FF16は売れた?売れなかった?初週の売上を客観的に解説!

この記事は約9分で読めます。

2023年6月に発売された
「ファイナルファンタジー16」。

PS5のビッグタイトルとして注目を集めたタイトルでしたが、
その売上はどうだったのでしょうか。

ネット上でも”売れた”と言う人もいれば”売れてない”と言う人もいて、
かなり意見が分かれています。

どうして意見が食い違ってしまうのかも含め、
客観的に詳しく、FF16の売上について、元ゲーム屋店長の視点から
分析していきたいと思います。

スポンサーリンク

FF16の売上はどうだったの?

ファイナルファンタジー16の売上は
下記の通り、発表されています。

まず、国内売上は
初週で「33万6027本」(ファミ通調べ)となっています。
これは、以前からのファミ通ランキングの条件通り、
パッケージ版のみの売上でダウンロード版は含まれない数字です。
現在はダウンロード版の比率もそれなりに高いので、
実際は、50万本は超えていると考えられますが、
DL版込みの国内売上は発表されていません。

一方、全世界での売上は「300万本」となっており、
ダウンロード版込み、発売から1週間での集計の数字です。
ただし、この数字はパッケージ版に関しては出荷本数で計上されているため、
実際に売れた数はもう少し落ちていると考えられます(そちらは未発表)

これが、実際の発表されている”売上結果”となります。

どうして「売れた」と言う人と「売れてない」と言う人がいるの?

その答えとしてはいくつかあり、
まずは「見る角度の違い」です。

例えば、ゲーム全体で見れば国内33万本も、世界300万本も
かなり売れている数字であり、
この数字を下回るゲームはたくさんあります。
ですので、その視点で考えるなら「売れた」と断言できるでしょう。

一方、ファイナルファンタジーとして考えると前作の「15」よりも
国内・世界共に売上を大幅に落としていることもまた事実なので、
”ファイナルファンタジーとして”の視点で考えれば”売れてない”という意見も
確かに間違いではありません。

また、ゲームファンの間では、昔からそうですが、
全体で見れば一部とは言え”ハード間で争う”ユーザーもいます。
例えばプレイステーションはダメだ!みたいな人もいますし、
逆に任天堂ハードなんてスペックが!みたいな人もいますし、
XBOXはどうこう、みたいな人もいます。

実際、自分の好きなものを遊べばいいと思いますし、
本来、ゲーム業界が盛り上がれば結果的には
どのハードにも発売されるゲームソフトも増えるでしょうから、
特定のハードを敵視する必要はないとは思うのですが、
中には争いをしてしまうようなユーザーもいて、
そういったところで「売れた」「売れてない」の食い違いも
起きる原因の一つになっています。

この2点が”売れた”
”売れてない”の大きな食い違いが起きる要因と言えます。

では、実際、売れたのか、売れてないのか
色々な角度から見た場合のお話をしていきます。

スポンサーリンク

ゲーム全体の売上として見た場合

ゲーム全体の売上として考えると、
先程も書いたように、国内の33万本も、世界の300万(DL含む)も、
かなりの売上であり、
実際にこの売上を記録できるゲームソフトは
それほど多くありません。

ですので、この数字自体は悪い数字ではなく、
ゲーム全体としてみれば「売れている」のは事実です。

国内でも、発売初週で数万、数千のソフトもたくさんありますし、
数百本レベルしか売れないソフトもいくらでもあります。
世界でも同様で、全然売れないソフトは本当に全然売れません。

そう考えればこの数字で「売れていない」というのは
酷ですし、ゲームとして考えるのであれば売れている、と断言しても
良いでしょう。

ファイナルファンタジーの売上として見た場合

一方で、これが”ファイナルファンタジーの本編”として
考えると、今度は一転して、
”あのファイナルファンタジーの最新作がたったこれだけか”と
考える人の気持ちも当然分かりますし、
それも、間違った考えではありません。

事実として、前作にあたる「ファイナルファンタジー15」は
同じ条件で(DL版を含まない)で初週69万本となっているため、
今回の16は「半分以下」になっているのは事実です。

ただ、補足として15の当時よりもダウンロード版の売上比率が
増えているため、15と16の両方にDL版の売上を足した場合、
実際はもう少し差がないとは思いますが
いずれにせよ、15よりも売上が落ちたことは確実です。

また、世界売上も15は初日で500万本突破(DL込み・同条件)で
あったために、今回は1週間で300万本ですから、
やはり、かなり落ちているのは事実です。

”ファイナルファンタジーとして見れば”
売上が前作や7のリメイクより落ちていることは事実なので、
”FFの本編の最新作”として見ている人が
”売上が悪い”と考えるのは、
確かに間違った話ではありませんし、
数字自体は落ちていることは事実です。

”ただ1本のゲームとして見るか”
”ファイナルファンタジーの最新作として見るか”
視点の違いにより、印象も大分変わって来る、ということですね。

なお、DL比率が9割、という”誤報”も出回っていますが
これは”パッケージ版も発売されているソフトのDL比率”の話ではありません。

PS5であっても”パッケージ版の存在するソフトのDL比率は9割”ではありませんので、
これは誤解しないようにしてください。
実際は、ゲームにより異なりますが、半数前後~少し多い程度になります。

