「遊戯王R」とは何か。
遊戯王の中には色々なシリーズが存在していますが、
最近見始めた方や、これから見ようとしている方、
知っているけどそこまで詳しくない人からしてみると、
何が何だか分からない!という人も多いと思います。
そんな遊戯王には漫画版も数多くの作品がありますが
その中でも、初代遊戯王の世界観を唯一直接継承し、
登場人物も”同じ”キャラクターたちが登場しているのが
「遊戯王R」と呼ばれる作品です。
この遊戯王Rとは何か、時系列はどこなのか、
普通の遊戯王と何が違うのか、この点について詳しく
解説していきます。
なお、これ以外の遊戯王については
⇒これから遊戯王を見る場合はどうすれば?の
記事を参考にしてみてください。
「遊戯王R」ってなに?
遊戯王Rは月刊誌の「Vジャンプ」に連載された作品で、
2004年6月号~2008年2月号にわたり連載されました。
単行本は全5巻で発売されている作品です。
遊戯王の原作者である高橋 和希さんは
原案・監修を務めていて、
漫画自体はアシスタントの経験を持つ伊藤 彰さんが
担当しています。
なので、漫画自体を描いている人は原作の方とは
違うのですが、
実際にアシスタントを務めていただけあって、
大きな違和感がないまま楽しめる作品に仕上がっています。
リメイクなの?新作なの?
「R」と言うと、「リメイク」なの?と思う人もいると思いますが
遊戯王Rの「R」は作中の敵が企てる計画にも関係する
「リバース」の「R」で、リメイクではありません。
実際に物語自体は原作「遊戯王」で描かれた話を
描くわけではなく、
原作では描かれなかった遊戯(主人公)たちの戦いを
描く作品になっていて、
内容自体は完全な新作となっています。
原作の遊戯王(全38巻)では描かれていない内容なので、
全巻読んだ人でも楽しむことができる作品に仕上がっています。
時系列はどのあたりなの?
遊戯王Rは原作の「バトルシティ編」終了後、
「記憶編」が始まるまでの間に起きた出来事を描いている作品です。
原作で言うと、第31巻終了後、第32巻開始前に起きた物語ということに
なりますね。(※文庫版などの場合巻数が異なります)
内容自体は、31巻まで読み終えていれば全然問題なく
楽しめる内容になっているので、32巻以降は未読であっても大丈夫な内容に
なっています。
なお、バトルシティ~記憶編の”間”に起きたとされるお話は
アニメオリジナルや映画でも多く描かれていて、
アニメでは「ドーマ編」と「KCグランプリ編」、
映画では「光のピラミッド」が、その隙間にあったとされる出来事に
なっています。
ただ、これらとの順番は不明であるのと、
「漫画」と「アニメ版」はパラレルワールド扱いになっていて、
「遊戯王R」でも重要な役割を果たすペガサスというキャラクターは
漫画版では既に故人となっていて、
アニメ版では存命であるために、
漫画版の31巻のあとを描く遊戯王Rではペガサスは既に
この世にいない、ということになっています。
アニメ版ではドーマ編や光のピラミッドでも普通にペガサスは
出て来ていたので、
このあたりはアニメと漫画で異なる設定になっています。
原作を読んだことが無くても楽しめるの?
遊戯王シリーズは色々と存在しており、
例えば第2作の「遊戯王GX」から、だとか、
第5作の「遊戯王アークファイブ」から、だとか、
そういう見方であれば問題ありませんが、
遊戯王Rの場合は”原作の途中のお話”を描くので、
いきなり遊戯王Rを読むと分からない部分も多く、
混乱する可能性があります。
と、言うのも、あくまでも遊戯王第31巻終了後の話を
描いているので、実際のところ
”遊戯王32巻”に等しいような内容となっており、
続きものと考えても良いような内容です。
遊戯王の基本的な物語や関係性をある程度理解していれば
大丈夫ではありますが、
全く初代遊戯王のことを知らない状態から読むのは
なかなか難易度が高いので、その点は注意をし、
読む場合は先に初代遊戯王の漫画(できれば31巻まで)か
アニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」のバトルシティ編まで(第143話まで)を
見ておくと分かりやすいと思います。
前述の通り、アニメ版は少し設定が違うところもありますが
そこは割り切って見れば全然大丈夫だと思うので
漫画またはアニメ版を先に見ておくと、良いのではないかと思います。
絵柄に違和感はないの?
本作の作画担当は、原作の作者の方ではありませんが、
前述した通り、そこまで強い違和感はなく、
自然と読むことができるレベルで、
”この絵じゃ楽しめない…”とか、そんな風に感じてしまう人は
滅多にいないと思います。
もちろん、絵の”違い”は分かる部分はありますし、
原作の遊戯王を第31巻まで読んで来ていれば
”全く違いが分からない”ということはないとは思いますが
そもそも、原作遊戯王自体、第1巻から第31巻まで読むと分かりますが
初期(特に第3巻ぐらいまで)はかなりキャラクターの絵柄が
変わっていて、”その変化”と比べるとはるかに似ているので、
原作漫画を読んできた人にとっては全然気にならないと思います。
例えば、原作31巻と「原作1巻」「遊戯王R」どっちが、
原作31巻の時点の絵と似ているか?と言われれば
圧倒的に「遊戯王R」ですし、
アニメの遊戯王と絵柄が似ているのも
「原作第1巻」と「遊戯王R」を比べれば
圧倒的に「遊戯王R」です。
ですので、絵柄の違いは分かるには分かるのですが
全く気にすることなく、楽しむことができるかと思います。
遊戯王Rはアニメ化されているの?
遊戯王Rは残念ながら現時点では
アニメ化されておらず、今から遊戯王Rが
急にアニメ化される可能性は非常に低いのではないかと
考えられます。
原作に沿ったアニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」が
放送されている当時は、まだ遊戯王Rという作品は存在しておらず、
もしもバトルシティ編が終わった時点で、遊戯王Rが存在していれば
そのままアニメ化されたかもしれませんが
そんなことはなく、
そもそも、バトルシティ編が終わった時点で、
原作も第31巻ぐらいの場所で、追い付いてしまっていたような状態なので、
(遊戯王のアニメは、かなり何度も追い付いてしまっていました)
そのために乃亜編やドーマ編、KCグランプリ編と言った
アニメオリジナルのエピソードが何度も挿入されているという
流れでした。
ですので、アニメ放送当時は遊戯王Rはまだ存在しておらず、
それがアニメ化されることはありませんでした。
現在でも遊戯王シリーズの展開は続いていますが、
遊戯王R自体が終了してから、もう既に10年以上が
経過してしまっていることなどから、
遊戯王Rのアニメ化の可能性は
非常に低くなっているかと思います。
なお、遊戯王の漫画は、Vジャンプで他にも多数連載されましたが、
漫画版の物語が”アニメ化”されたことは現時点では、
最初の初代遊戯王以外はなく、Vジャンプ系の遊戯王のアニメ版は
今のところは存在していません。
まとめ
遊戯王Rは、初代遊戯王の第31巻から第32巻までの間に
起きたとされる物語を描いている作品です。
初代遊戯王を楽しめている人は
同じ感覚で楽しむことができる作品だと思いますし、
原作遊戯王の世界を広げる貴重な作品の一つなので、
アニメ化はされていませんが、
興味があれば、読んでみても良いのではないかと思います。
5巻で完結なのでそれほど長すぎず、
ちょうどいいサイズで読み切れるのではないでしょうか。