ゲーム機本体は定価が安ければ売れるの?その答えは…?

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ゲーム機本体の”定価”は
ゲーム機普及において非常に重要な要素です。

過去には、高額な価格設定が原因で
伸び悩んだゲーム機も多く存在しますし、
現行機で言えばプレイステーション5も高額な価格設定が
普及の妨げになっているのは事実です。

では、ゲーム機は”安ければ”売れるのかどうか。
この点を過去の事例などを見つつ、
見て行きたいと思います。

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「安さ」だけでは売れない

「高い」と売れないのは過去の傾向から
明らかではありますが、
だからと言って”安ければ売れるのか”と言われると
”安い”だけでは売れません。

どんなに安くてもゲーム機としての特性がイマイチだったり、
ソフトが揃っていなかったり、
そういった欠点があれば、なかなか売上は伸びず、
逆に本体での利益も少なくなる(あるいは赤字)になったりして
さらにメーカー自身の首を絞める結果になってしまいます。

”安さ”も非常に重要な要素の一つではありますが
”安さだけでは売れない”というのも、
ゆるぎない事実です。

ただ、”価格が安い”ことは非常に有利に働くことも事実ですし、
過去には値下げに踏み切ったことで、普及が進んだハードも
存在するため
”安さだけでは売れない”というのも事実ですが、
安さは非常に大きな武器となるのも事実です。

過去には値下げで普及が進んだ事例も

ゲーム機本体の”価格”は非常に重要な要素の一つで、
それだけでは売れませんが
”他”が揃っている状態で値下げに踏み切れば、
普及を一気に推し進めることができるのも事実です。

実際に「プレイステーション3」は
当初、価格設定が非常に高額であったために
なかなか普及は進まず、PS1、PS2と続いた
据置機トップシェアの座をWiiに奪われましたが
値下げを繰り返すうちに普及が進み、
終盤ではその勢いを取り戻しています。
(Wiiに届きはしませんでしたが、かなり終盤は復活していた状態ですね)

また「ニンテンドー3DS」も、当初普及に苦戦していましたが
早い段階で大幅値下げに踏み切り、
結果的には成功したハードの仲間入りを果たすことができています。

このように、値下げによって価格を落とすことで
普及が進んだ事例もあるので”安い”ことは
普及を後押しする要素であることは間違いのないことです。

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安くても売れないハードも

ただし、最初にも書いた通り”安い”だけで売れるほど
ゲーム業界は甘くはなく、
”他の要素”も揃った上で安いハードが売れる、というのが現実です。

例えば「WiiU」は、当時の競合ハードよりも低価格で
販売されていましたが、ソフト不足から売上が伸びることはありませんでした。
任天堂ハードの場合、任天堂タイトルの充実が非常に重要ですが
WiiUの場合、最初の半年ぐらいはまるで任天堂がソフトを出せず、
そこでもう勝負がついてしまい、
後は”将来性のないハード”というイメージが定着してしまったのか、
終盤にスプラトゥーンやマリオメーカーなど、ヒット作を生み出しても
状況が変わることはありませんでした。
WiiUの場合、価格という条件は良かったものの”ソフト不足”が決定打となりました。

「XBOXSeries」の「S」も、高スペックハードとしては
PS5より圧倒的に安いのですが、これは国内では、売上が伸びない状態です。
こちらに関しては「XBOX」自体、国内では非常に苦戦している状況で
そのイメージが既に定着しきってしまっていて、国内では一般ユーザーには
特に、見向きもされないような状態になっているために、
伸びないものと考えられます。
XBOX360当時の国内ユーザーを意識したような展開をやめてしまったのも
原因の一つと言えそうです。

このように”安いだけ”では売れない事例も多々ありますが、
”安くても苦戦したハード”には、
他の原因がそれぞれ見受けられるために、
”安さ”+”他の大きな欠点がない状態”を作ることが
重要である、ということが言えます。

「安さ」だけではダメ。ただし「高い」とかなり不利になる

前述した通り、安さだけでは売れないのは事実です。

しかし”高ければ高いほど不利になる”というのも現実で、
国内の市場において、5万円前後の価格以上の
ハードがトップシェアに立ったことはなく、
いずれも苦戦を強いられている場合がほとんどです。

現行機で言うとプレイステーション5がそれにあたり、
品薄解消後はソフトも増えてきて、スペックに関しても
申し分ない状況ですが、
それでも伸び悩んでいる状況で、
競合機のニンテンドースイッチに未だにほとんどの週で
週間販売台数を下回り、
大作ソフトがそれなりに発売されても
ハード牽引効果が低く、大作ソフト自体の売上にも大きな影響が
出て居る状況です。
仮にPS5が値下げをすれば、この状況は一気に変わるぐらいに
価格は大きな影響を与える部分です。

PS3の初期もそうですし、
過去のマイナーなハードもそうですが
”高額な価格設定のハード”は、軒並み苦戦を強いられている状態で、
”安さ”だけでは普及は進まないものの、
”高すぎる”と他の要素が全て揃っていたとしても
”高い”だけで普及の妨げになってしまうのは
紛れもない事実です。

選択肢を作ることは大事

最近では、”高額なモデル”と”そうでないモデル”を
用意するようなケースも増えてきました。

このように”選択肢”があれば、
とにかく性能を重視する人は高額なモデルを、
そうでない人は、安いモデルを、という風に
”ユーザーが選ぶこと”ができるようになります。

しかし、プレイステーション5のように
(どうしても価格の悪い例がPS5になってしまうので、
PS5がたとえ話に出て来ることが多くなってしまいますが…)
”高額モデル”と”高額モデル”しかないような状態だと
ユーザーに選択肢がなくなってしまい、
結果的に”ユーザー層に偏りが生じる”ことになります。
これが、ソフト自体の売上にも大きく影響している原因であり、
PS4版がいつまでも発売される原因(移行が進まない)であるのは
紛れもない事実です。

”とりあえずソフトを遊べる安価なモデル”があれば、
お金がない人や、高額なゲーム機を買うのはちょっと、という人も
とりあえずそのゲーム機を手にしてソフトを買ってくれるのですが
選択肢が”高額”と”高額”では、そういったユーザーが食いついてこないので
結果的にハード自体が苦しくなってしまう、ということです。

XBOXは先ほども書いた通り、国内では展開(主に国内ユーザー向けのアピール不足が
原因と考えられます)の問題で高額モデルと低額モデルを用意しても
上手く行っていませんが、
switchのように高額(有機EL)と、通常、低額(Lite)と用意したり、
PS4時代のように高額(PRO)と通常を用意したりすれば、
ユーザーが自由に選ぶことができるようになるため、
結果的には高額のモデルも売れますし、
それなりに本体も普及して、ソフトの売上も維持できるようになりますし、
”安い”という選択肢があることは、やはりゲーム機にとっては
大事なことなのです。

特に”ゲーム”は、子供やファミリー層も遊ぶものですから、
”安さ”は、普及していく上でとても重要な要素になるのです。

まとめ

”安ければそれで良い”ということではありませんが、
展開していく上で”安さ”はとても大事なことです。

少なくとも、高額路線を進んでしまうと、
普及の大きな妨げになりますので、
最低限、”一般層も購入できるようなモデル”を用意しておく、
ということはゲーム機を展開していく上で
非常に重要な要素になるはずです。

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