日本で、ゲーム機と言えば
任天堂のゲーム機か、プレイステーションなどを
思い出す人がほとんどだと思います。
レトロゲーム（昔のやつ）に詳しい人でも、
セガとか、ＰＣエンジンとか、そういう系統を
思い出す人が多いのではないでしょうか。
今現在、日本で展開されているのは
任天堂のゲーム機と、プレイステーション系統が
メインになりますが、
実はもう一つ、マイクロソフトが展開している「ＸＢＯＸ」も
現在進行形で、新しいソフトも発売されています。
ですが、一般的にＸＢＯＸは知名度が低いですし、
正直、日本では全然売れていません。
どうして、そうなってしまったのでしょうか。
ゲーム屋の店長経験も元に解説していきます。
日本では空気状態のＸＢＯＸ
全世界に目を向けると、ＸＢＯＸは
それなりに売れていて、存在感もあるハードです。
しかし、日本では、客観的に見れば
空気状態です。
ゲームファンの中には、好きな人もいるでしょうし、
全種類持ってる！なんて人もいると思いますが
一般的に、ＸＢＯＸは売れていません。
数字が、それを示しています。
初代ＸＢＯＸは定着せず、
２代目となる「ＸＢＯＸ３６０」はある程度
日本でも売れたのですが、
３代目の「ＸＢＯＸＯＮＥ」は完全に空気状態で、
ＯＮＥ発売当時、私はゲーム店の店長を
やっていましたが
入荷数はなんと「２台」です。
（他のゲーム機とはくらべものにならないほど少ない）
さらに、売れたのは１台だけという悲惨な状態でした。
４代目となる、次世代ＸＢＯＸも発売となりますが
今のままでは、日本では空気の状態に
変わりはないでしょう。
では、どうしてそんなことになってしまったのでしょうか。
知名度不足
まず、日本における知名度が
かなり低いこと。
これが問題の一つです。
知名度が低い理由としては
色々な理由が挙げられますが、
”宣伝不足”なことも、理由の一つでしょう。
ＸＢＯＸ３６０の時代は、人気グループを使った
ＴＶＣＭなども展開していましたし、
３６０は、ＸＢＯＸシリーズの中では
そこそこ売れたほうですが、
ＸＢＯＸＯＮＥは、もはや全くと言っていいほど
宣伝する気配も見受けられません。
ゲーム好きな人以外は、
ＸＢＯＸを知らない人も多いでしょうし、
ファミリー層も、ＸＢＯＸを認識している人は
ゲーム店にいた限りは、少ないように見えました。
”知名度が低い”のは宣伝の少なさ以外にも
原因があり、”売れてないこと”なども
その要因の一つです。
売れない＝知名度が低い＝さらに売れない、
という悪循環にも陥っています。
ソフトラインナップの問題
日本におけるソフトも、売れない理由の
一つです。
ゲーム機が売れるかどうか、というのは
結局のところ、「欲しいソフトがあるか」
ということも大事な点になるのですが、
日本国内におけるＸＢＯＸのソフトラインナップは
「プレイステーションとあまり変わらない」
というのが現実です。
その普及台数から、
「ＸＢＯＸのみで発売」というソフトは
非常に少なく、
ごく一部のソフトと、ＸＢＯＸを展開している
マイクロソフトのソフトぐらいで、
あとは「プレイステーションと同時発売」のものか
「プレイステーションのみに発売」のものが
非常に多いです。
しかも、後者の「プレイステーションのみに発売」が
「ＸＢＯＸのみに発売」よりはるかに多く、
結果的に”プレステと似たようなソフトばかりで、
しかも出てないソフトもあるゲーム機”というような
イメージがついてしまっている、というのは
否めません。
一方、任天堂のゲーム機は、方向性の違いから
プレステ・ＸＢＯＸとは異なるソフトが
発売されることも多く、
また、任天堂の自社タイトルが非常に強いために、
他機種との差別化が出来ており、
ＸＢＯＸのように「似たようなソフトばかり」状態には
ならない強みがあります。
