ゲームの縦マルチのメリットとデメリットとは?詳しく解説!

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ゲームソフトには
”縦マルチ”と呼ばれる展開方法で
発売されるものもあります。

これは最新ハードと1個前のハードで同時に
”同じソフトを発売する”ことを意味する言葉です。

例えば最新の「PS5」と1個前の「PS4」で
同じソフトを同時に発売したり、
「3DS」と1個前の「DS」で同じソフトを発売したり、
そう言った感じの展開ですね。
(⇒縦マルチの言葉自体の詳細は縦マルチは?を参考にして下さい)

この”縦マルチ展開”にはどのような
メリット・デメリットがあるのでしょうか。

この点を解説していきます。

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縦マルチにはメリットとデメリットがある!

縦マルチ展開には、
メリットもあれば、デメリットもあります。

しかしながら、全体的に見れば
”ハードの移行期”には、メリットの方が多く、
最近では、新しいハードが出ると、
(特にプレイステーション系のハードでは)
縦マルチ展開が数年間続くことが
当たり前になっています。

それによって喜ぶ人もいれば
ガッカリする人もいるとは思いますが、
どのようなメリット・デメリットがあるのかを
見ていきましょう。

売上を確保することができる

まず、メーカー目線で考えると
縦マルチで展開することは、
”売り上げの確保”に繋がります。

と、言うのも、
新しいゲーム機が発売された直後、
というのは通常、”新しいゲーム機を持っている人”は
それほど多くはなく、
この状態で”新しいゲーム機の方だけに”新作ソフトを出せば
当然のことながら”ソフトの売上は落ちる”というのが
基本になります。

例えば、前のゲーム機が国内で500万台売れていて、
最新ハードがまだ国内100万台の売上だった場合…

最新ハードだけに出せば、少なくとも国内では
最高100万本しかソフトは売れないわけですし、
ハードを持っている人が全員ソフトを買うことは
絶対にないですから、実際の売上はかなり落ちます。

ですが、前のハードに出せば、
500万のユーザー(実際には売却したり、複数台もちとか色々ありますが)が
いるわけですから、
”売れる可能性”としては、最新ハードに出すより高くなるのです。

ある程度最新ハードの方が普及するまでは
”最新ハードにだけ新作を出す”と売上に大きく影響するため、
それぞれのメーカーは”最新ハード”と”1個前のハード”にソフトを
同時発売して、縦マルチ展開をすることで、売上を確保しています。

例えば、2020年にPS5が発売されて、
その翌年の2021年に人気シリーズ「バイオハザード」の最新作
「バイオハザードヴィレッジ」が発売されましたが
この時の、最初の1週間で売れた売上は
PS5版が3万8713本、PS4版が11万1171本という数字になっていました。
(※ファミ通調べ)

もし、PS5にしか発売していなかったら…
多少はPS4版がないことで売上も増えるとは言え、
”相当厳しい結果”になったことは分かると思いますし、
PS4版があるからこそ”売上を確保できていた”状態です。

このように、最新ハードの発売直後は、
前のハードのバージョンの方が売れることも多いため、
メーカーとしては”縦マルチをすること”で売上を確保する
メリットがあります。

時折、縦マルチをするな!と言うファンの方もいますが、
メーカーも慈善事業ではありませんし
”売れないゲームの続編は作れなくなる”可能性も高いので、
メーカーとしては縦マルチをするしかありませんし、
売上が望めないと、結局、ユーザー側も
”好きなシリーズの新作を遊べなくなる”ということになるので、
売上を確保するための縦マルチは、ユーザーにとっても
メリットとなるのです。

