自転車のヘルメットが広がりにくい理由とは?原因を詳しく解説!

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自転車に乗る際の
ヘルメット着用が努力義務化されて以降も、
街中を実際に見てみると、
正直なところ、それほどヘルメットを着用している人はいません。

もちろん、努力義務とは
”罰則なし”のものであり、
”できればこうしてくださいね”という意味合いのものなので
最終的に”自由”なのか”強制”なのかと言われれば
”自由”なので、ヘルメットを着用していないことが
法律的に悪い、ということではありませんが、
(⇒自転車のヘルメット着用の努力義務については別記事を参考にして下さい。
ヘルメットを着用すること自体は
万が一、事故などを起こした際に命を守ることにも繋がりますから
メリットがあることは事実です。

しかし、やはりそれでもなかなか普及は広がりません。
それは何故か。
その点について、解説していきます。

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自転車のヘルメットが普及しない要因は?

もちろん、年月が流れれば流れるほど、
着用する人も増えていくとは思いますが
それでも、この先も努力義務である限りは
”街中の自転車に乗っている人のほとんどがヘルメット着用”
ということにはならないでしょうし、
当面は”着用している人の方が少ない”ように見える状態が
続くことでしょう。

では、どうして”事故の際のリスクを減らすことができる”という
大きなメリットがあるのにも関わらず普及しないのか。

その要因となっている点を、見ていきましょう。

ヘルメットを購入しないといけない

まず、自転車のヘルメット着用が広がらない理由の
大きな原因の一つとしては
”自分で自転車用のヘルメットを購入しないといけない”という点が
最大のポイントになるかと思います。

例えば、努力義務化以降、
自転車に乗っている人にヘルメットを無料で配布したり、
必ず自転車とセットで販売されたりしていれば
ヘルメット着用自体はある程度広がる可能性はあります。

しかし、努力義務となった後も
ヘルメットは自分で購入しないといけませんし、
自転車を購入する際にも
ヘルメット自体がプレゼントされたりするわけではありませんので、
”自分で購入する”必要があります。

そうなってくると、ここでいくつかのハードルが生まれます。

一つが「費用がかかること」ですね。
安いモノなら数千円で購入できるとは言え、
例え、1回きりの出費でも”出費が増える”ということは
人によっては苦しいことです。
それが数千円であっても、なかなか”今月は厳しいから”と、
先送りになってしまうことは、実際にあることですし、
金銭的に余裕がない人からすれば
数千円の出費を”絶対に必要ではないもの”に出す、ということは
なかなか厳しいものなのです。
これは、実際にそういう生活をしたことがある人であれば
”たった1000円、2000円ぐらいでしょ?”とはならない、ということは
理解できるかと思います。

そう簡単に、数千円であっても”絶対に必要なもの”ではないモノに対して
ポンポンとお金を出せない人、というのは案外多いのです。

そしてもう一つは「自分で購入する必要がある」という点です。
ヘルメットを買う、となれば
やはりお店に行ったり、ネットで購入したりと
”自分自身で行動を起こす”必要があります。
ネットで買えば比較的手間はかかりませんが、
デザインの問題やサイズなど、やはり、色々見るべき箇所はありますし、
どうしてもプライベートの時間は取られることになってしまいます。

仕事などで忙しい人の場合は特に
”そういう時間よりもプライベートの時間”となる人は多いですし、
そこまで気が回らない人も多いです。

先程も書いたように”努力義務”なので、
綺麗事抜きで言えば”必ずしも必要と言うことではない”わけですから、
特に忙しい人にとっては、優先度が後回しになりがちです。

”10分もあれば買えるじゃん!”と思うかもしれませんし、
悩まずサクサクと買うことができればその通りなのですが
”自分の趣味の時間以外に10分を使うのも惜しい”と言う人は
(忙しい人は特に)いるので、”自分で買わないと確保できない”と言う状況は、
案外、普及を妨げる原因になっているのは間違いないでしょう。

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手荷物が増えるのも敬遠される要素の一つ

自転車に乗る際にヘルメットを着用するようになると、
当然、そのヘルメットは”荷物”の一つになります。

ずっと外にいる場合はともかく、
屋内に入る際にはヘルメットを外したりしなければ
いけない場面がほとんどだと思いますし、
会社や学校などに行く場合でも、
まさかヘルメットをずっと被ったまま、というわけには
いかないでしょう。

かと言って、ヘルメットは目的地に到着したら
勝手に消えてくれるわけではありませんし、
自転車に放置しておけば、そのまま盗まれたり、
屋外に自転車を止めている場合は、
雨に濡れるなどする可能性もあります。

そうなってくると”ヘルメットの管理”は、
負担になるわけです。

実際にこの点を嫌がって
”自転車のヘルメットはちょっと…”という人も多く、
これに関しては仕方のないことではありますが、
なかなか普及、という面に関しては
それを妨げる要素の一つになっていることは
否めないと思います。

そういう習慣がない

元々、自転車に乗るときにヘルメット、という習慣は
ほとんどの人にはなく、
”何も着用しない”というのが当たり前でした。
今もまだ、何も着用しないものだという風潮は強いと思いますし、
なかなか”今までの当たり前”が変わっていくには
長い時間がかかるのが人間と言う生き物です。

自転車のヘルメット着用に関しても、
何十年と経過していけば、それなりに浸透する可能性もありますが
少なくとも今の時点で
いきなり”多くの人がヘルメットを着用している”という状況に
なるのは非常に困難であり、
このあたりは、時間をかけてじっくりと課題の点も含めて
根気よく対応していくしか、
(普及を望むなら)方法はないかと思います。

”万が一の時のみ”しか基本は活躍しない

細かなことは除くと、
自転車でヘルメットを着用した際に
得られるメリットは”万が一、事故などに遭遇した際”に
限られます。

しかし自転車は、現実的に言えば
”一生のうちに自転車で大けがをするような事故を起こす人”と
”一生のうちに自転車で何も起こさない人”
の割合を見れば”何も起こさない”人の方が圧倒的に多いわけです。

もちろん、その”少数”の方に自分が加わってしまう可能性は
誰にでもあるわけですが、
”ほとんどの場合、していなくても大丈夫”であるのもまた事実であるので、
そういった点も普及を妨げる要素の一つに
なるかとは思います。

例えば自転車のヘルメットを買っても、
その後も”何事もない”(ヘルメットが無くても大丈夫だった)、という
人生を送る人がほとんどで、
”ヘルメットのおかげで助かりました”と、いうような出来事に
遭遇する人は現実問題、少ないわけです。

ですので、実際にそういう場面に直面した際に
力になってくれるとは分かってはいても、
”大丈夫だろう”と思ってしまう人も多い、というのは
一つの実情であるかと思います。

まとめ

自転車のヘルメット普及にはまだまだ時間がかかります。

”自分が事故の当事者になる”人は、割合としては
低いことや(みんな、自分がそこに入るとは思わない)
費用面、自分で用意する手間、
そして荷物になる点など
”命を守ってくれる”とはいえ、
全員が全員事故を起こすわけでもなく、
なかなか腰を上げにくい一面もあり、
また、荷物になるなどの”デメリット”もあります。

このような点から、自転車のヘルメット着用が
いきなり大幅に広がる、ということは
現実的には非常に厳しいことだと考えられます。

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