国内で「外出禁止」は厳しい。日本でもしも実施する場合どうなる?

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感染症対策などのために
国内で「外出禁止」を行うことはできるのかどうか。

「法律面」と「現実面」を考えていきたいと思います。

日本では、現時点では法律上、外出を禁止するような
法律はなく、俗に言う「ロックダウン」のような行為は
出来ませんが、
万が一、今後可能になったとしても
「実際に外出禁止に出来るのかどうか」は、
また別問題です。

例えば、法律上可能になっても
「一歩も家から出てはいけない」なんてことを
やってしまったら、
買い物も行けず、物流も止まり、ライフラインも止まり、と
地獄になってしまいますよね。

ですので、これはどこの国でもそうですが
”全面的に外出禁止”をすることはできません。
それを知ってしまったら世の中が壊れてしまいます。

では、日本国内の場合は、どのような外出を禁止できるのか、
どのような外出は禁止するのが難しいのか、
その点を考えてみたいと思います。

こちらは、あくまでも「考察」になりますので、
実際にそういったことが行われる際は、
行政機関等の発表内容をしっかりと確認し、
対応してください。

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「法律」と「現実」の壁

国内で、感染症対策など、何らかの理由で
外出禁止にする場合は、
二つの壁が存在します。

ひとつは「法律」
もうひとつが「現実」です。

法律に関しては外出を制限できる法律が
日本には現時点(2021/08)で存在していないため、
もしもそれをやるのであれば、法律を作る必要があります。
これをしない限り、具体的な話に進むことはありません。

もう一つが「現実」です。
例え、法律上で可能になっても、上で書いたように
「現実面」を見ないで外出禁止にすれば大変なことになります。
そのため「この理由による外出はOK」という線引きが
必要になってきます。

その”線引き”の部分がどうなるか、という点を含め、
詳しく考えていきましょう。

生活必需品の「買い物」による外出は禁止できない

これは、外出禁止(ロックダウン)などが行われた
どの国でもそうで、生活必需品の買い出しなどによる
外出は禁止できません。
これまで禁止してしまっては、大変なことになります。

ですので、条件(同時に外出する人数など)はあったとしても、
日本国内で外出禁止にする際などにも、
当然、「生活必需品の買い物」は例外となるでしょう。

スーパーや、そのほか生活に必要な日用品、
常備薬、ないと生活に支障の出るような家電…
こういったものに関しては、仮に国内で外出禁止に
するようなことがあっても例外となるでしょう。

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「通院」による外出は禁止できない

これを禁止してしまったら大変なことになりますね。

世の中に持病を持つ人は多く存在します。

特に、日本の場合は、保険制度などが充実しているため
海外よりも通院している人は多い部類に入ります。

その”通院に伴う外出”を禁止してしまった場合は、
体調を崩してしまう人や、
最悪の場合、命に関わるような人も出てきてしまいます。

そのため、国内で外出禁止をする場合でも
通院に関係するものを禁止することはできません。

これは、他の各国も基本的には同じことです。

「仕事」による外出を禁止するのは現実的には難しい

仕事による外出を禁止するのは、
現実的には非常に厳しいと思われます。

まず”全面禁止”は絶対に不可能です。
これは実際に外出禁止を行った諸外国でもそうで、
例えば、「病院」だとか「物流」だとか「ライフラインに関係する仕事」だとか
「交通」だとか、そういう業界で働いている人たちまで
外出禁止にしてしまったら、どうなるかは、皆様も
すぐに分かることだと思います。

病院関係者を外出禁止にすれば
病院が閉まり、犠牲者が出るでしょうし、
物流関係者を外出禁止にしたら
お店の商品棚は空っぽになり、大混乱が起きます。

ライフラインは水・電気など命に直結しますし、
交通を止めてしまえば、↑のような業界で働く人たちが
移動できなくなってしまいます。

ですので、こういった職種の方は、そもそも外出禁止には
出来ません。

では、他の仕事はどうなのか。
諸外国では、最低限の仕事以外はテレワーク、という
ところもあります。

が、日本ではどうか。

これは”かなり厳しい”というのが答えになるかと思います。

テレワークの普及率はお世辞にも良いとは言えませんし、
業種によってはテレワークが不可能な業種もたくさん存在しています。

しかし、だからと言って”生活に必須な業種以外外出禁止!”と
してしまうと、当然、収入が減ったり、無くなったりしてしまう人が
大幅に増えることになります。

世の中には”1か月の収入を毎月ギリギリで生活している”人も
存在しており、例えば”1か月収入が減ったり、無くなったり”するだけで
生活できなくなってしまう人も大勢存在しています。

「仕事なくなると生活できなくなる」⇒「外出禁止で仕事できない」と
なると、どうすることもできなくなってしまうわけですね。

そういう人は、案外、多いのです。

それを放置しておくと、当然大変なことになってしまいますから
「仕事の外出は認める」か「補償をする」必要が生じて来るのですが、
ここで問題なのが

”1か月収入が減ったり、無くなったり”するだけで
生活できなくなってしまう人

の存在です。
この人たちが悪い、ということではなく、
この人たちを救うためには
「収入の100%」を「普段と同じタイミングまでに補償する」必要があります。

1か月の収入が少しでも減ったり、
振り込みが遅れたりするだけで破綻してしまう人は、
本当に世の中にたくさんいます。

が、現実的に「100%を先払いで補償」が出来るとは、残念ながら
思えませんので、
そうなってくると「仕事に伴う外出を禁止するのは難しい」というのが
現実かと思います。

貯金はない人もたくさんいます。
簡単に「生活保護を受けなさい」というのもまた違いますし、
色々なモノが崩れてしまいます。

かといって”自己責任”とこの人たちを切り捨てれば、
困窮する人、自ら命を絶ってしまう人、無敵の人などを増やすことになり、
これでは、社会が崩壊してしまいます。

国内では、現実的に、仕事に伴う外出を禁止するのは、困難に等しいと言えます。

一律給付も、例えば30万給付しても「普段手取り40万で支払いぎりぎり」みたいな人も
いるため、一律だと破綻してしまう人がいます。
そのため「100%収入補償+先払い」しか方法はないのですが
それも厳しいですからね…。

厳しい罰則は難しい

日本で外出禁止をする場合も、厳しい罰則をつけることは
現実的には難しいと考えられます。

理由として「不満の爆発のリスク」が挙げられます。

既に長引く自粛で、不満を抱いている人は一定数存在しており、
(これはコロナ禍の話なので、収束後は関係ないですが)
そこに、強い罰則を持ちだすと、
最悪の場合「事件沙汰」な出来事に発展したり
「外出禁止破りが続出して、罰則を適応すると、大変なことになったり」
するリスクが考えられます。

国外では厳しい対応も行われていますが
国内の場合「罰則をつけても形骸化する」か
「努力義務レベルで罰則規定はない」か、の
どちらかになる可能性が高そうです。

まとめ

外出の全面禁止はできません。
他国のように、買い物や通院、最低限の仕事は当然外出OKに
なると思いますし、
上では挙げませんでしたが、銀行や不要不急の外出に関してもOKとなるでしょう。
「運動」も、条件付きで海外でも認められているため、
国内で実施する場合も、認められるはずです。

その上で、国内特有の事情として
「ライフラインに関わる仕事以外の仕事の外出」は
認めざるを得ない可能性が高いですし、
「厳しい罰則」は難しい、というのが現実かと思います。

外出禁止を法律で可能にしても
現実的に「他国のような厳しい対応」は難しいかと思いますね。

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