希望小売価格とは?定価との違い・高く売るのは違法なのかを解説!

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「希望小売価格(きぼうこうりかかく)」という言葉の
意味を詳しく知っている人は
少ないと思います。

「定価」と同じようなイメージの人も多いかもしれませんが
この希望小売価格は、定価とは異なる意味合いのものとなっています。

メーカーが決めた価格、という点では
同じことですが、
その意味合いは大きく異なって来る、ということですね。

こちらでは希望小売価格の意味、定価との違い、
「希望小売価格よりも高く売ることは違法なのかどうか」ということを
それぞれ解説していきます。

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希望小売価格とは何か

希望小売価格とは、
メーカーや代理店など、小売店以外の業者が
自分たちの商品に設定した参考価格のことです。

例えば、食品などを製造しているメーカーが、
”この商品は280円です”というような感じで
値段を設定することを言います。

ただ、あくまでも”希望”であり、
スーパーなどでも、希望小売価格より大幅に値下げされて
販売されていたり、セールが行われていたりするのは
日常茶飯事であると思います。

意味合いとしては
”メーカー側が設定した、一応の価格”ということになります。

”この値段にしなさい”ではない

希望小売価格は、あくまでも”参考”の価格です。
”必ずこの値段で販売しなさい”というものでは
ありませんので、
例えば希望小売価格が980円のものでも、
お店側が独自の判断で880円で販売したりすることも
できる、ということです。

強制するような仕組みではないために、
どのお店でも、希望小売価格通りに販売しているお店は少なく、
お客さんを呼び込むために、壮絶な値下げ合戦が
行われています。
(※希望小売価格通りに販売しない、ということは
違法でもなんでもなく、メーカー側から怒られたりすることも
ありません)

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「定価」との違いは?

定価との違いは何か。

以前はこの希望小売価格に該当するものも「定価」と
呼ばれていたのですが
再販価格制商品に該当する「定価」(こちらはお店の判断で値下げなどができない)
と混同してしまうことなどから
現在は「希望小売価格」という名称に改まりました。

そのため、現在の「定価」と「希望小売価格」の意味は
異なっています。
どちらもメーカー側が決めたものであることに
変わりはないのですが
「定価」は、お店側が独自の判断で値下げすることができないものに
なっており、必ず、その決められた価格(中古などは除く)で
販売されています。

一方の希望小売価格は、先ほども書いたように
あくまで参考価格になるために
メーカー側が示した価格ではなく、
お店側が独自に値下げして販売できるものになります。

両者の違いとしては、簡単に言えば
”お店側が値段を自由に変更できるか、できないか”
ということになります。
「希望小売価格」なら値段を好きに変更できますし
「定価」なら、定められた値段で販売しないといけない、
ということですね。

分かりやすい例を挙げるのであれば
「本」でしょうか。
古本は除いて、どこのお店でも
新品の本に関しては”定価”で販売されていると思います。
他の商品のようにお店ごとに値段が違ったり
セールをやっていたり…ということはありませんよね。
あれは「希望小売価格」ではなく「定価」の方で
定められているために
お店側が独自に値下げすることが出来ない商品に
なっているためです。

そのため、本はどこのお店に行っても
新品の場合は定価で売られている、ということになります。

希望小売価格より安く売るのは?

上でも書いた通り、希望小売価格自体は
法的な強制力などがあるわけではありません。
実際に、スーパーなどでも、
希望小売価格通りに販売しているお店の方が少なく、
どこのお店も、希望小売価格より安い価格で
販売しているケースがほとんどです。

これは、法律上も問題ないことで、
極端に異様な値段をつけたりすると
メーカーからクレームが入ることはありますが、
常識的な範囲内での値下げに関しては
全く問題ありませんし、
どこのお店でも通常通り、行われていることです。
(※こう書くと、みんなやってるからいいんだ!と
言ってるように見えてしまうかもですが
法律上でも、問題のないことです)

希望小売価格より高く売るのは?

では、逆にメーカー希望小売価格よりも
高い価格で販売することはできるのかどうか。

例えば希望小売価格が150円のものを
180円で売ったりはできるのか…

これは、
一応、法律的に言えば
希望小売価格には法的な強制力等はないため、
希望小売価格以上の価格で販売することも、
可能にはなっています。
そのため、基本はやりませんが、
ごくわずかなお店では、いろいろな事情から
希望小売価格以上の価格で販売しているところもあります。

ただし、これをやるとお客さんからクレームが
入る可能性も高いですし、
お店側にメーカーから厳重注意やペナルティが
発生する可能性もあります。

そういったこともあり、
”法律的には可能であっても、基本的にはやらない”のが
基本です。

なお、”嘘の希望小売価格を表示して安く見せる”などの
行為は違法性のある行為になります。

まとめ

希望小売価格とは、
あくまでもメーカー側が提示する
”参考価格”になりますので
必ずしもそれを守らなくてはいけない、
ということではないのです。

法律上の話だけで言えば
希望小売価格よりも安くしてもいいですし
高くしても良い、ということになります。

ただ、実際のところは、
希望小売価格よりも安く売る、というのが基本で
高く売るようなお店はほとんどありません。

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