元販売店店員が語るSwitch2のキーカード。小売店にも大きなマイナス・負担に。

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Switch2の”キーカード”を
こちらでは”販売店目線”でお話していきます。

Switch2ではパッケージ版の一部に新たに”キーカード形式”の
ゲームも登場するようになり、
思った以上にこのキーカードを採用しているソフトが
少なくとも、Switch2発売前に発表されているソフトには多く、
賛否両論となっています。

”ユーザー側へのメリットは少ない”というのは確かにその通りで、
”Switch2のゲームカードはコストがかかるからその対策”と
言われることもありますが、それなら容量の少ないソフトは
Switch1のゲームカードを使えばいいんじゃ?と思われてしまうのも
確かに当然のことです。

しかし、この”キーカード”、ゲーム販売店にとっても
”プラス”は少なく、マイナスの方が非常に大きいのも事実で、
懸念事項も多いですし、売上的にも心配な面は非常に多いです。

では、”販売店”にとってSwitch2のキーカードは何故マイナスなのか、
この点について解説していきます。

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販売店にとってもキーカードはマイナス

Switch2のキーカードは販売店にとってもマイナスで、
もちろん”ダウンロード専用”になるよりはマシですが
本音を言えば”普通のゲームカードで出してほしい”というのが
正直なところでしょう。

と、言うのも確実にトラブルや売上への影響が出て来るためです。

私も、以前ゲーム店でバイト・店長の両方を経験しましたが
その時の経験から考えると
”もし、現役時代にSwitch2のキーカードが出て来たら”
非常に残念に思ったでしょうし、売上面・その他の面での
影響に頭を悩ませたと思います。

販売店目線(自分が遊ぶかどうかは考えないものとして)だけで考えると、
”できればキーカードではなく、普通のゲームカードで出してほしい”ですし、
Switch2はコストが高くなるから、キーカードにしないと定価が
高くなってしまう、と言うのであれば
”じゃあSwitch1でそのままやって欲しかった”というところも
正直なところでしょう。

”店の視点”だけで考えれば、
Switch1は十分売れていたわけで、
Switch2でそういうこと(キーカードなど)をされるのであれば
かえって”新しいハードが出たことで大きなマイナスになる”という
可能性は非常に高いので、”キーカード”の登場は大きな懸念点となります。

その理由をひとつひとつ、ゲーム店勤務経験を元にお話していきましょう。

ダウンロード版に流れる懸念

まず、キーカード形式は
”パッケージ版としては中途半端”であるために、
どうせ本体の容量を使ったり、ダウンロードを求められるなら
”ダウンロード版でいいや”というユーザーは
確実に少なからず出て来ると思われます。

ご存じの通り、ダウンロード版は店の売上になりませんから、
キーカードの登場によって、そういうユーザーが
増えてしまえば増えてしまうほど、”売上”は失われて行きます。

メーカーとしてはダウンロード版が売れた方が良いかもしれませんが
販売店としてはダウンロード版ではやっていけないので、
(一部ダウンロードカードもありますが、全てのメーカーに
あるわけではありませんし、
キーカードならパッケージじゃなくてダウンロードにしよう、と考えた人が
全員ダウンロードカードに流れるわけではなく、
”どうせダウンロードなら家でダウンロードして買ってしまおう”
となるユーザーも多いのでマイナスになります)
この点は、大きな懸念となります。

Switch2版のパッケージ版がキーカードだった!
じゃあSwitch1のパッケージ版やPS5のパッケージ版を買おう!なら
販売店の売上に影響はありませんが、
Switch2にしか出ていないソフトや、
全員が全員、他ハードを持っているとも限らない
(例えばSwitch2とPS5にしか出ないソフトなら、PS5を持っていない場合
選択肢はSwitch2しかありませんからね)ので、
キーカードのソフトが出れば出るほど、店に売上的な打撃を与える懸念があります。

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説明の手間がかかる。ライト層にはかなり難しい

実際にゲーム販売店で勤務していた経験から、
”想像以上にライト層のユーザーは、ゲームのことを理解していない”ので、
”キーカード”も確実に「なにそれ?」というお客さんは
大量にやってくると思います。

説明しても、理解を得られるかどうかも、なかなか厳しいところで、
特に”普段あまりゲームをしない層”に対する
店側の説明の負担はかなりのものになると思います。

また、注意喚起のPOPを作成するなど
”キーカードさえなければやらなくて良かった手間”を
増やされることになります。

クレーム対応が増える恐れも

これも、大きな懸念点のひとつで、
クレーム対応、返品対応などが増える恐れもあります。

説明しても、注意書きをしていても、
例えば”ネット環境がないのにキーカードを買って行く”人も
出て来ると思われます。

そんな場合、クレームになることは安易に想像でき、
しかも”新品”で買ったソフトを開封済みで返金などを
求められると、店側としては非常に困ってしまいます。

実際にお店での勤務時代に
”説明したのにWiiとWiiUのソフトを間違えて購入する”人や、
他のお店で”XBOXONEをネット環境がないのに買ってしまって
返品も受け付けて貰えずに、売りに来た人”もいました。

ゲームに詳しい人・慣れている人からは想像もつかないほどに
”普段ゲームに触れない人はこんなにも分からないことがある”というのを
店員をやってみると強く実感させられます。
(もちろん、それは悪いことではなく詳しくなければ当然のことですが)

ですので、キーカードに関するトラブル・クレームは確実に起き、
お店の負担になってしまうでしょう。

”キーカードのせい”で、こういう対応が増えるのも
販売店側からすればため息の出る事柄の一つになり得ます。

中古買取・販売の懸念

キーカードは、中古買取・販売は可能ですが
(一度使った本体以外でもダウンロード可能であるため)
将来的に、何十年も経過したあとには
”まだダウンロード可能かどうか”いちいち調べる必要が
出て来てしまったり、
場合によっては”いつの間にかダウンロード終了”になっていて
中古で購入した人からクレームが起きたりする可能性もあり、
状況次第では”Switch2のキーカードのソフトは買取不可orジャンク品扱い”に
して対応する必要が、将来的には出て来る可能性もあります。

この点も大きな懸念材料で、
”今すぐ”は、心配ないと思いますが、
10年、20年と経過して”Switch2”もレトロゲーム機になった時に
キーカードは売り物にならなかったり、
ダウンロードがまだ可能かどうかいちいち確認しないといけなかったりと
かなりの”負担”になる可能性も考えられます。

中古の買取・販売はゲーム販売店にとって大きな利益となる部分なので
(新品よりも利益的には大きくなります)
ここで”使い物にならない”となると、
なかなかお店目線では厳しい、というのが現実ですね。

まとめ

ゲームメーカーはゲーム販売店の為に商売をしているわけでは
ないので、仕方ないことでもあるのですが、
販売店目線でメリットになるのかどうか?と言われると
”普通のゲームカードで出してくれた方が助かる”というのが答えで、
「ユーザー」と「販売店」にはメリットが薄いのが
キーカードです。

また、あまりキーカードが増えるとSwitch2の店頭での
扱いが縮小する恐れもある為
(実際、ダウンロード版ばかりのXBOXのコーナーは縮小orないことも多いです)、
ライト層のユーザーも多いSwitch2にとっては
”店頭での扱いが小さくなる”ということは致命傷にもなりかねません。

キーカードは”ほどほどに”がベストで
主流にならないよう、メーカーも上手くコントロールしていく
必要があるのではないでしょうか。

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