執行停止とは?自由刑の執行が停止される場合も。その条件は?

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「執行停止」とは何か。

通常、何らかの罪を犯した人が
実刑判決を受ければ、
服役などで、自分の罪を償う必要が出てきます。

例えば、懲役5年などの判決が下れば、
原則的には、その間は服役する必要があるわけです。

しかしながら、一部で例外が存在しており
その一つが「執行停止」と呼ばれるものです。

これは、色々な理由から判断されるものですが、
場合によっては、例えば懲役5年になっても
刑務所などに収監されないケースもある、ということです。

「どうしてそんなルールがあるの?」
「どんな条件なの?」という疑問について
それぞれ解説していきます。

なお「執行停止」という言葉は色々なものに
対して使われますが
今回は自由刑(懲役や禁錮など)の執行に対する
執行停止について、お話していきます。

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「保釈」とは異なる

よく、有名人などが逮捕されると、
保釈金などを支払い、保釈されるような
ケースも存在しています。
ニュースで一度ぐらいは見たことがある人が
ほとんどですよね。

ですが、この執行停止と、保釈は別で、
執行停止=保釈ではありません。
これはまた別のものです。

保釈の場合は、その人ごとに決められた
保釈金を支払うことで釈放されることに
なりますが、執行停止の場合は、
保釈金などを支払う必要もなく、
そのまま釈放されることになります。

が、保釈とは異なり、対象となる人は
非常に少なく、自分から申請したり
そういったものではないので、
かなり”限られた範囲内”に絞られた人が
対象になるもので、
そう簡単に執行停止というものが
適用されることはありません。

どのような条件で執行停止になるの?

執行停止に関しては
刑事訴訟法に記述されており、
心神喪失の状態にある場合、回復まで刑の執行を停止する
ことが規定されているほか、
自由刑(懲役や禁錮など)の刑罰を受けたものが
特定の条件により、執行停止が行われることがあります。

※一つでも条件を満たせば無条件で執行停止が
行われるわけではなく、色々な面から判断された上で
執行停止の判断がなされます。
条件に当てはまれば当てはまるほど、
執行停止になる可能性が高まると言えます。

どのような条件があるのかと言うと
「年齢が70歳以上」という条件をはじめ、
刑が執行されることにより、健康状態に重大な懸念が生じる場合や
祖父母や両親が70歳以上や重病の場合で
他に介護する人間が存在しないような場合、
子供や孫などがおり、自分以外にその子供の世話ができる
人間がいない場合、などなど
色々な条件が規定されています。

もちろん、↑でも書いた通り、一つでも当てはまれば
無条件で執行停止、などということにはなりません。
そんなことをしてしまえば、
70歳以上の方は何でもやりたい放題になってしまいます。

ですので、あくまでも↑は目安であり、
総合的に判断されることになりますが、
このような条件などが規定されています。

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実際に執行停止になった事例はあるの?

これは、全体数としては少ないですが
毎年、数十件程度は平均して
執行停止という対応がとられています。

しかしながら、数十件という件数は
全体数からすればかなり少ない割合であり、
よほどの理由があった、と推測されますし、
簡単に執行停止の対応が行われる…
などということは、絶対にありません。

なお、過去には年間で100人以上の
(自由刑)執行停止が行われていたような時代も
あったとのことですが、
最近ではこの人数は減少傾向にあり、
より厳しい基準になっていることが
伺えます。

少なくとも、条件をひとつ満たした程度では
まず認められることはなく、
70歳以上で病気を持っているから…程度でも
簡単に認められることはないでしょう。

当然、自由刑を受けるということは
それなりのことはしているわけですし、
「はいそうですか」と、軽々執行停止に
なることはありません。

今では医療設備などが整った刑務所など、
設備面でも整ってきているために、
今後も執行停止に関しては、
さらに厳しくなる傾向にある…と言えそうです。

執行停止して大丈夫?再度問題を起こす可能性は?

これに関しては
何とも言えません。

執行猶予や保釈に関しても、
その危険性は0とは言えません。

人間がある程度の制限付きとは言え、
”自由”になっている以上、
何かを起こす可能性はありますし、
何も起こさない可能性もあります。

もっと言えば、今まで何も事件を
起こしていないような人間であっても
急に問題を起こす可能性だってありますし、
「人間」自体、絶対に問題を起こさない、などと
断言することはできない生き物です。

そのため、当然、執行停止についても
一定のリスクは伴うでしょう。
本人のことを考えずに、他の人の身の安全だけを
考えるのであれば、執行停止せずに、そのまま刑を執行したほうが、
本当のことを言えば、安全なのは確かです。

とは言え、執行停止になるのは「よほどのことがあれば」であり
条件的にも厳しい条件になりますから、
そこまで必要以上に心配しなくても大丈夫ですし、
明らかに「この人は出したら危険だ」という人を
ホイホイ出すようなことはありません。

まとめ

執行停止もそうですし、保釈もそうですが
人によっては「なんで悪いことをしているのに…」と
思う人もいるかとは思います。

しかし、そういうルールになっている以上、
嘆いても仕方のないことなので、
どのように感じていたとしても、受け入れるしかありません。

執行停止に関しては、高齢だと必ず停止される、とか
そういうことではありませんので、
その点は、しっかり覚えておきましょう。

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