よく、未婚率の上昇や、少子化の進行は
「経済的な理由」が挙げられます。
お金が無くて結婚できない
お金が無くて子供が作れない…と、
そういう理由ですね。
もちろん、それは理由の一つにはなっているでしょう。
ですが、残念ながらこれは「全ての理由」ではありません。
未婚率が上がっているのはお金だけの問題なのか？
少子化はお金だけの問題なのか？
答えはＮｏです。
現実をしっかりと受け入れる、ということも大事なコトです。
経済を回復させ、お金を与えれば
結婚率は上がり、子供も増える…と考えているのであれば
あまりにも短絡的な考えです。
未婚率や少子化は経済面を解決しても止まらない
経済の面を仮に解決したとしても
ザンネンながら「未婚率」や「少子化」は止まることは
ないでしょう。
現実的に考えれば
”上昇が緩やかになる”程度の効果でしかなく、
またすぐに、上昇していくでしょうし、
仮に止まったとしても、それは一時的なものであり、
また増え始めます。
「未婚率」と「少子化」は経済の面を解決させても、
一度緩やかになるかもしれない、ぐらいの効果で
再び上昇に転じる、というのが現実的な答えです。
そして、ある一定の部分まで上昇を続け
（この”一定”がどのぐらいの割合なのかは分かりませんが）、
だんだんと上昇が緩やかになり、
あとは、横ばいの状態が続く、という感じでしょう。
横ばいになるのが
生涯未婚率３０パーセントなのか、４０パーセントなのか、
５０パーセントなのか、これは分かりませんが
少なくとも、ある程度のラインまで上昇を続ける、
ということを避けるのは難しいでしょう。
経済の面を解決したとしても、です。
「お金」はあくまでも理由の１つでしかない
「お金が無くて結婚できない」
そういう人は一定数存在します。
ですが、未婚率が上昇しているのは決して
お金だけが理由ではありません。
少子化に関してもそうです。
お金があれば結婚する人。
お金があれば子供を作る人。
確かに、ある程度の数はいるでしょう。
ですが、それは
あくまでも未婚率・少子化の上昇を
一時的に抑えるだけに過ぎず、
「他の要因」が、どんどん膨らんでいきますから
結局再び上昇します。
お金を完全に解決することが仮にできたとしても、
それで未婚率の上昇や少子化が止まることはないのです。
なぜお金を解決しても、未婚率は上がるのか
その理由は簡単です。
他にも理由があるから、ということです。
その理由としては
「結婚する気がそもそもない人」の存在、
そして「結婚しようと思っても”金銭面以外の理由”で結婚できない人」
この２つです。
この２つが膨らみ続けるため、
「お金が理由で結婚できない人・子供が作れない人」を
解決したとしても、
それだけでは足りない、ということです。
そもそも結婚する気がない人も多い
経済的な余裕がなく、結婚できない人、
それは確かに存在します。
子供を躊躇する人も、存在するでしょう。
ですが、結婚しない人＝経済的に余裕がない人、ではありません。
ここを勘違いしている人が、案外多いですが、
結婚しない人＝経済的に余裕がない人、と断言することはできませんし
実際に経済的に余裕があっても結婚しない人もいますし、
経済的に余裕はないし、結婚する気もそもそもない人もいます。
どんなに経済的な支援を充実させたとしても
”結婚する気が無い人”が結婚することはありません。
お金をもらったって、結婚なんかしたくない！という人も
いるでしょう。
結婚なんて絶対にしたくない、
結婚に興味がない、
出会いだとかなんだとか、労力を使ってまで結婚したくない、
別にどっちでもいいや…
そういう人は、確実に増えています。
これらの理由で独身の人は
経済的な問題を解決しても、ほとんどは変わらず
未婚のままです。
「結婚する気が無い人」が増える理由としては
色々な理由があって、
・娯楽が充実していて、一人でも十分楽しめる
・家電なども充実していて、生活も困らない
・ネット社会化により、一人でも孤独を感じない。
・結婚しないと〇〇、のような社会的圧力が減った
・未婚率の上昇に伴い、それが1種の「ふつう」になっている
・ネットなどで、結婚に悪いイメージを抱きやすくなっている
などなど、いろいろな理由があります。
特に「娯楽」の充実は大きな理由の一つで、
恋人がいなくても、結婚しなくても、今の世の中
多種多様の娯楽があり、十分幸せに生きることができます。
日常生活も、便利な家具・家電・サービスが充実してますし
孤独もネットで紛らわせることができます。
さらに言えば、未婚率が上昇していることにより、
昔は当たり前のようにあった「独身は変わり者」みたいな
偏見もなくなり、堂々と独身でも生きられる世の中になっています。
これは、お金では解決できない部分です。
今後も、結婚に興味のない人はどんどん増えますし、
する気がない人もどんどん増えますから
経済的な部分を解決させて
「お金がなくて結婚できない」人たちが結婚したとしても
未婚率上昇・少子化は防げません。
一時的に緩やかにするor下降する、のが限界であり、
再び上昇に転じます。
経済面が解決しても「できない」人もいる
「結婚に興味がない人」は、経済面が解決しても
結婚しません。
では、「結婚したい人」は、どうでしょうか。
確かに経済面が解決すれば、
金銭的に結婚できなかった人の中には
結婚する人もいると思いますし、
ある程度の数の人が、結婚や、子供を授かったり、という
ことにはなると思います。
が…”お金”が解決したとしても
結婚したいと願う全ての人が結婚できるか？と
言われれば答えはＮｏです。
「そもそもモテない人」は、お金が手に入っても
結婚できません。
「出会いのない人」もそうですし、
「性格的に問題がある人」もそうです。
お金だけで結婚できるか？と言われれば答えはＮｏなわけです。
そして、金銭面が解決した世の中、ということになれば
当然”ある程度お金を持っている人”なんて
そこら中にごろごろいるわけですから、
モテない・出会いがない・何か問題がある人は、
お金の面が解決したとしても、結婚できません。
この点に関しては、本当にどうにもならない部分で、
モテない人を、行政が結婚させるような対策は
現実的に考えれば”不可能”に近いことですから、
今後も、こういう面は一定数存在し続け、
少しずつ増えて行く可能性もあります。
未婚率上昇と少子化はある程度受け入れた対策を
仮に「お金が理由で結婚できない」という人が０に
なるように解決できたとしても
（実際はこれもかなり難しいですし、不可能に近いです）、
他の理由で、未婚率上昇と、少子化は結果的には
避けられません。
「結婚する気が無い人」から目を背けて
お金！お金！ばかり言っている人も多いですが
それは「過去の感覚」に囚われています。
今の時代は「興味がない」人も多く、それを
どうにかすることはできません。
時々、独身税だとかそういうことを言う人もいますが
そこまで強引な手段に出れば、
人々の間に不平不満が蓄積されて、
最悪の場合、憎しみとなって、事件沙汰に繋がる
可能性もありますし、
子供に対して寛容な心を持たない人も
さらに増えて行くでしょう。
偽装結婚なども確実に増えます。
そういったことからも、強引な手段をとることは
余計な悪化につながりますから、
金銭面を解決しても”時間稼ぎ”にしかならない、
というのが実情になります
まとめ
最終的には未婚率と少子化はさらに進んでいく前提で
色々世の中の仕組みを考えていく必要が
あるかと思います。
結婚したくない人は、しませんから、
それを受け入れた上で、どうしていくか、を
考える、ということですね。
金銭面を解決しただけでは、
上昇は、止まりません。
