”備蓄米”は、何らかの非常事態に備えて
行政が保管しているコメで、
災害発生時や、コメ不足などが発生した際に、
放出され、その時その時の用途に利用されていくことになります。
2025年には米不足・価格高騰への対応として
この備蓄米の(価格を抑える目的としては初の)放出が行われて、
一部の店舗では実際にこの備蓄米が店頭への
並べられています。
では、この備蓄米は”通常の米”と比べると安いのでしょうか。
この点について解説していきます。
(※本記事では、価格高騰を抑えるために備蓄米が放出された
ケースについて記述しています。
別の理由で備蓄米が放出された場合には、
また価格面のお話も変わってきますので、
その点はご了承下さい)
「備蓄米」は他のお米より安いの?
放出された政府備蓄米は他のお米よりも
安いのかどうか…。
これに関しては”どの米と比べるか”によっても
異なってくるので、一概には言えませんが
(例えば、元々何らかの理由で安い米と比較すれば
備蓄米の方が高額である場合もあります)
平均的な価格よりは”ある程度”安くなっていることが多く、
通常のお米を購入するよりかは、
若干、出費を抑えることができる可能性は十分にあります。
ただ、安いと言っても”数百円レベル”の話であり
条件やお店によっては、ほとんど変わらない場合もありますので、
”普通のお米より多少安いけど、気休めレベル”というところが
現実的なところとなります。
桁外れに安い…!という感じではない
残念ながら、備蓄米も”桁外れに安い、という感じのものではなく
上でも書いた通り数百円程度の違いです。
数百円、と言っても、500円差もつかないような
本当に微々たる変化で、
場合によっては価格差を感じられないような状態であることもあります。
間違っても、5キロで2000円になっていたりだとか、
2024年中盤~の値上がり以前の価格で備蓄米が売られている!みたいな
夢のようなことは残念ながらありません。
全体的に確認してみても、やはり、”高い”と感じてしまうような
そんな価格での販売になっています。
”少し”安くなっていることもありますが
あくまでも”少し”ということですね。
どうして高いの?
価格を下げるために備蓄米を放出したのに、
どうしてその備蓄米も高いの?と、首を傾げてしまう人も
いると思います。
これに関しては、備蓄米も政府⇒業者への売り渡しの際に
入札方式での販売となっていて、この時点で
米の奪い合いが起きて、それなりに高嶺になってしまう…というのが
原因の一つであると考えられます。
備蓄米自体も業者やお店による「獲得合戦」とも言えるような
状態になってしまっていて、結果的にその時点で
価格が上がってしまうので、
利益が出ないような形で販売する、となっても
結局のところ、普通の米とあまり変わらない、
そんな価格設定になってしまうわけです。
普通のお米の価格は下がるの?
備蓄米によって普通のお米の価格は下がるのかどうか。
これに関しては”効果が出るまでに多少時間がかかる”こと、
そして放出量や放出の方法を適切にやっていかないと、
効果が発揮されない可能性もある、ということが言えます。
現状では備蓄米放出により
”他の米の価格が下がっている”という状況ではなく、
今後も含めて、”備蓄米の放出で備蓄米以外の米の価格を
押し下げる”のであれば、
備蓄米の放出量、そして売渡の方法などを
適切に考えて行かなくては十分に効果を発揮できませんので、
この点は注意する必要があります。
ただ単に無策で放出を続けていたり、
放出しても少しだったりする場合は
”備蓄米が、通常の米より数百円ぐらい安い”という状況になるだけで
米の全体的な価格を下げるのは難しいでしょう。
コメの価格をさらに押し下げるには?
備蓄米の放出という手法で米の価格をさらに押し下げるためには
下記のような点も考慮していく必要があります。
・備蓄米の放出量
備蓄米の放出量は”多すぎる”ぐらいに思えるほどの量を出さないと
なかなか価格を大幅に落とすことは難しいです。
価格のことを真剣に考えるなら”えっ!?そんなに出すの?”ぐらいの
量は必要になるでしょう。
・備蓄米の放出方法
価格を本気で下げるのであれば入札方式ではなく、
行政側が決めた価格で、売り渡すなど、法律の範囲内で可能な
”価格が上がらない方法”にて、業者、あるいはお店に直接渡すということが
必要になります。
入札形式の場合、どんなに大量に放出しても価格の問題の解消に
至らないことも考えられます。
・放出以外の部分の確認
備蓄米放出だけではなく、米の生産体制の見直しや仕組みの見直し、
輸出米の輸入量の強化など
”備蓄米だけで価格を下げようとする”のではなく、
放出以外の部分も併せて対応していく必要があります。
このようなところでしょうか。
無策で備蓄米の放出を続けていても、
結果的には”備蓄米の無駄をするだけ”になるので
この点はしっかりと検討した上で対応しなくてはいけません。
まとめ
備蓄米は”ほんの少しだけ安い”(ことがある)というのが
現時点での状況になります。
備蓄米なら2000円!みたいにそういう桁外れの安さに
なっているわけではないので、
今の段階だと、どうしても米の価格は高いままです。
備蓄米の更なる放出や、
放出方法の見直しなど、
複数の観点から対策を打ち、見直しをしていかないと
なかなか価格を押し下げることは難しい状態ですね。
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