
その先に、今まで通りの日常は残りません。

両立が難しいのも現実

とは言え、両立が難しいのも現実です。

医療現場を守るために
感染症対策を徹底する、となれば
やはりある程度の制限などをしないと
徹底するのは難しいでしょう。

ですが、感染症対策のために厳しい制限をすれば
生活苦の人は破滅してしまいますし、
お店・会社であっても、破滅するところはでてきます。

他人事の人の中には「仕事はいくらでもある」とか
「貯金してないのが悪い」とかそういう人もいますが
そういう問題ではありません。
「自粛とか、そういうものがなければ普通に生活できていた」
人たちが、医療現場を守るため、と、自粛させられて
破滅するのであれば、それはやはり自己責任ではありません。

感染症対策を強化すれば、生活苦の人が破滅、また、失業する人も出てきて
”医療のために人生が壊れる”人は「確実に」存在します。

しかし、その逆に、
生活を守るために、何の制限もしない、という状況を続ければ
今度は「生活苦の人や職を失う人を守るために、医療が破滅」し、
その結果「医療崩壊によって失われる命」も出て来るでしょう。

”両立”は非常に困難です。

が、だからと言って「どちらかに滅びろと強要する」のも間違いです。

どっちだって「命」は「命」であり、
自分がその立場であったら、それこそ、
本当に「やめてくれ!」と叫びたくなると思います。

自分が医療関係者や、持病もちの場合は
「自粛してくれ!」と思うでしょうし、
逆の場合は「これ以上自粛させられたら破滅してしまう!」と
思うでしょう。

ですので「医療崩壊を守るために緊急事態宣言をするべき」
みたいな言い方は、一見、正しいことを言っているように
聞こえる人もいるかもしれませんが、
裏を返せば「医療を守るために、(一部の人達に対して)破滅しなさい」と
言っているのと同じことになります。

このあたりの”重み”は理解すべきですし、
医療崩壊を守るため!こそ正義!みたいな
”偏った考え”は危険です。

まとめ。ではどうするべきなの?

ではどうすれば良いのか。
少なくとも「片方しか見ず」に「もう片方に破滅を強いる」
やり方は避けるべきです。

医療を無視すれば、医療崩壊が起き、
大変なことになりますし、
逆に医療を守るため、と厳しく絞めつければ
生活苦の人や企業・店が多数破綻して
それにより人生が壊れる人、命を落とす人、
自暴自棄になって無敵の人になる人まで
現れ、こちらの場合は社会が崩壊します。

医療も社会も、崩壊させてはならないものです。

「何かを制限する対策」ばかりが考えられていますが
「制限を伴わない対策」で、ギリギリのところを
やっていくしかない、というのが現実でしょうか。

犠牲「0」は不可能です。
医療と経済のバランスをうまく維持しつつ、
”どちらかに傾いてしまうようなことがないよう”
相手の立場も考えつつ、やっていく…

非常に難しいことですが、これ以外に方法はないかと思います。

どちらかを強く絞めつければ破滅します。

「病室が埋まるから緊急事態宣言をしろ!」みたいのは
結局、医療目線でしか考えておらず、
これは、「医療を守るために金のないやつは破滅しろ」と同意です。

逆に「コロナなんてどうでもいいんだ!」みたいに
歩き回ったりする迷惑行為は、逆に自分のことしか考えておらず
「自分たちのために医療や病院を必要とする人は破滅しろ」と同意です。

どっちに偏りすぎても問題です。

時折「病室が埋まりそうだから緊急事態宣言!(正義!)」みたいな
人を見受けますが
それはちょっと、勘違いしてるんじゃないの?というお話です。

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