ゲーム機は定価が高すぎると普及しない!その理由とは…?

この記事は約6分で読めます。

世の中には、今までに多数のゲーム機が登場して、
販売されてきました。

その中には大ヒットした商品もあれば
残念ながらヒットとまでは言えないような状態で
終わってしまったハードもありますし、
”ある程度売れたものの、同じ時期に展開されていた
 別のハードには敵わなかった”ゲーム機など
色々なゲーム機が存在しています。

ゲーム機が幅広く普及するためには
ソフトラインナップや、本体の内容・スペックなど
色々な条件が重なってきますが、
非常に大事な要素の一つが”価格”になるのです。

過去の事例を見ると、高額なハードはあまり成功しておらず、
その世代のトップに立つのは難しいことが分かります。

特に、5万円を超えると、かなり普及の上では苦しくなり、
現時点で「5万円以上でトップに君臨したゲーム機」は
国内市場では存在していません。

その理由について、見ていきましょう。

スポンサーリンク

高額なハードはトップに立つのは厳しい

過去の事例を見ると
”その世代で高額なハード”は、普及台数で
トップに立つことは非常に難しい、というのが
現実です。

プレイステーション2は数少ない例外ですが、
この世代の他のゲーム機はいずれも別の要因で
躓いていたことや、DVD再生用の機械としても
注目されたこと、
高額と言っても「同時期に展開されているハードの中で高額」
ということであって、一応税抜きでは4万円を下回っていました。
上で書いたように「5万」のラインは下回っていたわけです。

高額ハードの失敗を特に示すのがプレイステーション3で、
発売当初は6万円越えと言うゲーム機としては
とんでもない価格設定であったことから
コアユーザー中心にしか普及せず、
PS2⇒PS3の世代交代にかなり苦戦しました。

この世代では任天堂のWii(2万5000円)に大きく後れを取りましたが、
終盤、PS3も値下げされて、だんだんと一般ユーザーの手に届く価格に
落ちてきたことからある程度は巻き返し、
終盤ではWiiをしのぐ勢い(結局追い付くことはできませんでしたが)と
なっていました。

このことから”価格”は非常に大事な要素であることが分かります。

「5万」の壁を超えると幅広く普及は困難

過去の事例を見ると「5万」の壁というものが
ゲーム機には存在しており、
定価が5万円を上回ってしまうと、普及していく上で
かなりのハンデとなってしまいます。

実際にプレイステーションで見てみると
PS1、PS2、PS4はある程度出だしから
それなりのスタートを切ることができており、
競合ハードを上回る普及を見せていますが、
一方で値下げ前のPS3と、品薄もあり苦しんだPS5は
価格が非常に高額のため、
競合ハードに後れを取った状態です。

また、さらに古い時代に目を向けると
「PC-FX(49800円)」「ネオジオ(58000円)」
「3DO(54800円※バリエーションによる)」
「ピピンアットマーク(49800円)」など、
5万を上回るようなハードは、いずれも
ある程度は普及したとしても、そこどまりで、
その時代のゲーム業界の中心になることは出来ていません。

また、上の例で挙げた「PC-FX」は他にも要因があったとは言え、
前世代の「PCエンジン」を大幅に下回る売上となりました。
加えて「ピピンアットマーク」に至っては
最も売れなかったゲーム機、と不名誉な肩書まで
ついてしまっています。

もちろん低価格ハードでも売れなかったものは
ありますが、ファミコン以降の
極端に売れていないハードを見ると
大抵の場合、価格が高いハードであることが多いのも確かです。

スポンサーリンク

高額になるとコアユーザー中心の普及になる

高額ハードになってしまうと、
何故幅広く普及するのが難しくなるのか。

その答えとしては
「コアユーザー」と呼ばれる、ゲームが好きだったり
強いこだわりを持っていたり、そういったユーザー中心の
普及になってしまい、
ファミリー層や、ちょっとゲームを遊びたいようなライトユーザーには
なかなか普及しなくなってしまうため、です。

ゲームが好きな人であれば、5万、6万も平気で出すことは
できると思いますが
例えば家族が子供と遊ぶのにゲーム機に5万を出すか?と言われると
なかなか出さないでしょうし、
子供のクリスマスプレゼントや誕生日プレゼントとしても
5万を超えるとなると、やはり高額です。

また、子供や学生さんが自分で購入するにしても
なかなかそこまで高額になってしまうと厳しいでしょう。

加えて、大人であっても、そのぐらいの高額になると
”たまにゲームで遊びたい”というぐらいの人の場合は
どうしても安価なハードに流れがちです。

そういった理由もあり、
高額ハード(特に5万を超えるようなもの)に関しては、
ライトユーザーやファミリー層と言った部分を
かなり逃すことになってしまうため、
そもそもターゲットにできる客の数が
安価なハードよりも減ってしまう、というのが
現実的なところです。

良いものでも定価はネックになる

高額ハードの”中身”を見てみると
確かにその時代、その時代ごとに良い部分が
あるのは事実ですし、
スペックも安価なハードに比べると高いことが
多いですが、
ゲーム機は「スペックが高い」=「売れる」ではなく、
むしろスペックが高いゲーム機は競合ハードに
負けているケースがこれまでの歴史上、
多いのです。

例えばPS3とWii、XBOX360の時代も
WiiだけがHD機ではなく、他2機種と比べると
性能的には低いのですが
この世代を制したのは「Wii」でしたし、
PS2やゲームキューブより先に発売された
「ドリームキャスト」は、当時のPS1やN64と比べても
高性能でしたが、それでも惨敗な結果に終わっています。

現代でも「スイッチ」「PS5」「XBOXSeries」の3機種では
スペックだけで言えばスイッチが一番低いのですが、
現時点ではスイッチが他2機種を圧倒している状態です。

このようにスペックは必ずしも、普及に結びつかず、
特に、PS5などのように高額ハードの場合
”スペックは良くてもそもそも高すぎる時点で興味を持ってもらえない”
と、いうことがライトユーザーなどを中心に起きるために
なかなか普及が進まなくなってしまうのです。

スペックが高くても、価格が高ければ
ユーザーは他のゲーム機に流れる、ということは
当然、あり得る話なのです。

バランス配分が難しい

ゲーム機は価格を上げすぎると普及しません。
それがどんなに良い製品で
”詳しい人から見て”「このスペックならこの価格は安い!」と
感じたとしても、
例えば5万を超えていれば世間からすると
”ゲーム機としては高い”だとか”高すぎ”という評価に
なってしまうわけです。

かと言って、スペックなどの部分を削減すると
今度はコアユーザーの方が不満を抱くでしょう。

ですので、バランス配分が大事にはなりますが、
このあたりは、非常に難しいところです。

そういった意味では、
コア寄りのPS・XBOX、全体向けのスイッチ、という形で役割分担
できている今のゲーム業界は、
それぞれが好きなものを選べますので、
良い環境と言えば、良い環境なのかもしれません。

まとめ

この先、ゲーム業界がどのように変化していくのかは
まだまだ分からない部分もたくさんありますが、
ゲーム機全体が高額になっていけば
ライトユーザー自体が”ゲームから離れる”結果を
招くことも考えられますので、
任天堂のように比較的低価格でハードを発売するような
メーカーは今後も必要でしょう。

現在ゲーム機を展開している
任天堂・ソニー・マイクロソフトの3社が
全てハイスペック路線に走ってしまい、価格が高騰するようなことがあれば
結果的にゲーム業界の衰退を招くことになりますからね。

タイトルとURLをコピーしました