FF7リバースの初週売上26万本は好調?不調?数字自体が落ちた原因は?

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2024年2月に発売された
「ファイナルファンタジーⅦリバース」。

3部作とされる「ファイナルファンタジーⅦ」のリメイク作品の
2作目にあたる作品ですね。

しかし、こちらの
初週売上は26万2656本(ファミ通調べ)と、
単純に数字だけを見るのであれば、
ファイナルファンタジーシリーズ本編の数字としては
とても寂しい数字です。

この売上が好調なのか、不調なのか、
様々な角度から客観的に分析していきたいと思います。

また、この売上になった最大の要因についても、
分析していきます。

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前作と同条件で単純に比較すると?

ゲームソフトの売上ランキングは、
国内でのパッケージ版の売上となっており、
ダウンロード版は含まれません。
そのため、国内でもダウンロード版の売上を含めれば
ランキングで表示されている売上以上の売上になるのは事実です。

が、それはどのゲームでも同じ条件なので、
同条件で前作と比較をしてみると、
ファイナルファンタジーⅦリバースの初週売上が
「26万2656本」、
2020年4月に発売されたファイナルファンタジーⅦリメイクの初週売上が
「70万2853本」と、半分以下に落ち込んでいることが分かります。

これは、”同じ条件”(国内売上+DL版なし)での集計なので
どちらか片方だけにDL版が含まれているから差がついた、とか
そういうことではありません。

これだけを見ると、”単純に比較すれば”
前作から下落している、ということになってしまいます。

ただし、この時点とは事情が少し違う部分もあるので
それも含めて、見て行きましょう。

DL比率は前作時点より上がっているものの…

ダウンロード版がどのぐらい売れているのかどうかは
正式には分かりませんが、
ダウンロード版の販売比率は前作が発売された
2020年当時よりも上がっているため、
パッケージ版の売上ランキングとなると、
2020年のリメイクよりも、2024年のリバースの方が不利に
なっているのは確かです。

前作の時よりもダウンロード版の割合が増えていれば
当然、パッケージ版のみのランキングでは
数字が落ちることになりますからね。

ただ、スクウェアエニックスのパッケージ売上とDL売上の比率から、
(リバースは最新の比率から、リメイクは2020年の比率から)
ダウンロード版を含めた合計の売上を”推定”しても、
やはり前作と比べるとそれなりに下落しているため、
”ダウンロード比率が前作(2020年当時)よりも上がっているため
 売上が落ちている”のは事実とは言え、
”ダウンロード版を合算したとしても、売上が下落している可能性が高い”のも
また事実であると言えます。

なお、メーカー公表のダウンロード売上の比率から、
FFリバースはこれだけ売れている!みたいな声がネット上で
いくつか散見されましたが
メーカー公表のダウンロード売上は”パッケージ版が出ていないゲームの
ダウンロード売上”も含めた数字のため、
単純にそのまま当てはめるのは間違いです。
(メーカー公表の数字は”パッケージ版発売ソフトのダウンロード売上比率”ではありません)
この点は、正しく売上の傾向を理解するためにも、
売上に興味がある人は、覚えておきましょう。

この点を総合すると、
”DL比率は前作当時よりも上がっているのは事実”
けれど、”DL版を含めても前作よりも数字を大幅に落としているのも事実”
であるということが予測できます。

また、DL比率がほぼ同じである2023年6月に発売された
「ファイナルファンタジー16」の初週売上が33万6027本だったため、
そこから数字を落としているのは単純に懸念材料と言えます。
(15とFF7リメイクのときは、FF7リメイクの方が上だったはずです)

総合的に言えば、FFシリーズとしては、
仮にダウンロード版を含めた場合で考えたとしても
厳しい結果と言わざるを得ない、ということになります。

海外も含めれば分かりませんが
少なくとも国内では”厳しい”数字です。

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「ゲーム」としては売れている。「FF」としては厳しい結果

26万2656本という数字は、ゲームとしては
かなりのヒット作にあたる売上であり、
これは紛れもない事実です。

今の時代、初週で26万2656本もいくソフトは
特にPS5ではほとんどありません。(FF7リバース以外ではFF16しかありません)

ですので、FF7リバースもゲーム全体として考えると
”十分売れている”のは事実です。

しかし、FF本編として考えると”厳しい数字”であることも
事実で、この結果はしっかりと受け止めて、
今後の展開に生かしていく必要はあるでしょう。

どんな事柄でも”反省を生かす”ということは大事なことですし、
FFシリーズも、それは例外ではありません。

ただ、今回の場合、売上を落とした最大の原因は
私としては「ファイナルファンタジー」にあるわけではなく、
「ゲーム機」の方が原因であると考えています。
そのため、FFのメーカー(スクエニ)自体の問題というよりかは
ハードの方の問題という側面が大きいかと思います。

売上本数の面だけを考えて言えば、
強いて言うのであれば”発売するハードを間違えた”というのが
最大の要因と考えられます。

FF7リバースが厳しい結果になった最大の要因は?

