独身税を導入すると、少子化は改善するの?現実的には逆効果。

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少子化対策のひとつとして、
時々話題に上がるのが
”独身税”と呼ばれる存在です。

実際に、こういった税は、国内では存在せず、
過去に海外の一部の国でそのような税が
導入された際には、
結果的に上手く行かず、廃止されています。

色々な問題があるため、
実際に導入される可能性は限りなく低いですし、
導入が予定されている、などということも”ない”ですが、
もしも導入したとして、少子化は改善されるのでしょうか。

この点について、見ていきましょう。

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改善には至らない可能性が高い

独身税が導入されたからと言って
少子化が改善されるのかどうか。

この点を考えるのであれば、
答えは「No」であると思います。

恐らくは少子化の改善に結びつくことはなく、
”悪い部分”のみが目立つ結果になってしまい、
最終的には廃止されることになるかと思いますし、
実際に導入した国では
”逆効果”となり、廃止に至っています。

独身税は、”少子化対策にはならない”
可能性が非常に高いと言えます。

その理由を、見ていきましょう。

金銭的な問題が生じる

まず一つが”独身税”を独身者に課すことにより
”金銭的な余裕が”なくなってしまい、
より結婚や恋愛、子育てから遠ざかる可能性がある、
ということが理由の一つです。

”金銭的な面”が未婚率上昇や少子化の理由の
”全て”ではなく、あくまでも”一部”であると
私は思いますが、それでも、その”一部”をさらに苦しめてしまうことにより、
独身の人がより結婚から遠のき、
結果的に少子化を促進することに繋がる可能性が高まります。

この点に関しては
”一定以上の所得の人間のみ”にターゲットを絞ったり
”適齢期”と呼ばれるような年齢の人間は対象外
(例えば50歳以上などにする)などで対策はできますが
もし、それをせずに導入した場合、
余計に若い世代が金銭的に苦しむようになり、
独身税により、逆に未婚率・少子化は進むことになってしまう
可能性も高いと言えます。

まぁ、お金の問題は↑で解決できたとしても、
それでも独身税の導入が、少子化改善に繋がらない理由は
多数存在しています。

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独身税があるから結婚…と、うまくはいかない

金銭的な事情で結婚しない人間は確かにいます。
節税のために”結婚しよう”となる人も
ある程度はいるでしょう。

ですが、結婚しない人は”全てが金銭的な理由”とは限らず、
また”結婚を迷っている”人ばかりとは限らないのです。

まず”そもそも結婚する気がない人”
この人たちは、独身税があろうとも結婚はしないでしょう。
したくないものは、したくない。
それだけのことです。
今の世の中、独身を謳歌する人も増えていて
”一人がいい”人も増えています。
そういった人は多少の独身税では結婚しませんし、
当然、少子化の改善には繋がりません。
だからと言って”事実上強制と言えるような多額の税金”をかければ
今度は「金銭的事情」で結婚できない人が増えます。
つまり、どっちに転んでも、十分な効果は望めないのです。

また、税金をかけられようと「相手がいない人はいない」のです。
「できないものは、できない」
こういう人も、独身税をかけられたから結婚しよう、とはなりません。
”しよう”となっても、できないわけですから
どうにもなりませんよね。

独身税を掛けられても、そう簡単に人が結婚するか、と
言われれば「しない」のです。

偽装結婚や、子供のいない家庭が増える

税金対策として結婚する人も、当然ある程度は
出て来ると思います。

ですが、そう言った人たちが
”子供を育てるかどうか”と言われれば
「元々無理に結婚させられた状態」であれば、乗り気でない人も
多いでしょう。
”独身税により、無理やり未婚率を下げても、それが子供に繋がるとは
 限らない”ということです。

また、入籍だけして、実際にはほぼノータッチ、という
節税のための結婚も流行るでしょう。
そうなれば、当然子供が増えることはありませんから、
仮に独身税で”結婚する人”が増えても、それが少子化の改善に
繋がる可能性は低いです。

そうなると今度は”子供がいない人に税金”と言いだす人も
いるかもしれませんが、
”結婚する”以上にハードルが高く、
なかなか”節税のために子供を作ろう”とは、ならないはずです。

子なし税みたいのを作ったところで、
子供を望む人は、元々作るでしょうし、
望まない人は、税のためだけに子供を作る可能性は
流石に低いでしょう。

副次的作用の方が大きく、リスクが高すぎる

独身税や、子なし税のようなものを作ってしまうと
下記のような副次的な作用・トラブルなども
考えられます。

・節税のための結婚などの増加(偽装結婚)
・育児放棄(節税のためだけに生まれた子供をまともに育児するのかどうか)
・若者の更なる貧困化(※年齢制限や所得制限をなしで課税してしまった場合)
・独身者の不満の高まり(※最悪の場合、親子連れなどを狙う事件などのリスクが高まる)
・独身者と既婚者の分断(※ネットなどで言い合いが始まるのは、火を見るより明らか)

このような問題点ばかりが、恐らくは膨らんでいき、
未婚率の改善にも、少子化の改善にも
”独身税”では大した効果を発揮することはできず、
寧ろ、↑の状況次第では逆に悪化する可能性もあります。

高いリスクを天秤にかけてまで導入するほどの施策とは言えません。

まとめ

独身税で少子化は改善しません。

仮に、奇跡的に全てが上手く行ったとしても、
そこまで爆発的に結婚する人が増えて
爆発的に子供が増えるか?と言われれば
それは無理があります。

せいぜい、”全て理想通りに進み、一番良い結果になったとしても”
少子化の速度をわずかに落とすぐらいが限界でしょう。

それに伴う不平不満などは必ず生まれますし、
子連れの親子を憎んでしまうような人も必ず出てきます。

社会をギスギスした空気にしてしまうだけですし、
少子化対策という観点で考えても、
独身税は有効的な施策とは言えません。

今後も、導入される可能性は、限りなく低いでしょう。

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