「平均値」だけではなく「中央値」を見ることが大事。その理由とは?

この記事は約5分で読めます。

世の中には「平均年収」だとか
「平均初婚年齢」だとか、色々な「平均」数字が
出ています。

しかしながら、この「平均」を見ただけでは
物事を正しく把握できないことがあるため、
「平均値」も参考にしつつ、
それだけを鵜呑みにするのではなく
「中央値」という数字も一緒に見ていくことを
おすすめします。

と、いうのも”平均”だけを見ると、
偏って物事を理解してしまうことがあるためですね。

スポンサーリンク

「中央値」とは何か?

「中央値」とは、データの「中央部分」の数字のことを
示します。

「平均」とは、例えば年収のお話で言うと、
999人の人間がいたら、その全員の平均の数字のことになりますが、
「中央値」の場合は、999人の年収を比べた際に、
その「真ん中の順位の人の数字」が出てくる形になります。
(つまり、この場合はちょうど真ん中、上からも下からも500番目の人の
年収が「中央値」となります)

全体の数は偶数の場合は、↑の999の場合のように「ちょうど真ん中」が
ありませんので、中央の数字2つの平均で中央値が求められることに
なりますが(例えば1000人の年収の中央値なら500番目と501番目の人の年収を
平均したもの)、平均は、あくまでも全員の平均になりますから、
中央値も見ることにより、また違った側面から
データを見ることができるのです。

平均値は偏った数字が出ることもある

平均値は、場合によっては偏った
数字が出てしまうこともあり、
例えば、若者10人の平均の月収を見比べた際に、
うち9人は、月収が15万円程度だったとします。
もう一人も15万円ならば、10人の平均はそのまま15万になりますが、
このとき、残り一人が、若くして企業した、起業家だったりして、
月収が1000万(大げさな数字をあえて今回は設定しましたが)、
だったりした場合、10人の平均月収は
なんと100万円超えになってしまいます。

実際には10人のうち一人が、とんでもない数字なだけなのですが
”この10人の平均月収は113万5000円です!”なんて言われたら
10人全員がすごい人のように見えてしまいますよね。

平均値は、このように、
”飛びぬけた数字の人”がプラスの方向、マイナスの方向
どちらかにいるだけで、
数字が”分かりにくい数字”に早変わりしてしまうことがあるのです。

確かに、↑の例でも、一人が1000万を稼いでいる以上、
10人の平均値が113万…というのは「平均」としては事実であり、
間違いではないのですが、
実際には月収15万の9人が、”間違った印象”を抱かれかねない状態であり、
誤解を招く結果が出ている状態になってしまっています。

逆に、中央値であれば、
この場合も、飛びぬけた数字が出ることはなく、
ある程度”実態に近い数字”が出ると言えます。

「平均値だけ」を見ていると、
このような”平均という数字の特徴”によって
間違った印象を抱きかねない部分も
実際にあるため、この点は注意が必要なのです。

スポンサーリンク

平均値と中央値の数字はどのぐらいずれるの?

場合によっては平均値と中央値では
かなりの数字の差が出ることがあります。

例えば、2021年のデータの平均年収の平均値と中央値を見ると
100万以上の差が出ているような年齢層などもあり、
非常に大きな差が出ることが伺えます。

これは、先ほど書いたように
「平均値」と言うのは
”飛びぬけて年収の高い人”
”飛びぬけて年収の低い人”…
ある意味”イレギュラー”な数字も混ぜて考えてしまうために、
数字が少し実態から離れてしまう、ということはあることです。

そのため、平均値だけではなく、中央値も見て
物事を判断していく、ということは
とても大事なことになるのです。

「中央値」も偏る可能性はある

もちろん「中央値」も偏る可能性はあります。
ただ、調べた人の数値の「ちょうど半分の順位の人」の
数字を出すために、
平均値以上に、その統計の対象になっている事柄の
「実態」は掴みやすいのではないでしょうか。

ただし、例えば中央値であっても、
データの統計を取るような企業や機関が、
作為的に調査する対象を絞れば、いくらでも
数字をコントロールするようなことはできてしまいますし、
そうでなくても、「偶然」偏った数字が出るような人が
集まってしまうケースなども考えられます。

そのため、平均値よりは実態を掴みやすい数字では
ありますが「中央値」も場合によっては
偏る可能性がある、ということは覚えておきましょう。

数字は参考程度に。色々な面から見るのが大事

統計などを見るときは、
平均値だけではなく、中央値を見ること、
そして、どのぐらいの人数を調査したのか
「誰」を対象に調べたのか、などまで見て
「一部」だけではなく「色々な面から」
見ていくことが大切です。

また、統計はあくまでも統計でしかありません。
”数字”は一つの参考程度にとどめておき、
何でもすぐに鵜呑みにしてしまわないようにする、
ということは、とても大事なことの一つになりますね。

まとめ

「平均値」は、どうしても
その中に異様に高い・低い数字の人がいたりすると、
平均として出てくる数字に大きな影響を
与えてしまうことになり、
「実態」が分かりにくくなってしまうことは
一つの事実です。

「中央値」の方に関しては
その傾向が少し薄れるために
”現実的な数字”がより出やすいものに
なっているので、「平均値」だけを見るのではなく
「中央値」も一緒に合わせて見ていく、
ということが、数字を見るうえで
客観的に物事を判断していくには、
大事なポイントの一つとなります。

タイトルとURLをコピーしました