今回に限っては「ファイナルファンタジーが悪い」ということでは
ないかと思います。

売上が厳しい結果に終わった最大の理由は「PS5」であると考えられます。

と、言うのも最近のFFは”極端に評価の悪い作品”があるわけではありませんし、
実際にFF7リバースの評判も良いです。

しかし、発売するハードが「PS5」のみだった…
これが、売上面で最大の失敗と言えます。

PS5は確かに品薄の頃よりも普及していますが、
その高額すぎる価格設定から一般層への普及が鈍く、
実際にその傾向がソフト売上にも出ています。
(コアな新作ほどPS5版の売上が高く、一般層も遊ぶ作品ほどPS4版の売上比率が高い点や、
 PS4版が2週目以降、PS5版の売上を逆転するような点から、
 一般層へのPS5の普及が遅いことが伺えます)

FFシリーズに関しては、コアゲーマー以外も遊ぶシリーズですから
「PS4版」を切ってしまった、ということは非常に大きな売上の打撃と
なっていると考えられます。

確かに、クオリティ重視も分かるのですが、
結果的に売上本数で言え20万前後ぐらい、PS4版を切ったことで
損失が出ていると考えられます。

もし、PS4版を出していれば、40万~45万程度は行ったでしょうし、
そうなっていれば、前作時点とのダウンロード比率の変化や、
3部作の2部作目であることを考慮すれば
”前作からそんなに売上が落ちていない”状態になったかと思います。

この点を踏まえると、
今回、FF7リバースの売上が厳しい結果に終わったのは
”FFが悪い”ではなく”PS5が原因”の一言に尽きます。

FFを擁護するわけではなく、PS5自体の価格設定は
本当に一般層への普及の大きな障害となっているので、
この点は、ハードメーカー(SONY)の見直しが必要であると考えます。

こういったビッグタイトルが出ると、
「本体ごと買おう」という動きも通常は出て来るのですが、
FF7リバースの時も、FF16の時も、
前の週よりPS5本体の売上が伸びたとは言え、
かなり微妙な伸び方で、ビッグタイトルが同じ時期に出て居ない
競合のswitchを下回る結果でした。

これはつまり、PS5を持っていないけどFF7リバースをやりたいユーザーが
「本体ごと買おう」とはならずに「PS5は高いから諦めよう」と
なってしまった人が多かったことを示しています。

こういった点から、
FF7リバースの売上が厳しい結果になってしまった理由は
今回に関しては「PS5が原因」というのが
的確な表現であると感じます。

まとめ

FF7リバースはゲームとしては大ヒット、
しかし、FFシリーズとしては厳しい結果、というのが
客観的に見た場合の結果になるかと思います。

ただ、原因は「FF」にあるというよりかは「PS5」にある感じで、
仮に今回「PS4版」も出ていたとすれば
他のゲームソフトのPS5版とPS4版の売上比率を見る限り、
それなりに売れていたと考えられ、そんなに大きく数字を落とすことは
なかったかと思います。
ハード自体の売上がそれほど伸びていないため、
現状「PS5を持ってないけど遊びたいユーザー」は、引き寄せられなかった
ということを示しているため、
最大の原因は、今回は「PS5自体」にあると言わざるを得ません。

SONY側も、サードメーカーのビッグタイトルでこの結果が続くと、
メーカーから見切りを付けられる可能性も0ではありませんし、
PS5の廉価モデルの発売などを早急に検討することも重要に
なってくるのではないかと思いますし、
スクウェアエニックス側も、発売ハードに関しては
やはり、一般層にPS5は今の時点では高すぎますから、
クオリティ重視も分かるのですが、売上を考えれば
PS4版を視野に入れることも、必要だったのではないかと考えます。

洋ゲーの場合、売上比率を見てもPS5独占でそろそろ行けそうですが
一般層も多く遊ぶシリーズだと、龍が如く8の売上などを見ても
分かるように、PS4を切るのはまだ早いかと考えます。

まぁ…最終的に
PS5が値下げすれば全て解決するところではあるのですが、
今のところそれがないので、ソフトメーカーが苦労している状態、
というのがFF7リバースの売上から言えることですね。

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