PS5の壊滅的なスタートと今後への重大な影響。このままだとどうなる?

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プレイステーション5は
人気ハードの最新機種であること、
そしてその高性能ぶりから、
発売前は、多くのファンからの注目を
集めていました。

しかし、実際には発売前から予約難民と呼ばれる
「欲しいのに予約できない人」が続出、
発売後も転売屋の餌食となり、
十分な供給が出来ないまま、
挙句の果てには「PS5専用だったはずのソフトがPS4でも
発売されるようになる」などの悪影響か既に出始めており、
実際に「欲しいけど手に入らない」人が
しらけた空気になってきてしまっています。

”ゲーム機は最初が重要”です。

元ゲーム販売店店長経験を元に
「プレイステーション5の初動の失敗と今後の悪影響」に
ついてお話していきます。

私自身もPS1から4まで遊んでいるので、
5(発売日には毎回買わないので、抽選にも参加していませんが)の
スタートの失敗は、非常に残念に思います。

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「準備不足」この一言に尽きる

厳しいようですが、日本市場においては
プレイステーション5は完全に”準備不足”と
言える状態で、
ここまで悲惨な状態になってしまったのは、
メーカー側の戦略ミスと言えるでしょう。

確かに「転売ヤー」と呼ばれる人たちの存在は
非常に悪影響であり、
転売ヤーが買い占める=欲しい人に行きわたらない
ということは、
前述したように、プレイステーション5に
白けてしまう人を生み出すだけではなく
転売の人は、ソフトを購入することはありませんので、
報道などでも指摘されているように
「ソフトが売れない」という状況になってしまいます。

が、実際転売ヤーのせいだけなのか?と
言われると、転売ヤーが悪いのは100%事実ではありますが
メーカーの生産数が「少なすぎ」です。

毎週の販売台数を見てみると、
1万台前後しか売れていない週もあります。
最近では、2万台前後の週もありますが、それでも非常に少ないです。

転売ヤーも、最初はお店から買うわけですから
当然「転売ヤーが買い占めた分」も販売台数には
入っています。
それなのに1万台前後の週も多い。

これは何を意味するかと言うと
「そもそも全然生産できていない」ことを
意味するわけです。

1万台前後では、正直、転売ヤーがいなくても
同じ状況になっているでしょう。

転売ヤーも問題ですが
そもそもメーカーの「生産体制」が
整っていない状態なのに発売したこと自体が
既に間違いであると言えます。

ゲーム機は「スタート」が大事です。
スタートでこけたゲーム機は多くがそのまま
衰退して、消滅しています。
ドリームキャストもそうですし、
WiiUもそうです。

プレイステーション3は例外でしたが
(こちらは生産ではなく価格が高すぎたせいでスタートに失敗)、
PS5もその”例外”になれるとは限らないのです

生産体制が整わないまま発売したのは何故?

これは、完全に見切り発車と言わざるを得ません。
毎週1~2万台前後(この記事執筆時点の最近の台数)では
まるで足りません。
過去のハードも見てきましたが
発売直後にこのレベルの生産(需要がないものは除く)で
足りるわけがないのです。

なのに、作らない。
と、いうことは作れないのでしょう。
(半導体不足が原因と言われていますね)

となると、
「どうしてまともに生産すらできないのに発売したのか」
という疑問がわきます。

後から増やしていけば良い、と思ったのかもしれませんが
既に悪影響が出ており、
PS5の今後に大きな影を落としているのも事実です。
これは、厳しいようですが「発売タイミングを間違えた」と
言わざるを得ないです。

「発売日までに生産体制を整える」か、
それができなかったなら
「焦らず、最低限生産できるレベルになるまで
延期しておき、生産体制を整えてから発売」

するべきでした。

勿論、延期も議論を呼ぶとは思いますが
それでも、体制を整えてから発売していれば
こんなことにはならなかったでしょう。

コロナの影響で、という説も出ていますが
それは、発売前から分かっていたはずです。
それなのに生産体制がロクに整わないまま
発売してしまったのは、やはり発売日設定を
間違えてしまったと言わざるを得ません

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今後のPS5に大きな影響。既に悪影響も…?