PS5のソフトとして見た場合

一方、プレイステーション5のソフトとして見た場合、
国内売上では初週売上は最高記録を2倍以上に更新していますし、
現在の累計売上トップを初週でほぼ塗り替えた状態ですので、
”プレイステーション5ソフトとして見れば”
かなりの売上であることは、紛れもない事実です。

”PS5ソフトとして見る”のであれば、間違いなく売れている、と言えます。

ただ、PS5ソフトの売上が今の段階でFF16がトップなので、
この点は本体の普及と言う点では今後の課題にはなりそうです。
やはり、できれば100万本突破できるようなソフトも
出てくるようにならないと、ハードとしてはまだまだこれから、という
段階ですからね…。

スポンサーリンク

スイッチと比較して見た場合

PS5ソフトとして見るとトップですが、
競合機のニンテンドースイッチソフトと比較してしまうと
どうしても”売れていない”ように見えてしまうのは、
確かにこれは仕方のないことです。

と、言うのも、2023年5月に発売された
ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダムは
初週のパッケージだけで100万を超えていますし、世界では1000万を
超えています。

また、任天堂のタイトルは、
初週だけで国内100万本を超えるソフトも多く、
昨年もスプラトゥーン3やポケモン2作品などがそれに該当しています。

任天堂タイトルの数字をよく見ている人からすると、
確かに「33万本」だと、いくらDL比率がPS5の方が高いとは言え
”すごい数字”には見えない、ということは、否定はできないと思います。

が、これは言うならば
”任天堂タイトルが異常に強すぎる”という話であり、
33万本も十分に売れてはいるのですが、
任天堂が次々とミリオンセラーを達成したりするため、
目が肥えてしまう…というか、そんな感じの状態になっているだけですね。

任天堂タイトルは”別格”なので、
FF16がどうこう、というよりかは
”相手が悪かった”というような、そんなイメージを持っておくと
分かりやすいと思います。

FFが売れていない、というよりかは、
FFも売れた、けど、任天堂タイトルは強すぎる、と言う感じです。

ただ、スイッチとの比較という視点で見た場合「FF16はそこまで売れていない」と
いうのは、数字上もハッキリと出ている事実ではあるので
その視点で見れば”売れていない”というのは間違いとは言えません。

PS5専売が少し厳しかった

”売上本数”だけの話をすれば、
まだまだ十分に普及したとは言えない
”プレイステーション5”専売にしたことは
非常に厳しかったと言えます。

コアゲーマー向けのゲームや洋ゲーと呼ばれるゲーム、
マイナーなジャンルのゲームは
最近はPS5版の方が売れますが
国産の有名タイトルは結構ライトユーザーも遊ぶので、
まだ5:5ぐらいの比率が多く、
龍が如く維新極やバイオハザードRE4などは
PS4版とPS5版が、少なくとも国内ではほぼ同じ売上でした。

そんな状況の中、FF16はPS5専売という道を選んだので
もちろんそれに合わせてPS5を買った人もいるとは思いますが
PS5の本体売上台数を見る限り、FF16周辺でも”そんなに増えなかった”ため、
PS4ユーザーの多くを逃したことは事実であるとは思います。

クオリティ面や開発工数など、色々問題はありますが
”売上”の面だけ考えれば
PS4版がなかったことは痛手であったと言えるでしょう。

恐らくは、国内でもPS4版があれば合計50万(ファミ通の集計基準で)前後
ぐらいには行ったと思いますし、
世界も400万ぐらいにはなったのではないか、と個人的には思います。

FF16は健闘した ただしPS5本体には課題が

最終的に言えば、FF16はPS5というハードにおいて
十分、健闘したと思います。

一方で、スクウェアエニックス(FF16のメーカー)さんが
どうこうすることはできないことですが、
PS5の普及には大きな課題が残ったと言えます。

その理由として、FF16がPS5本体をあまり牽引しなかった、
ということが言えます。

確かにFF16発売週はPS5本体の売上は増えていますが
これまでの”ビッグタイトル発売時の本体の売上”と比べると
増加率はあまり高くなく、
週間販売台数では「FF16発売週」でも
ニンテンドースイッチを下回ってしまっています。

これは、非常にPS5にとっては苦しい現実で
「FF16クラスのゲームが出ても、あまり本体が売れない」ということを
示しています。
(言い方は悪いですが”FF16が出ても、世間はスイッチを選ぶ”、ということですからね)

この最大のネックがやはり”PS5のゲーム機としては異様に高すぎる価格”に
あるのでしょう。

正直、PS5が3~4万であればFF16の売上もかなり上がったと思いますし、
本体売上もFF16がかなり牽引したはずです。

しかし、5~6万では
「FF16がPS5のみ?じゃあ買うか!」となっても
「えっ!?なにこの値段?」となってしまって諦めてしまう人も多いのです。

特にライト層はこの値段ではなかなか買おう、とはなりません。

FF16でも”この台数しか売れない”わけですから、
PS5は、一刻も早く価格面の見直しを行う必要が
浮き彫りになった、と個人的には思いますね。

FF16効果がなくなれば、さらに売上は落ちるでしょうから、
そろそろ薄型の投入時期、ということになるはずです。

開発者側が思っている以上に
”5万のゲーム機”というのはライトユーザーには重いですし、
過去、ファミコン以降のハードを見ても、
”その価格帯のハードがトップに立ったこと”はないので、
ここは改善しなくてはいけない部分であると感じます。

タイトルとURLをコピーしました