PS5は発売当初、
転売行為の横行などによる品薄が
2023年の初め頃まで続いてしまい、
2020年、2021年、2022年と、
その期間は非常に苦しい状況が
国内では続きました。
しかし、2023年1月にはようやくそれが解消され、
どこの店舗でも買えるような状況となり
ようやく”ここから”…と、いう状況になったはずでした。
しかし、2025年現在も国内ではPS5の苦戦が続いており、
例えば、既に2024年5月にメーカーから公式に後継機の存在に
言及されたニンテンドースイッチ相手に、
毎週のように販売台数を下回り、
さらには(パッケージ版のみとは言え)ゲームソフトの売上
ランキングもほとんどSwitchで埋め尽くされている状況です。
では、どうしてプレイステーション5は品薄解消後も苦戦が
続いているのでしょうか。
この点について解説していきます。
主な要因は「価格」。「縦マルチ」ではない
プレイステーション5が品薄解消後も苦戦が続いている
原因は何なのか。
よく理由として挙げられるのは”縦マルチ”です。
縦マルチとはプレイステーション4とプレイステーション5に
同時発売されるタイトル(最新ハードと1個前のハードに同時発売
されるタイトルを縦マルチと言います)のことで、
確かに、これは多いです。
これが原因となって”プレイステーション5でしか遊べない”ソフトが
少ないために”PS4でいいや”となってしまっていつまでも
プレイステーション5が普及しないのではないか、と、
そう言われている…というものです。
しかし、売上数字の流れや、ソフトの発売状況を見ていると
”これはメインの原因ではない”ということが伺えます。
むしろ、品薄が解消されたあともPS5が国内では
普及に苦しんでいる最大の原因は
”価格”の方です。
もしも価格がPS4レベルの価格であれば、
同じ縦マルチだらけの状況であっても、
とっくにPS5はもっと普及していたでしょう。
PS5が品薄解消後も国内で苦戦続きの最大の原因は
”価格”であり”縦マルチ”ではないのです。
その根拠となる部分を詳しく見て行きましょう。
独占ソフトが増えて来ても伸びていない
プレイステーション5も発売から年数が経過し、
ジワジワとPS4から移行するユーザーは増えています。
これは、どんなゲーム機でも同じことで、
時間が経てば経つほど、移行するユーザーは増えて行くものです。
ただ、そのペースは鈍いままで、
特に2024年頃からはようやくPS4には発売されない
”縦マルチではない新作”も増えましたが、
それでも、PS5の普及ペースは変わらないどころか、
寧ろ鈍くなっている状態です。
もし”縦マルチが原因”だったのであれば独占ソフトの
数が増えれば増えるほど普及は進むはずですが
基本的にそういった動きは国内の売上推移を見ている限りでは
見られず、また「ファイナルファンタジー16」や
「ファイナルファンタジーⅦリメイク」、
「真・三國無双オリジン」など、PS4では発売されない
人気タイトルの新作が発売された週でも
PS5本体の売上はそれほど伸びておらず、
FFなど、ごく一部”少しだけ伸びた”ケースはありますが
すぐに鎮静化してしまっており、
”ビッグタイトルがPS4には出ない”状態であっても、
PS5の売上台数は国内では伸びていないことが分かります。
そのため、”縦マルチ”も原因の一つではあるとは思いますが
メインの原因ではない、ということになるのです。
値上げの都度、売上が落ちている
そして、”価格”が国内でのPS5苦戦の最大の要因で
ある確かな根拠としては
”値上げの度に売上ペースが落ちている”ということが、
何よりの証拠です。
PS5はこれまでに複数回の値上げを行っており、
2022年、2023年(新型モデルに切り替え時に値上げ)、2024年と
3回の値上げを行っています。
このうち、2022年の最初の値上げの際には
まだ品薄が続いていたこともあり、
元々手に入る量が限られていたために
売上数字にさほど影響はありませんでしたが、
2023年と2024年の値上げの際には、
露骨に売上台数に悪影響が及んでいることがあり、
2023年前半に品薄が解消されて以降、
毎週の売上台数はそれなりにいいペースになっており、
Switchに迫るようなケースや、
Switchを上回ることもありました。
(それでも全体的にSwitchの方が多かったのも事実ではありますが)
しかし、2023年後半に薄型モデルを出した際に
ついでと言わんばかりに価格を上げてしまったことで、
せっかく”品薄解消後に好調になりかけていたペース”を
自ら落としてしまい、実際に週間売上台数の平均ペースも
落ちてしまっています。
普通、新型が出れば少し売上が伸びるところですが、
逆になってしまったということです。
それでも、毎週2万~3万程度の売上は維持していましたが
毎週Switchを下回り続ける結果となっていて、苦しい状況に
陥りました。
その後、2024年の3度目の値上げで、
さらに売上ペースを落としてしまい、
新型モデルのPRO発売時を除き、
PROを含めても、1万~2万しか週間で売れないという
さらに鈍いペースに落ちてしまいました。
こうして”値上げする度に露骨に売上ペースが落ちている”状況ですから
確実に”縦マルチ”よりも”価格”が、PS5の国内における苦戦の最大の要因です。
また、3度目の値上げ以降は
プロ野球スピリッツの新作が、サイレントヒルのリメイクが、
無双の新作が、PS5(PS4なし)で発売されても、
本体の売上台数がほぼ変化せず、
”既に、今の時点で持っていないユーザーは諦めてしまっている”ことが
伺えます。
PROの売上も発売早々に数千台と極めて低調な売上となってしまい、
”いかに価格が大事か”ということが分かります。
価格を抑えていれば今頃伸びていた
縦マルチが続いていようと、続いてなかろうと、
ゲーム機と言うのは”次第に専用ソフトが増えて行く”ので、
何年かかろうともやがて、移行には成功するので
焦る必要は本来、あまりないのです。
この先の時代は転売などもあるでしょうから、2年~3年かけてゆっくり移行、
その間は縦マルチなどをしつつ、その後3年~4年、移行後の最新ハードをメインに、
そして”次”が登場したらまた2年~3年かけて移行という
ゆっくりとしたスパンでの移行が望ましいです。
ただ、価格が高ければその”ゆっくり”もなかなか通用せず、
結局、苦戦することになってしまいます。
2023年前半、PS5の品薄が解消された際には
売上にも勢いが出始めて”ようやくPS5がまともに売れ始める”
そんな兆しは確かに数字に出ていました。
最初の5万前後でも高額ではありますが、
それでも、今よりははるかに普及していたでしょう。
ただ、自ら値上げでそれを潰してしまい、
さらにはあろうことか3度も値上げをしてしまった現状では
”価格にシビア”な国内では非常に厳しいです。
結果、海外では伸び、国内では鈍い。という状況が続いているのです。
これはPS5に限った話ではなく、
例えば今後発売されるSwitch2などでも高額な価格設定にすれば
同じことになるでしょう。
情勢的に厳しいことも分かりますが
やはり、ゲーム機の価格は”家庭用ゲーム機”である以上
パソコンのような価格になるべきではなく、
価格を抑える必要があるのです。
まとめ
プレイステーション5は当初でこそ品薄が原因で
普及に苦戦しましたが、
その後は「価格」です。
とにかく「価格」。
これさえ解消されれば、今からでも伸びるでしょう。
今回はともかく、次回以降のPS6では、
ユーザーへの普及の観点を考える場合、
高額になってしまうのであれば、
XBOXSeriesSのようにスペックを削ってでも
価格を抑えたモデルも必要になるかと思います。
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