XBOXのKinectが失敗に終わった理由は?徹底解説!

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XBOX360の周辺機器として発売された
kinect(キネクト)は、コントローラーを使わずに
身体全体を使ってゲームを操作するという
画期的なスタイルの周辺機器でした。

2010年にXBOX360向けの周辺機器として発売、
その後PCにも対応し、さらには後継機のXBOXONEにも対応しましたが、
残念ながら、Kinectは大きく普及することはなく、
ブームを起こすことができないまま、市場から姿を消すことになりました。

特に、日本国内ではほとんど存在感を発揮できず、
当時、ゲーム販売店で勤務していましたが、
kinect自体も、kinect専用ソフトもほとんど売れずに
滞留在庫になってしまう状況が続いていました。

では、どうしてkinectは国内では特にヒットしなかったのか。
その理由を解説していきたいと思います。

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ブームを起こすことはできなかった。その理由は?

当時、2006年に発売された任天堂のゲーム機・Wiiが
大ブームを引き起こしていて、
WiiのコントローラーであるWiiリモコンや、
2007年に発売されたWiiFitで使う周辺機器のバランスWiiボードなど、
直感的操作を行うコントローラーや周辺機器が
ブレイクしている状態でした。

その結果、NINTENDO64、ゲームキューブと苦戦が続いた
任天堂ハードは、Wiiで一気に盛り返し、
その世代のトップシェアを奪還するほどにまで至りました。

そんな流れを受けて、
プレイステーションは同じく、直感的操作を行うコントローラー
「プレイステーションMove」を発売、
XBOXは、全身で操作を行う「kinect」をそれぞれ発売しました。

が、2つとも(Moveは別の記事で書きましたが)失敗に終わり、
ブームを引き起こすことなく、市場から姿を消しました。

では、どうしてそのようなことになってしまったのでしょうか。

XBOX自体が国内では苦戦

kinect登場当時の「XBOX360」は日本国内では
(2024年2月時点で)最も普及したXBOX本体ではありましたし、
この頃は、他のXBOXと比べても存在感はある程度ありましたが
それでも、やはり他のハードと比べると苦戦しているのが現実でした。

そのため、そもそも国内では「kinect」自体、
元々不利な場所での戦いを強いられることになり、
その存在感は海外と比べてもさらに発揮しにくかった、というのが
まず一つ、事実になるかと思います。

ただ、海外でもkinect自体は”大成功”と言えるような売上は
残してはいないので”国内ではさらに不利だった”というだけで
全体的な苦戦の要因となった理由は、他にも色々と存在しています。
(順番に後述していきます)

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国内では環境的な厳しさも

kinectは身体全体を使って遊ぶタイプの周辺機器になっていたために、
国内では”そもそもそういう遊びができるスペースがない”家も多いことなどが
問題点として、当時も挙げられていました。
また、アパートなどでは広さの問題などのほかにも”音”の問題も
挙げられ、そもそも国内向けとして考えると
あまり実態とマッチングしていない周辺機器であるのも事実でした。
この点も、少なからず影響はしていたでしょう。

ただ、とは言っても、後のスイッチの「リングフィットアドベンチャー」など
全身を使う系統のゲームも国内ではヒットしているので
”ある程度の影響”であり、
他の要素次第ではヒットすることができる可能性も「0」ではなかったのでは
ないかとは思います。

専用ソフトの不足が致命的

SONYのプレイステーションMoveと同じく”専用ソフトの不足”…
これが、一番の決定打であるかと思います。

Moveの時も書きましたが、
KinectはWiiリモコンとは違い、そのゲーム機のメインコントローラーではないため、
”ほとんどのソフトはそれなしで遊べてしまう”状態です。

Moveと同じように、Kinect専用ソフトも出てはいましたが
やはり、そのラインナップを見て見ると
全体的に”ミニゲーム的”なものが多く、大ヒット作シリーズの最新作だとか
そういったものはほとんど見かけません。
大作ソフトなどがあっても”対応”であり、”専用”ではないために、
わざわざKinectを買わなくても遊べる状態のため、
普及せず…ということですね。

こういった周辺機器は”魅力ある専用ソフト”がないとなかなか
普及しないものですが、
キネクトに関しても、プレイステーションMoveに関しても
それが用意できておらず、結果的には厳しい結果となってしまいました。

ただ、専用ソフトを出す、という点にも問題があり
”Kinectがあまり普及していない”=”専用ソフトを出しても売れない”ことは
ソフトメーカーからすれば安易に想像できることなので、
”こういった周辺機器の専用ソフトが不足しがち”なのは、
よくあることです。

そうなるとハードメーカー(XBOXの場合はマイクロソフト)が、
自ら売上を度外視してユーザーを引き付ける専用ソフトを
投入していかなくてはなりませんが、
キネクトもプレイステーションMoveも、そこが上手く行かない
結果に終わってしまいました。

価格もハードルのひとつ

キネクトの価格は1万円超えと、
当時の周辺機器としては”非常に高額”でした。

こうした価格設定も普及のハードルのひとつになったものと
考えられます。

現代でも、やはり数万円単位の周辺機器は
あまり幅広く普及はせず、
例えばプレイステーションVR(これはキネクトよりもっと高額ですが)も
一般層への普及はほとんどしていない状態です。

キネクトも、当時としては非常に高額な周辺機器であり、
当時、勤務先でも”この価格だと厳しいと思う”という話は
出ていたために、価格も、普及に失敗した一つの要因、
ということは言えるかと思います。

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ユーザー層とマッチしていない

プレイステーションMoveもそうでしたが、
どちらかと言うと、身体を動かして遊ぶ”というような
遊び方はコアユーザーよりもファミリー層や、
普段あまりゲームをやらないようなユーザーの方が
手に取りやすい傾向にあります。

しかし、日本国内におけるXBOXは、
プレイステーション以上にコアユーザー寄りのゲーム機で、
ファミリー層や、ライト層などのユーザーは、
他のゲーム機と比べると、”とにかく少ない”傾向にあります。

そのため、Kinectのような周辺機器は
そもそもXBOXのユーザー層とはあまりマッチングしていないのも、
売上的に苦しんだ理由の一つと言えるでしょう。

例えば、ニンテンドースイッチにコアユーザー向けのコントローラーを
数万で発売してもあまり売れないでしょうし、
ゲーム機には”ユーザー層”を意識した展開も
必要になってきます。

XBOXの場合は、どちらかというと、Kinectのような周辺機器よりも
もっとコアな層にアピールできるような周辺機器の方が、
特に国内の場合、やはり売上的にも伸びていく傾向に
あるのではないでしょうか。

まとめ

Kinectは、プレイステーションMoveと同じく
苦戦から抜け出すことができないまま
市場から姿を消していくことになってしまいました。

(関連記事⇒XBOXがライト層に普及するにはどうすれば?

また、Wiiのブームに関しても、
2006年12月に発売後、しばらくブームは続いていましたが
KinectやプレイステーションMoveが登場したころには
既にブームが沈静化しているような感じであったのも事実で、
Move共々、若干ブームに乗り遅れた感があるのは
否めません。

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