「縦マルチ」とは
最新のゲーム機と、ひとつの前のゲーム機で
同じタイトルを発売することを示します。
例えば、プレイステーション5とプレイステーション4で
同時に発売されるような新作ソフトのことを
”縦マルチ”と言います。
最新のハードと1個前のハードに同時(場合によっては
若干時期がずれることもありますが)に発売する「縦マルチ」と
呼ばれる販売形式の目的やメリット、デメリットなどを
解説していきます。
※記事内では分かりやすくするために
一例として新ハードをPS5、旧ハードをPS4に例えて
説明しています。
縦マルチの展開が行われる理由は?
これは「ハードの移行」が進んでいないから、
というのが最大の理由になります。
どういうことかと言うと、
PS5とPS4で例を挙げると、
ハードの発売直後はまだ新ハードのほう(PS5)を
持っている人は少なく
旧ハードのほう(PS4)のほうを持っている人のほうが
遥かに多い状態です。
この状態で、PS5にソフトを出すと
ソフトメーカーからすると「売上低下」を招くことになるのです。
何故かと言うと
「本体を持っていない人が多いから」ですね。
そうなってしまうと、ソフトメーカーからしてみれば
マイナスです。
ですので、新ハード(PS5)と旧ハード(PS4)に
同時にソフトを発売することで、
PS5を持っていない人にも、ソフトを買ってもらおうとする、
ということですね。
実際に、新ハード発売直後に新ハードのみにソフトを
出した場合、
本体の売上は若干増えますが、
「そのソフトを欲しい全員が、新ハードごとソフトを買うわけではない」
ので、ソフトの売上は従来のシリーズよりも落ちる傾向があります。
ソフトのメーカーからすれば本体が売れようと
直接的な利益にはならないわけですから
利益を出すために、旧ハードにも同時にソフトを出す、ということは
当たり前のことなのです。
縦マルチ展開が行われる最大の理由は
「売上・利益確保」
「より多くの人に遊んでもらいたいから」
ということになります。
縦マルチ展開のメリットとは?
↑にも書いたように、
新ハードの発売直後は、
まだ「新しい本体のほうを持っていない人」が多い状態です。
その状態で「新しいハードだけにソフトが出てしまう」と
遊べない人も大勢出てきてしまうわけです。
そこを縦マルチ展開にして
新ハードと旧ハードに発売することで、
「まだ新ハードを持っていない人もその作品を遊ぶことができる」
というメリットがあります。
例えばPS4とPS5で言えば
PS5が出たからと言って、(仮に品薄じゃなかったとしても)
すぐにPS4で遊んでいる人全員が
PS5を買うわけではありません。
そのため、新ハードをすぐに買わない・買えない
ユーザーからしてみれば、
縦マルチで発売してくれることは
非常に大きなメリットになるのです。
ゲーム機の本体は、そうそうすぐに
サッと買えない人もいますからね。
また、メーカーの利益的な面を考えても、
売れるタイトルであれば縦マルチ展開にすることで
増収なども見込めますから、
その点もメリットと言えます。
縦マルチ展開のデメリットとは?
「旧ハードに合わせて、クオリティが落ちる可能性がある」
ということですね。
例えばPS5とPS4に同時発売する場合、
最初から「PS5専用」に作るタイトルに比べて
「PS4でも動作できるように」と、クオリティを
若干落とすようなタイトルも存在します。
また「PS4向け」に開発し、「ついでにPS5版も出す」
というような
最初からPS4ありきで開発されるケースもあり、
縦マルチのタイトルは「新ハード専用タイトルよりも
若干クオリティが落ちる場合がある」というのは事実です。
イヤな言い方をするなら
「旧ハードが足を引っ張る」という状態です。
新ハードをすぐに購入するような人からすれば
これは大きなデメリットと言えるでしょう。
また、メーカー側としては
「新ハードの普及が遅れる」デメリットがあります。
(特にハード自体を作っているメーカーには大きな影響ですね)
どういうことかと言うと、
PS5とPS4に同時にソフトが出れば
「PS4でも遊べるからPS5はまだ買わなくていいや」という
考えに至る人は確実に増えます。
PS5のみに発売した場合
「これを遊びたいからPS5を買おう」という人と
「PS5を持ってないから諦めよう」という人に分かれます。
が、両方に出した場合
前者の「これを遊びたいから~」の人の一部は
PS5を買わなくなりますから、
結果的に新ハードの普及が遅れて、売れなくなる、
ということを意味します。
これが縦マルチのデメリットな面ですね。
縦マルチの多いハード・少ないハード
縦マルチは傾向的に言うと
「プレイステーション」と「XBOX」に多いです。
この2つに関しては
ハードの移行に1~2年かかることが多く、
新ハードが発売されてからも、しばらくの間
縦マルチ中心の展開が多いです。
逆に「任天堂」系のハードに関しては
縦マルチは少なく、
新ハードが出ると、すぐに移行する傾向にあります。
まとめ
縦マルチ展開にはメリットもデメリットもありますが
メーカーやユーザーの総合的な部分を判断すると
やはり、新ハード発売直後は
縦マルチ展開が多くなりがちです。
それによって、新作を遊べる人もいるわけですし
メーカーにとっても利益のプラスになるわけですから、
その流れは必然と言えるのでしょう。
任天堂系ハードに関しては
新ハード発売前に新作の発売が滞ることが多く、
ハードも単なる画質向上ではないことも多いなどの
特性から、縦マルチ展開が少ない特徴があり、
他の2社のゲーム機とは特徴が異なっています。
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