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遊べる人が増える

”最新ハードだけに新作を出されてしまう”と、
”ハードを持ってなくて遊べない”人が増えてしまいます。

当然、”最新ハード”と”前のハード”に出してくれた方が
”遊べるユーザー自体は増える”ので、これもメリットと言えます。

お金が無くて最新ハードをすぐに買えない人もいるでしょうし、
最新ハードを最初に買いたくない人もいれば、
品薄で欲しくても手に入らない!という人もいます。

最初のうちは特に”最新ハードを持っている人は少ない”ので、
遊べるユーザー数が増える、という意味でも
縦マルチ展開には、意味があります。

例えばバイオハザードの例を見ると
発売週にPS4版を購入した10万人以上が、
PS5だけだった場合「遊びたくても遊べなかった」
可能性もあるわけです。

この10万人以上が遊べるようになった、という点でも
縦マルチは大きなメリットと言えるでしょう。

クオリティの低下が起きる可能性

例えばPS5とPS4で同時発売しようとすると
どうしても”PS4でも動くように”作るために、
ある程度クオリティが落ちる場合があります。

もちろん、それでもPS5版の方がクオリティは
高くなりますし、
個人的な話をしてしまえば
”そこまで気にするほどの低下はない”と思いますが、
それでも「前のハードに出さずに最新ハードだけで作った場合」に
比べればクオリティ面などが若干落ちるのは事実です。

この部分を、とても気にする人がいるのも事実なので、
”少しでもクオリティの高いゲームを”と思っている人からすれば、
ここは縦マルチをすることによる”デメリット”となります。

手間が増える

当然、開発側からすれば、
「最新ハード」と「1個前のハード」に発売するとなれば
「最新ハードだけ」に出す場合よりも
色々な部分で手間がかかるようになります。

当然、お店なども、最新ハードだけで発売される場合よりかは
値札の作成や予約の受付などで、その手間は増えていきます。

一瞬でコピーして、ハイ発売!みたいなことは
流石にできないので、色々な工程が増える、というのは
作る側からすればデメリットにはなります。

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不満が出にくくなる

「最新ハードが十分に普及していない状態」で、
「最新ハードのみ」に発売すると、
不満が出やすいです。

実際に、PS5の発売初期に発売された
FF7リメイクインターグレードというソフトは
PS5のみだったため、
公式アカウントなどでは、相当な不満のコメントが
溢れていました。
もちろん、こういった声は全体の一部ではありますが
”縦マルチにした場合”と”そうでない場合”を比較すると
縦マルチにしなかった場合の方が圧倒的に
不満の声で溢れているのは、事実です。

もちろん縦マルチにしたらしたで「クオリティが…」みたいな
意見も出て来るわけですが、その方がはるかに少数なので、
メーカー側としては”縦マルチにすることで、不満を減らす”
というメリットがあります。

次世代ハードへの移行は遅れる

縦マルチをしていると、
例えば「PS5」と「PS4」を例にしてあげると
「PS4でも新作が出るからPS4で十分」という人も増えます。

そのため、縦マルチが続けば”次のハードへの移行”は
遅れていきます。

ただ、ゲームのソフトメーカーからすれば
”ハードの普及”よりも”ソフトの売上”が大事なのは
当たり前ですから、
この点は”ハードメーカーにとってはデメリット”であり、
ソフトメーカーからすればあまり関係のないこと、になります。
(なのでプレイステーションの場合はSONY、任天堂系ハードの場合は
任天堂にとってはデメリットになる、と言う感じですね)

私もそうなのですが、
”クオリティが上がる云々だけでは新しいハードをわざわざ買わない”人は
ゲームをよく遊ぶ人でも一定数いるので、
”縦マルチ”をしている限り、新ハードへの移行は
ある程度停滞することになります。

まとめ

縦マルチのメリット・デメリットを解説しました。

全体的に見れば
メリットの方が大きく、
特に”売上”はメーカーにとって非常に重要な部分で
”遊べる人が大幅に増える”というのはユーザーにとって
非常に重要な部分となります。

一方、デメリットの方は
クオリティを「縦マルチかどうかで変化するレベルまで」気にするユーザーは
正直に言えば、全体で言えば”ごくわずかなコアユーザー中心”ですし、
ハードの普及が遅れる点も、これは”ソフトメーカーにはあまり関係ないこと”です。

ですので、全体的に見れば
縦マルチでの展開はメリットの方が大きく、
それ故に、”たくさんのメーカーが実際に縦マルチ展開をしている”
というのが答えになります。

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