ゲーム利用時間制限は、ゲーム依存対策にはならない。

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香川県でゲームや
インターネットの依存に関する
「ゲーム利用時間制限」の県条例の
制定を目指しているという
ニュースがありました。

この件を踏まえて
「ゲームの利用時間制限」は、ゲーム依存対策にはならない、
ということをお話します。

元ブラック企業勤務の立場から言わせてもらえば
「そんなことより、他にやることがあるでしょう?」というのが
本音です。

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どのような条例?

(下記は、香川県の素案のお話です↓)
実際に制定されることが決まったわけではなく
素案が示された、という段階で
パブリックコメントなどを募った上で、
ということになるので
おそらく実際に制定されることはないのではないかと考えます。

が、一応言われていることとしては
ゲーム依存やネット依存の対策のひとつとして
考えられているもので
高校生以下の子供を対象に、
平日は60分、休日は90分の
ゲーム利用時間制限を設けるという
ものになっています。
ただし、罰則は存在せず、
あくまでも保護者や学校を通して
守るように促す、というものですね。

ただ、ある程度考えればわかると思いますが
ゲームを擁護、嫌い、関係なく、
これはさすがに効果がないことは
分かると思いますし、
他にもっとやるべきことがあるでしょ?と
いう話になりますね。
問題点をお話していきましょう。

効果はない

断言します。
この条例では、ゲーム依存などに対する
効果は全くありません。
条例を決めている人たちが
自己満足しているだけでしょう。

まず、このような規制を行わずとも
ゲーム依存になる人はなりますし
ならない人はなりません。
そもそも、何事に関しても
”依存”をするのは
依存する側の本人の意識、および
その周囲の環境が招くものであり
ゲーム自体が悪い、ということではありません。

これはゲーム以外に関しても言えることで、
何に対する依存も、最終的には
本人の意識と、その周囲の環境によるものです。

もしも本気で対策しようと考えているのであれば
普通は、時間制限という考えには
たどり着かないかと思います。

上でも書いた通り罰則はありません。
”誰にも相手にされず”
消えていくのが目に見えています。

もちろん、罰則を設けることは
絶対に不可能です。
ゲームをどのぐらいの時間
プレイしたのか、なんて確認することは
ご家庭の外から行うことは不可能ですし
もし行うのであれば、
それこそ監視カメラで全家庭を監視
するような世界になるでしょう。
それは、あり得ません。

また、個人の趣味云々に口出しをし、
罰則を設けることは、逆にそれが
問題になるはずですから、不可能でしょう。

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考えが古臭い

この条例に関しては
残念ですが、考え方が古臭すぎる、という
ことが言えます。

議会の映像を見ましたが
正直、かなり平均年齢が高そうです。
あれで全員ではないのかもしれませんが
残念ながら時代遅れの考えが
蔓延しているのかな?という風にしか思えません。

社会において”いつまでも古い考えでいる”という
ことはこの条例云々に関係なく”毒”です。
少しは時代についていくことも、
こういう公の仕事をしている人には
必須の努力です。

ほかにするべきことが?

他にするべきことがあるのではないか?と
いう声が上がっているのも事実です。
これは、そういわれてしまっても仕方のないことですね。

サービス残業などの対策も進んでいませんし、
確かに、ゲーム云々よりも、そちらのほうを
優先するべきではないかと、
元ブラック企業勤務の私から見ても、
そう思います。
過酷な残業や労働環境で命を落としたり
精神的に壊れてしまう人間は
ゲーム云々よりもはるかに多いですから、
まず、こちらのほうを何とかすべきであると
経験者からはそう思いますし、
そうするべきであると思います。

また、ゲーム依存に本気で取り掛かるのであれば
方法を間違っています。
これでは何の効果もありませんし、
反発を招くだけです。

まず理解すべきこと・考えるべきこと

この素案に関係する人間がまず理解すべきことは、
”ゲームそのものが毒というわけではない”ということです。

そして、
・依存に陥るのは本人の性格と環境次第
・今の時代のゲームやゲーム以外のネット関係のこと
・条例を仮に制定した場合どうなるのか
・他に優先するべきことがおろそかになっていないかどうか
・自己満足になっていないか?
・自分の好き嫌いで判断していないか?

をじっくりと、頭を冷やし、考えていきましょう。
また、ゲームというものを知らないのであれば
脳トレでもなんでもよいので、
まず触れてみて、偏見を捨てることです。

ゲーム依存の対策をするならば
まずゲームを知ることです。

そして、規制という形ではなく、
しっかりと頭を使って考えることです。

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もし制定すれば?

おそらく批判されますし、
そのまま条例はスルーされます。
付き合ってられない!という感じに
なるだけでしょう。
パブリックコメントでも批判が
寄せられると思いますし、
苦情の電話も来るはずです。

子供の楽しみを奪うことで
ふさぎこむ子供や
ストレスをためる子供も
出てくると思いますし
ゲームに関係する仕事に
携わる人間に対する妨害行為にも
なりますから、
効果がないだけでなく
マイナス面が目立つ結果になります。

まとめ

今回の件に限ったことではないですが
お偉いさんは、ネットやデジタル関係だと特に、
なぜか問題が起きているものを
「全部規制してしまえ」という安直な考えしか
できないように思います。

ゲーム依存が問題になればゲームそのものを、
海賊版が問題になればスクリーンショット自体を、
cookieが悪用されれば、cookieそのものを。

物事を決める人たちがネット社会に対応
できていないように思います。
取り決めをする側の人間こそ
時代の最先端についてくるべきであり、
いつまでも古い考えではいけないのです。

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