プレイステーションMoveが失敗に終わった理由は?その理由を解説!

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プレイステーションMoveは
プレイステーション3の周辺機器として、
2010年に発売された商品です。

当時、任天堂の競合機・Wiiが、
直感的な操作を売りにした「Wiiリモコン」で大ブレイクしており、
そんなWiiリモコンと同じように
直感的操作で楽しめる周辺機器が登場した形でした。

しかし、このプレイステーションMoveはヒットを記録することができないまま、
実際に当時、私は販売店で勤務していましたが
”滞留在庫”(売れ残り)になってしまっている…というのが実情でした。

では、どうしてプレイステーションMoveはブレイクしなかったのでしょうか。
この点について解説していきます。

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Wiiのようにブレイクできず…

プレイステーションMoveは発売直後から
あまり良い売上という感じではなく、
実際に発売当時も販売店に勤務していましたが
あまり予約も入らず、発売当日も話題性に欠けていた、というのが
現実でした。

2006年12月に発売された任天堂の「Wii」は
大ブレイクしていて、任天堂の歴代ハードの中でも
高い売上を記録、久しぶりにプレイステーションを追い抜くなどの
好調さを見せていましたが、
Moveに関してはそうなることはできませんでした。

では、どうして上手く行かなかったのでしょうか。

既にブームが過ぎ去りつつある時期に発売された

まず、プレイステーションMoveがあまりブレイクできなかった
理由の一つとして考えられるのが
”既にブームが過ぎ去りつつある時期に発売”されたことですね。

任天堂のWiiは確かに大ブレイクしていましたが、
発売が2006年の12月で、
それから約4年間、Wiiリモコンは世の中に
出回っていたことになります。

Wiiは、後半は売上ペースがかなり失速していたのも特徴で、
Wiiリモコンによる直感的操作のブームも
2010年の後半には既に落ち着きつつある状態でした。

つまり、”こういうタイプのもの”のブームが
既に終わりつつある時期に、
プレイステーションMoveを発売してしまったことになり、
”今更感”が市場にもユーザーにもあったことは否めません。

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必ず必要な周辺機器ではなく、対応ソフトも少ない

WiiのWiiリモコンは”Wiiの標準コントローラー”であったため、
クラシックコントローラー(従来のコントローラータイプのもの)に
対応していないゲームはイヤでもWiiリモコンで遊ぶ必要がありましたし、
当然、Wiiリモコン専用のゲームも大量に登場していました。

しかし、プレイステーションMoveはあくまでも
”コントローラー”として登場したわけではなく
”オプションの周辺機器”として登場しただけであり、
簡単に言えば”あってもなくてもPS3で遊べる”ものでした。

また、対応ソフトに関しても、
Wiiのように「ほぼ全てのソフトで使える」わけではなく
「一部のプレイステーションMove対応ソフトのみ」に使える
周辺機器であったため、使い道が限られていることも
売上不振の理由の一つであったかと考えられます。

専用ソフトの数が少なく、ラインナップも弱い

厳しい言い方ですが、
プレイステーションMove専用として発売されたソフトは
”少なく”、しかも、”対応”ソフトはそれなりにありましたが
”専用”ソフトは、大作ゲームは少なく、
どちらかと言うと”Moveの為に作ったミニゲーム”的なゲームが
ほとんどでした。

大作タイトルに関しては通常のコントローラーでも遊べるものが
ほとんどで、Move専用ソフトを見てもらえると分かりますが
本当に”ミニゲームっぽいモノ”が多いです。

そうなってくると、当然”なくてもいいや”というユーザーが多くなり
その結果、売上に繋がらなかったものと考えられます。

極端な話(ソフト自体の売上が落ちるのでメーカーは嫌がると思いますが)
ファイナルファンタジーだとか、バイオハザードだとか、無双シリーズだとか
そういったものが次々とVR専用で出ていれば、
もう少し売上を記録できた可能性は十分にあります。

ただ、”Moveは売れていない”=”Move専用で出したら売れない”ことは
ソフトメーカーも分かるわけで、
余計にMove専用ソフトが減っていき、悪循環に陥り、
売上も回復できなかった、というのが現実になるでしょう。

この場合、ハードメーカー(プレステの場合はSONY)が、
売上度外視で、周辺機器を引っ張るようなソフトを
出さなくてはいけませんが、
それもできなかったために、上手く行かず…という結果に終わりました。
(数自体はSONYからそれなりに出ていたのですが
SONY自体、任天堂とは逆方向で”自社タイトルが強い”ではなく
”他社タイトルでハードを売っていく”感じなので、
自社タイトルだけで周辺機器を引っ張る、ということとは、相性が悪いメーカーで
あるのも確かです

ユーザー層とあまり合わない

任天堂ハードは、どちらかと言うと一般層・ファミリー層など、
ライトユーザーと呼ばれるユーザー層が多い傾向にあり、
プレイステーション系は、逆に最近は特にコアユーザーが多くなりつつある
ハードです。

こういった”いつもと違う遊び”を好むのはどちらかと言うと
ライト層の方が多く、
プレイステーションのメインの層であるコア層からしてみると
あまり、マッチングしない周辺機器であるのも事実です。

どちらかと言うと、振ったりして遊ぶのはみんなでワイワイ、
というイメージもありますし、
プレイステーションとはそもそも相性が悪いのです。

実際、Move向けにパーティゲームなども発売しましたが
Wiiで発売された任天堂のパーティ系のゲームとは
100万本単位での売上差がついてしまっており、
スポーツゲームに関しても、
Move専用スポーツゲームの「スポーツチャンピオン」と
Wiiの「Wiiスポーツ」では100万本以上の売上差が
出来てしまっています。

これは、ユーザー層とのミスマッチが大きな原因でしょうから、
プレイステーションにそもそもこういった周辺機器は
マッチングしない、ということも失敗の原因と考えられます。

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アピール不足

Move発売前には、それなりにメーカーのアピールもありましたが
やはり、有効的にアピールできていない印象が当時、ありましたし、
こういったものは”ファミリー層”にとにかくアピールすべきでしたが
それが上手くできていないように感じました。

こういったものを世に出す場合、
やはり任天堂のような”家族が買うようなアピール”を捻じ込む必要が
あったのではないでしょうか。

VRと絡めるも、今度はVRが上手く行かず

その後、プレイステーションMoveは
プレイステーションVRに絡めて活用できるようになりましたが、
残念ながら、このVR自体もあまりゲーム機の周辺機器としては普及せず、
続けて登場したプレイステーションVR2も同じ状況になってしまっています。

やはり、VRも”専用ソフト”不足が原因の一つで、
Moveと同じように”専用ソフトが少ない”=売れない⇒”売れないから専用ソフトを出したくないの
悪循環にはまっている状態です。

かつ、VR2はゲーム機の周辺機器としては高すぎる価格設定も
普及の妨げになっている状態ですね。

まとめ

プレイステーションMoveは残念ながら
大ヒットを記録することはありませんでした。

ただ、そもそもこういったものはPSのユーザー層とは
あまり合わないので、
変に競合機を意識せず、
プレイステーションはプレイステーションの、
逆に任天堂ハードは任天堂ハードの良いところを
伸ばしていくことが、ベストではないかと思います。

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