「冥王星」は、かつては太陽系の一番外側にある
惑星とされてきた星ですが
現在は基準などが見直され
惑星ではなく「準惑星」と呼ばれるものに分類されています。
とは言え、人類が勝手に決めた分類がどうなろうとも、
冥王星自体にとってはあまり関係のないことですし、
冥王星が天体であることには変わりありません。
では、太陽系の一番外側に存在する天体である冥王星に、
人類が移住することはできるのかどうか、
この点について詳しく解説していきたいと思います。
※冥王星自体については
⇒冥王星とは?の記事をご覧下さい!
現時点は不可能に近い状態
冥王星に関しては地球からは最も遠い所に
存在している太陽系の天体で、
あまりにも距離が開いているために、
まだ未知の部分も多い天体です。
無人の探査機であっても到達には10年近くの時間が
かかる状況で、
当然のことながら、冥王星に人類が到達したり、
上陸したりしたことは今の時点ではありません。
そもそもの話、現時点では人類は”月”にしか
直接到達したことはなく、
移住するとしても、最有力候補である月や火星への
移住の試みが先になると思いますから
今の時点で”冥王星への移住”は、
あまりにも現実的ではないお話かつ、不可能に近いお話、
というのが実情です。
移動手段を考えなければいけない
冥王星に、有人の宇宙船が到達するとなると
”非常に長い時間”がかかりますし、
当然安全面、船員の精神面など、あらゆる問題が
生じることになります。
現時点では月以外の天体にも有人での到達は出来ておらず、
難しい状態ですので、
冥王星への到達は”夢のまた夢”というのが現実です。
極端な話、”ワープに近い方法で移動する手段”を
見つけるか、地球と冥王星の間にある惑星…
火星、木星、土星、天王星、海王星に順番に
人が住めるようにしていき、少しずつ近づいていくか…
ということしか方法はないように思います。
ワープは少し非現実的すぎますから、
現実的には、将来的に宇宙への進出が本格的に始まった場合は
”地球に近い惑星から順番に住めるようにしていく”というのが
妥当なところではないかと思います。
地球から一気に冥王星に行く、というのはかなり難しいですからね。
環境面への対応も課題に
冥王星の環境は、人類にとっては非常に厳しく、
他の惑星などの天体でもそうですが
当然、生身で生存することは不可能です。
また”氷の星”とも言える状態で、
太陽からの距離も地球と比べると
かなり離れている状況ですので、
気温は、マイナス数百度に達している状態です。
やはり、他の惑星への移住と同様に、
”何らかのステーションのようなもの”をつくり、
その中で生活するようなスタイルが
基本的になるのではないかと思います。
ただ、冥王星への到達が可能になり、
移住を本気で考え始める段階では
恐らく、既に”他の惑星”への移住などは可能になっていると
考えられますので、冥王星に到達時点で
そういう技術は持っている可能性は高いと言えます。
勿論、今の時点では無理ですが、
冥王星に到達し、移住を本気で考えるような段階では、
既に”冥王星に住むための技術”は出来ている可能性も
高いのではないかと考えられます。
予算的な問題は非常に大きい
冥王星への移住となると、
太陽系の天体の中でも、最も遠い部類の天体になりますので
当然のことながら、探査だけでも莫大な費用が掛かりますし、
人類が直接向かったり、移住したり、
冥王星自体の開発をするための物資を送ったりするのにも
コストがかかります。
この点も大きな問題となるでしょう。
これをどうクリアしていくか、ということも
冥王星では他の惑星への移住以上に問題になるでしょう。
ここまで来ていれば国際的な問題は…
月への移住の可能性や、火星への移住の可能性について
解説した記事の時には”宇宙に進出するとなれば人間同士の争いが始まる可能性”を
書きましたが
冥王星に関しては、その心配は薄いと考えられます。
と、言うのも冥王星に本気で移住を考える場合
既に現在の最有力候補の月や火星は勿論のこと、
火星の先の惑星の数々にも移住は成功している可能性が高いです。
地球以外の惑星への移住の第1歩が”冥王星”になることは
まずありえない話なので、
冥王星への移住を真剣に考え始める時点では、
既に”惑星への移住によって生じる国際的な問題”は
解消されているものと考えられます。
ある程度ルールもできているでしょうし、
冥王星に至るまでに他の惑星に移住できているということは
国際的な問題などは解決できたものと思われます。
(解決できなかったのあれば、冥王星への移住を本格的に考えることのないまま、
人類は終わるだけです)
ですので、冥王星への移住、という点で考えると
”国際的な問題に関しては、既に冥王星云々を考える時点では
解決している”と、思われます。
まとめ
現時点では冥王星への移住は困難で、
その可能性についても限りなく低いです。
冥王星や、さらにその先に進んで行くとなれば、
当然のことながら
まず、人類がクリアしなければいけないのは
”月”への移住や”火星”への移住となります。
また、冥王星への移住を本気で考えられるぐらいに
技術が上がった場合、
太陽系はいずれ滅亡する(数十億年後の話です)と言われているため、
太陽系外に飛び出すことも視野に考え始める段階に
なっている感じもするので、
冥王星への移住に関しては、そんなに大きな意味を
持たないような感じはします。
(もちろん、徐々に行動範囲を広げていく感じで宇宙進出するなら
通過点として冥王星への移住も必要だとは思いますが)