小さい地震がたくさん来れば大きな地震が来なくなるって本当?

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地震は恐ろしいものです。
どうあがいたとしても、
人間にはどうすることもできない自然災害の一つですよね。
備えをして、対策をすることはできても、
根本的な発生を抑えることは人間にはできませんし、
発生地点を予想することはできても、正確に予知することは
できません。

今までの地震を見てもそうですが”想定外”の連続ですよね。

そして、地震でよく言われることの一つが
「小さな地震がたくさん起きていれば、大きな地震が起きない」と
言うもの。

果たしてこれは、本当の話だと思いますか?

今回は、この話について、書いていきます!

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小さな地震があれば、大きな地震が来ないというのは…

小さな地震がたくさん起きているということは、
その分、溜まっている地震のエネルギーが放出されていると
いうことなので、大きな地震が来なくなるのではないか?
少しずつガス抜きの要領でエネルギーは減っていくのではないか。

そう思う人も居ると思います。
よく、ネットのコメントなどでも見かけますし、
仕事場の同僚もそういっていました。

ですが、残念ながら、それは間違えです。
私も、そうあって欲しいとは思いますが、
地震はそんなに甘くないのです…。

ソレは何故なのか。
地震学のページではないので、難しい話にせず、
簡単に説明していきたいと思います

※小さい地震以外の記事は
地震関連記事の一覧からご覧ください!

エネルギーのお話

まず、地震の規模を現す数値「マグニチュード」のお話ですが、
例えば、マグニチュード1の地震とマグニチュード2の地震が
あったとします。

そして、数字上で見ると、1の2倍が2ですよね。

ですが、地震のエネルギーはそう単純な話ではなく、
マグニチュード2は、マグニチュード1の2倍のエネルギー、
というわけではありません。
マグニチュードの数値が1上がるだけでも、
エネルギーは相当な倍数(約30倍と言われています)に膨れ上がります。

単純に、マグニチュード1の2倍のエネルギーが
マグニチュード2!だとか、そういうお話ではないのです。

ちなみに、震度は地震のエネルギーを表す数値ではありません。
これは、各地での揺れの強さを表す数字です。
もちろん、元々の地震の規模(マグニチュード)が高ければ高いほど
震度も高くなりやすいですが、
あくまでも「その地点の揺れ」の度合いを示す数字なので、
地震のエネルギー自体の数字ではありません。

簡単に言うならば
マグニチュード=地震そのものの規模
震度=各地の揺れの強さ
ということですね。

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エネルギーを小さい地震だけで放出するのは…

小さい地震で、エネルギーを放出することはできるのか。
残念ながら、それはできません。
純粋に、マグニチュード3の地震が2回来れば、
マグニチュード6相当のエネルギーが消費される、
などというお話ではありません。

マグニチュード5の地震で、マグニチュード7相当の
エネルギーを放出するのには、1000回以上、
マグニチュード5の地震が起きなければいけないのです。
マグニチュード4や3の地震であれば、もっと必要になります。

毎日1回、マグニチュード5の地震が来たとしても
マグニチュード7の地震1回分のエネルギーを放出するのに
3年もかかってしまう、ということです。

現実的に考えてこれは不可能ですよね。
それほどまでに大きな地震のエネルギーは
とてつもないエネルギーだということですし、
ポツポツ地震が来ている程度ではガス抜きに
すらなっていません。

小さな地震が来ても、
大きな地震が来なくなる、ということは現実的に
考えれば、ないということですね

数十回程度の小さな地震では意味が無い

仮に、1日に10回同じ場所で小さな地震が来たとしましょう。
そうすると、エネルギーが発散されている、と感じるかもしれません。
ですが、実際のところは、10回程度の地震では
何のエネルギー放出にもなりません。
例え、10回全部がM5(そんなことはあり得ませんが)が来たとしても、
M7相当分のエネルギーには遠く及ばず、M8やM9となれば
M5の10回など、塵にも等しいエネルギーです。

もちろん、これが毎日続けば、エネルギーは放出されていきますが
現実的に考えてそんなことはあり得ません。
なので、基本的には”最近地震多いなぁ”程度の地震では、
エネルギーを抜くことなどできておらず、
”大きな地震が来なくなる”というのは間違えなのです。

逆に警戒が必要

小さな地震が頻発している場合は、エネルギーが抜けていっている、
ではなく、逆に警戒が必要です。
それだけ、周囲の地震活動が活発になっている、ということですから
大きな地震を誘発してしまう可能性も十分に考えられますし、
大きな地震の前震である可能性もあります
(東日本大震災などの直前にも地震が頻発していました)

上だけ見ると、不安を感じるかもしれませんので、ちゃんと書いておきますが
地震が頻発していても、必ず大きな地震に繋がるわけでもありません。
実際に、1日に同じ場所で何度も地震が来ていても、大きな地震にはならずに
終わっているケースも多いですし、むしろその方が多いでしょう。
ですから、心配しすぎる必要は無いのですが、
”エネルギー抜きにはなっていない”ということは覚えておきましょう!

常日頃から、備えは大切なのです。

まとめ

小さい地震が来ていれば、安心、というのは間違えです。
エネルギーを小さい地震で放出しきることはできません。

小さい地震が頻発していても、大きな地震に繋がることもあれば、
逆に地震が全く来ていなくても、大きな地震に繋がることはあります。
人間にとっては予測不可能の世界ですから、しっかりと備えはしておきましょう!

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