「縦マルチ」はどうして必要なの?その理由を徹底解説!

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近年のゲーム機は、
新しいゲーム機が発売された後に
「縦マルチ」という発売形態がしばらく続くことが多いです。

特にプレイステーションとXBOX系のハードには
その傾向が強く、任天堂ハードでも多少、縦マルチの
ソフトは見受けられます。

ただ、最新機種のほうをいち早く購入した人の中には
「縦マルチにしないでほしい」という意見を言う人もいます。

と、言うのも縦マルチにすると、
若干ゲームのクオリティが落ちることがあり、
微々たるものではありますが、コアユーザーを中心に
それを気にする人がいるのも事実です。
(ただ、一般ユーザー目線で見るとそんなに気にならないレベルではあります)

が、”縦マルチ”は、たとえ自分にとって必要でなくても
そのゲームを遊ぶのは自分だけではありませんし
メーカーも慈善事業ではないので、縦マルチというものは
必要な時代になりつつあるのです。

どうして”縦マルチ”が必要なのか、その点を見ていきましょう。

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新ハードはすぐには広がらない

まず、新しく発売されたゲーム機は
”すぐ”には広がりません。

最近は、価格が以前よりも全体的に高額なハードが多いので
金銭的な部分もそうですし、
(特にPS5やXBOXSeries(Sならともかく)あたりは
 子供じゃとても買えない価格ですからね)
転売などによる品薄が続く時代にもなってしまったので
”買おうと思っていても買えない”人も多い時代です。

また、最近は縦マルチが主流になったため
”新作が今のハードに出るなら、最新ハードはまだ買わなくてもいいや”
というユーザーも多く、なかなか移行は進みません
(これは縦マルチによるマイナスとも言えますが、
それを差し引いても縦マルチは必要なのです)

例えば現在の次世代機にあたるPS5も、
現行機種であるPS4からの移行はなかなか進まず、
2022年後半の品薄解消から
ようやく少しずつ兆しが見えて来た、と言う状態で、
2年以上もかかっています。

”品薄”という壁は超えたものの
まだ”価格”や”新作がPS4でも出るからいいや”の壁が
残っており、これからも縦マルチは続くでしょう。

このように”新ハードは広がるのに数年単位”かかるため、
昔以上に縦マルチが必要になってくるのです。

次世代機だけに発売すると遊べないユーザーが多い

まず、新作を次世代機だけに発売してしまうと
”それを遊べないユーザー”が多くなります。

当然、”次世代機にしか欲しいゲームが出ないから
次世代機を買おう”というきっかけにすることもできますが、
それをするメリットがあるのは
基本的には”ゲーム機自体を展開しているメーカー”が中心で、
ソフトメーカーにとってはそこまで大きなメリットはありません。

ソフトメーカーからすれば次世代機が売れればそれで出すし
売れなければ前のハードや他のハードで出すだけですからね。
(独占で出すことにより技術の支援などはメーカーによってはあれど、
それでも普及が十分でないハードのみに絞るのは難しいでしょう)

次世代機発売直後は、次世代機を持っているユーザーが少ないので、
せっかく新作を出しても、”遊べない”人が多く、
結果的に売上も伸びず、口コミも広がらず、
”存在感のないゲーム”のまま終わってしまいます。

それを防ぐためにも、縦マルチは必要、というのが理由の一つです。

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売上に大きく響く

次世代機発売直後に、次世代機オンリーに発売すると、
”売上に相当響く”のが現状です。
特に、PS5のように発売直後数年間苦戦したようなハードでは、
「PS4版を出さずにPS5のみで発売」というのは、当然非常に厳しく、
PS5発売から1,2年の段階でそれをやってしまったソフトは
軒並み低い売上を記録しており、
シリーズモノの作品に関しては”前作の売上を下回る”ケースが
続出しています。

このように、”次世代機のみに出す”ということは
そのソフトの売上に大きな影響を及ぼします。
当然、ゲーム機本体を作っているメーカー以外からしてみれば
”自社のソフトの売上を犠牲にしてまで次世代機専用にする必要はない”わけで
縦マルチをすることになるのです。

PS5・PS4でも、最初の2年は縦マルチで発売されたソフトは
ほとんどが「PS4版の方が売れている」状況でした。
この売上を削るとなると、ゲームメーカーからすれば、
相当厳しい、ということです。

PS5の場合で言えば”本体の価格は高い(ゲーム機としては)”上に
”品薄で当初は買えなかった”状態だったので
仮に”本体を買ってでも遊びたい”というユーザーがいても
そのユーザーも本体を買うことができず、ソフトの売上は結局伸びない、
と言う状況だったため、
縦マルチにせざるを得ない、という状況だったわけです。

クオリティをそこまで重視しないユーザーも多い

今現在の例で言うと、PS5を持っているユーザーが
「もうPS5の品薄も解消されたから、PS4版は出さなくていい」と、
言う人の気持ちも、分からなくもありません。

が、世の中にはクオリティを重視する人ばかりではなく
「PS4で遊べるなら5万、6万も払ってまでPS5を買いたくない」という
人はたくさんいますし、そもそも”遊べればそれでいい”という人も多いです。

そのため、縦マルチの需要は以前よりもさらに高まっていると言えます。

”品薄が解消されたから縦マルチはもうやめます”となってしまうのは
早計で、PS4版の売上が”ある程度あるうち”は縦マルチを続けざるを得ないのが
メーカーの実情で、
実際に「PS4版待ち」のユーザーも多いわけですから
普及し始めたからすぐに切る、ということは出来ません。

売上が伸びず、話題にもならず、となってしまうと困ってしまいますし、
PS5版が高い売上を記録しても「PS4」でも売上を期待できるなら
”待っているユーザーも多くいる”わけですし、出さざるを得ないのです。

シリーズモノや、続編を視野に入れている作品は影響大

シリーズモノの作品や、売れればこれからシリーズ化していくことを
視野にしている作品は”今回の売上”というものは
非常に重要になります。

次世代機のみに発売して”シリーズ最低売上を記録”だとか
”目立たないまま市場から消えた新規シリーズ”になってしまっては
続編自体が発売されずに、シリーズごと完結してしまう可能性もあるわけです。

これは「次世代機を持ってるから、次世代機だけで出せ!」みたいな人にも
影響して来る話で
それをやってしまって、低い売上を記録した場合、
”あなたの好きなシリーズはそこで終わってしまうかもしれない”ということを
想像できない人も多いです。

自分の好きなシリーズの新作を「次世代機のみで出せ!」と言っている人は
”それをした結果、売上が下がり、もう続編が今後出なくなるかもしれない”ということは
よく考えてみた方が良いですね。

そうなってしまわないためにも、縦マルチという発売方式は
”次世代機を持っている人”にとっても必要なものであり、大事なことなのです。

メーカーは慈善事業ではありませんから
”縦マルチをすれば売れる限りは、出す”のです。

まとめ

縦マルチは、色々な人にとって”必要”なものです。

・ゲームソフト自体の売上を確保するため
・次世代機の購入に消極的なユーザーも遊べるようにするため
・次世代機を買えない(品薄など)ユーザーも遊べるようにするため
・そのシリーズ自体の今後の存続のため

こういった観点から、縦マルチという発売方式は必要ですし、
今後も続いていくでしょう。

PS5の現状のように”普及し始めたからもう切る”というのは難しく
現実的には「縦マルチでの発売がユーザーから望まれなくなるまでは」
移行期間の縦マルチは必須と言えます。

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