プレイステーション5の出だしの”失敗”は
今後のプレイステーション5の展開に
”大きな悪影響”を及ぼすでしょう。

既に
「欲しいと思っていた人が白けている」
「他のハードに流れた」
「ソフトの売上が軒並み厳しい状態」
「一部ソフトの他機種への以降や、独占供給の中止」
などの影響が出てしまっています。

まず、「欲しい人が(抽選販売などで)買えないことにより
PS5に対してしらけている」ということは
ネットなどでも多々起きており、
諦めてスイッチを買った、ゲーミングPCを買った、XBOXを買った、
などという声も聞かれます。

「本来PS5ユーザーになるはずだった人たちを
 競合に渡してしまっている」状態が出来ています。

また、PS5ソフトの売上も壊滅的で
集計は基本、ダウンロード版は入らないのですが
それでも、平均的な比率など(ダウンロード版の売上)を考えると
DL版を合わせたとしても売れておらず
かなり厳しい状況です。

今後のソフトラインナップも鍵の一つなのですが
本体が売れない=ソフトも売れない、ことにより
既にメーカー側がPS5独占でソフトを出すことに
引け目を感じている状態です。

当初PS5と次世代XBOXのみで発売予定だった
「バイオハザードヴィレッジ」は結局PS4とXBOXONEでの
発売も決定しました。
(追記⇒発売後、バイオPS5版の売上は相当ひどい状態で、PS4版に惨敗状態でした。
結果的に「PS5でソフトは売れない」というイメージを、さらに広げる
要因になりました。メーカーも、あの売上ではPS5独占の判断は
少なくとも、この時点では普通はできない、という状況です)

こういうソフトが増えると「PS4で出るならPS5買わなくていいか」と
どんどん「本来買うはずだった人」が離れていきます。

他ソフトに関しても、影響は出るかもしれませんし、
発表される新作もPS4とスイッチ!みたいなソフトが
非常に多いです。

このように「ソフト離れ」も起こし始めているという
現実があります。

生産体制が整わずこのままの状況が続ければ

ユーザー離れ⇒ソフトが売れなくなる⇒ソフトメーカーが他機種にも出す⇒
さらにユーザー離れ⇒もっとソフトが売れなくなる⇒…

という、負のスパイラルにはまります。
こうなってしまっては、もう再起も難しいでしょう。

そうなる前に、対策しないと
PS5の未来は、少なくとも日本市場では、非常に暗いです。

生産体制の早期安定が「鍵」

PS5が巻き返すためには、
生産体制の「早期安定」です。
今の状況のまま、生産が十分にできない状態が続ければ、
再起不能の状況に陥るでしょう。

厳しい言い方をすれば
2021年1月下旬時点のこの記事を書いている現在でも
既に「かなり厳しい状況に追い込まれている」というのが
現状です。

PS4PROの生産を止めて(実際2020年秋には終わっていたようですが)
生産力を上げようとする努力も見受けられますが
それでも、現状は全く追いついていません。

この状況が改善できなければ
PS5には、厳しい未来が待っているでしょう。

最悪の場合に考えられること…

このままズルズルとPS5の普及が上手くいかない(生産面の問題)
ことになれば、
PS4が中心の状態が変わらず、PS5は存在感のないまま
PS4とスイッチに飲み込まれていくでしょう。

それは同時にPS6以降にも甚大な影響を与えることを意味しますし
ますます、プレイステーションが日本市場ではなく
海外市場をメインに考えるようになってしまいます。

最悪の場合に行きつく先は
プレイステーションの”国内でのXBOX化”に
なってしまうのではないでしょうか。

まとめ

非常に厳しい状況です。

どうして生産体制をまともに整えないまま
発売してしまったのか、
こうなることを予測できなかったのか、
非常に強い疑問を覚えます。

元ゲーム屋店長の私のような人間でも
この程度の生産力ならこうなることは
発売前に安易に予想できますので、
メーカーがそれをできなかったとは思えません。

生産が整っていないのなら、
無理して昨年発売するものではなかったのではないかと、
個人的には思ってしまいます。

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