そのため、「任天堂系とＰＳ系」を持っておけば
日本において、”遊びたいけどゲーム機がない”という
状態にほとんど直面しないという現実があります。
日本向けに作られていない
実際に私は初代、３６０、ＯＮＥを持っていますが
正直、お世辞にも日本向けに作っている感じは
しません。
メニュー画面や、その周辺が
どれも、”海外的”で、あまり親切な感じはしません。
なんかこう、パソコン的というか、そんな感じで
あ～、海外の製品だなぁ、と感じさせる作りです。
良くも悪くも海外的で、
分かりにくい部分も多く、
特にＸＢＯＸＯＮＥは初期設定に
ネット接続が必須だったりと、
非常にやりにくい印象を受けました。
初代ＸＢＯＸに関しては、アダプターの
サイズまで大きかったり、
ＸＢＯＸ３６０は、初期型が非常に故障しやすかったりと
海外製品っぽさが出てしまっています。
日本で広く受け入れられないデザインで
あることは、確かでしょう。
お店の取り扱い
今ではリアルの店舗も減りましたが（ネット販売中心）、
残っているお店も、ＸＢＯＸのコーナーは少ないです。
また、元々売れていないため、買取なども少なく、
中古ソフトも並ばないために、
余計にお店での取り扱いも小さくなります。
また、中古での買取価格が（売れないため）
ＰＳと同時発売のソフトでも、ＰＳ版より
買い取り価格が安くなるケースが非常に多いです。
そのため、中古の売却をする人にとってもきついハードで
あるのは事実です。
加えて、ＸＢＯＸ版は売れないため、メーカーも最初から
あまり生産しないため、品薄になりやすいのも
一つのマイナスポイントです。
パッケージ版がないソフトが多い
パッケージ版派の人にとっては
これも痛い部分で、
”パッケージ版が無いソフト”も多くなりました。
ＰＳ版ではパッケージ版も出るのに、
ＸＢＯＸ版はダウンロードのみ、というソフトも
非常に多いのです。
これは、パッケージ版を出しても売れないために
メーカーが、コストカットをする意味合いもあります。
ビッグタイトルであっても、ダウンロード版しか出ないこともあり、
パッケージ版派の人は、ＸＢＯＸから離れてしまいます。
売れないことによる悪循環に突入している
これも非常に大きな問題で、
”売れない”からこそ、悪循環に突入してしまっています。
どういうことかというと、
ＸＢＯＸのハードが日本国内では売れていない、ということで
ゲームメーカーは、ソフトをＸＢＯＸではなく、
他のハードに出すようになります。
ゲーム機本体が売れていなければ、当然
ソフトを発売したところで、あまり売れないことは
目に見えています。
そうなると、”発売されるソフトが減ります”
すると、どうでしょう？
”いいソフトがないや”と、本体の売上がさらに減ります。
で、売れていないので、ソフトはさらに発売されなくなります。
売れないハード・ソフトは、販売店も
あまり置かなくなり、さらに人の目に付かなくなり、
”日本では売れないや”と、メーカー側も
日本に対する展開に力を入れ無くなる…
ＸＢＯＸは、まさに日本ではこういう状態に
なってしまっているように感じます。
そして、よほどのことがない限り、
この状況を覆すのは、難しいことですし、
今のままではＸＢＯＸＯＮＥの後継機を
発売しても、同じような状況になってしまうことは、
もはや、目に見えている、と断言してしまっても、
良いでしょう。
まとめ
正直なところ、ＸＢＯＸが日本国内で
巻き返すビジョンは、私には見えません。
よほどのことをしない限り、
海外中心で展開していくしか道は
ないでしょうし、おそらくメーカー側も
積極的にＰＲしていないところを見ると、
諦めかけている部分もあるのでしょう。
次世代ＸＢＯＸが発売されて
急に爆発的ヒットを記録するなんてことは
まずないでしょうから…。
