ベーシックインカムという言葉を
ご存じでしょうか？
これは、国が全ての国民に
生きるために必要な最低限のお金を
支給する、という制度のことですね。
最近ではこういった言葉を
時々聞くようになった人も多いかと思いますし
ネット上などでも、時々話題になります。
働かずとも、生きていくための
必要最低限のお金を、全員が得ることができる、
というのは確かに理想的な感じもしますが
現実的には非常に難しく
あくまでも夢物語であると、言うのが
現実なところでしょうか。
「ベーシックインカムしかない！」みたいなことを
叫ぶ人まで時々見かけますが
現実的には、実現は困難であると
言っても良いでしょう。
どのような制度なのか？
ベーシックインカムと一言で言っても、
その実態は異なります。
何故なら、まだこれが
継続的に実現しているような国は
存在していないからですね。
（似ている趣旨のものや、実験などはありますが）
そのため、具体的に”こうだ”というものはありません。
内容としては
全国民に毎月、決まった金額のお金が
支給されて、働かなくても
必要最低限の生活は送ることができる、
というものになっています。
ただ、実際に行われているわけではないので
具体的に毎月いくらなのか？とか
どのように支給されるのか？とか
そういったことまで決まっているわけでは
ありません。
確かに、毎月必要最低限の金額を
貰えるのであれば、いろいろな悩み事が
吹き飛ぶ人は多いと思いますし、
夢のような話だ！と思う人も
いることでしょう。
ただ、現実はそううまくはいきません。
ベーシックインカムが簡単に導入できるのであれば
とっくにベーシックインカムが導入されているでしょうし、
それが今現在、されていないということは
やはり、理想は理想でしかなく、
現実で実現させるのは、非常に困難である、
ということの表れと言えるでしょう。
実際に行われている国はあるの？
実際に、これが継続的に実施されているような
国は現時点では、見当たりません。
ベーシックインカムの実験のようなものが
一時的に行われたり、
それに類するような一時的な施策が
行われたりしていることは、
あるようですが、完全なベーシックインカムを
長年ずっと続けてきた！という国は
現時点では見当たらないのが現状ですね。
今後については、
なんとも言えますが
少なくとも「数年以内にベーシックインカムを導入します」と
決定しているような国は存在しません。
導入事例はあるの？
日本では、導入されたことはありません。
定額給付金というものが過去に行われて
一人一人に一定額が支給されたことはありますが
これは1回きりのお話ですし、金額的にも
ベーシックインカムと呼ばれるものには
遥かに及ばない金額で、
ベーシックインカムには当てはまりません。
海外に関して言えば
一部の対象者向けにだったり、
一定期間の試験的なものだったり、
そういう限定的なかたちで実験的に
行われたことはありますが、
それでも、全員に継続的に
行われていることはなく、
現時点で「完全なベーシックインカム」が
行われた事例は、ないと言っても良いでしょう。
導入されればメリットも…
万が一ベーシックインカムを導入するような
ことがあれば、いろいろなメリットとして
考えられるようなこともあります。
例えば、貧困で生活が破綻するような人は
減るでしょうし、
貧困による犯罪に走る人や、
自ら命を絶ってしまうような人、
生活苦から精神的に病んでしまうような人…
こういった人を減らすことができる効果もあるでしょう。
また、生活のために、仕事で肉体的・精神的に
破壊されてしまって健康を損ねたり、
命を落としたりしてしまうような
”ブラック企業による被害”についても
減らすことができるのではないでしょうか。
企業側も”必要最低限の生活が保障されている”
ということで、”ブラック企業的な使い方”は
できなくなると思いますし
”社員の生活を守るため”と、やらなくてもいいような
仕事のために、人を雇って
給料を払うような必要もなくなるのでは
ないかと思います。
景気だとか、無駄の削減だとか
そういったことに繋がるほか、
やはり、精神的に追い詰められたような人が減り、
全体的に”気持ちにある程度の余裕がある社会”が
生まれるような、可能性は高くなるのではないでしょうか。
どうしても、金銭的に、生活に余裕がなかったりすると
人間は攻撃的になったり、落ち込んだり
するものですからね…。
そういう点の効果は高いのではないかと。
また、少子化の改善などにも
繋がるのではないか、という期待も
出ていますね
（子供が一人増えればベーシックインカムによって
支給される金額も一人分増えるわけですから、
確かに少子化の改善につながる、というのは
理にはかなっているでしょう）
が、良いことばかりではなく
デメリットや懸念点もたくさんあるのです。
デメリットや懸念も…だからこそ導入できない
まず、最大のハードルとしては
「財源」ですね。
全国民に毎月お金を支給するとなれば
莫大な財源がかかります。
それこそ、現在のシステムの多くを一度破壊するか
見直さない限り、
ベーシックインカムをするための財源を確保
することはできず、それを継続的に維持するようなお金は
存在していません。
現在存在しているシステムを大幅に変えないと
継続的に全国民に十分な量のお金を
支給する、ということは、難しいのが現実です。
また、それだけではなく
実際に導入した場合を想定すると
色々な問題点などが指摘されており、
そう簡単にはいかないのも事実です。
現在の福祉関係の廃止などの問題や、
労働に関係する懸念、
犯罪に関係する懸念、経済学的な懸念などなど
数えきれないほどの懸念点が存在しています。
確かに、何も考えなくて良いのであれば
夢のような制度ではありますが、
ベーシックインカムを軽々と導入して
それで、社会的なものが崩壊してしまっては
話になりませんから、
どうしても慎重にならざるを得ませんし、
現実的に言えば、
実現はかなり難しいのではないか、
というところになりますね。
相当思い切った改革をしないと
ベーシックインカムというものは
実現できないのです。
また、一度スタートして
”やっぱりやめます”なんてことは
絶対にできないので、
その点も難しいところになりますね。
本導入となれば、社会的システムを
大幅に変更する必要があり、
一度変更してしまった場合、
”やっぱりだめでした”なんてことになれば
大混乱が起きて、破滅してしまいます。
将来的にはどうなるの？
今の時点で、ベーシックインカムが導入される、
という具体的な決定はありません。
そういう話題が出てくることはあっても
あくまでも話題どまり、という感じでしょうか。
現実的に本格的な議論が
されているようなことは
今の時点ではないですね。
今後、遠い未来に、実現する可能性が０、とは
言いませんが、実現する可能性は
残念ながら今の社会の雰囲気を見ている限りは
厳しいのではないかと思いますし、
お金が欲しい！という気持ちは分かりますし
まぁ、私も欲しいですが、
色々な部分に目を向けてみると、
”そう簡単にはいかない”というのも
また現実です。
まとめ
毎月のように必要最低限のお金を
貰う事ができる…
とても夢の膨らむお話であるとは思います。
が、現実的に厳しいお話であるのも
事実で、なかなかそう簡単には
導入されない、というのも
また事実ではないでしょうか。
ベーシックインカム…
夢のあるそんな世界は、
今の時点では想像の世界だけの
お楽しみになりそうです。
