PC-FXが失敗に終わった理由とは?好調を維持できなかった原因を解説!

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PCエンジンの後継機として
1994年に発売された「PC-FX」。

しかし、このPC-FXは売上的にも
かなり厳しい結果に終わり、
同世代のプレイステーション1やセガサターン、
NINTENDO64などには遠く及ばない結果に終わってしまったハードでした。

が、PC-FXの”先代”にあたる「PCエンジン」に関しては
スーパーファミコンやファミコンの牙城を崩すことは
できませんでしたが、
ファミコン以外のゲーム機の中ではそれなりに健闘した部類で、
販売台数も500万を超えるようなヒットを記録していたハードです。

にも関わらず、PC-FXの売上は約11万台と言われていて、
相当な下落が見て取れます。

どうしてPC-FXは失敗してしまったのか、
この点を解説していきたいと思います。

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PC-FXが失敗した理由は?

もちろん、ゲーム機が”失敗”に終わってしまう原因は
どのゲーム機の場合でも”一つ”ではなく、
複数の理由が絡み合ってくるものです。

PC-FXに関してもそうで、
色々な部分が積み重なって、競合機との戦いに敗れ、
早々に市場から姿を消してしまう、と、
そういう結果になってしまいました。

では、どうしてPCエンジン時代の勢いを
引き継ぐことはできなかったのか、
その点を解説していきたいと思います。

ソフトラインナップが充実しなかった

もちろん、ソフトはある程度は出てはいましたが、
同じ時期に発売されたプレイステーション1やセガサターンと
比べるとソフトラインナップが圧倒的に
見劣りする内容になっており、
タイトルの質もそうですし、タイトルの数も劣ってしまっている状態で、
質・量ともに他の競合機を下回ってしまっている状態でした。

ゲーム機の売れる・売れないにおいて
最重要となる要素の一つが、
”ソフト”です。

どんなに性能が良くても、どんなに斬新なアイデアがあっても、
ソフトがなければ、ハードとはただの塊でしかなく、何の役にも
立たないものです。

ですので、ハードのヒットにはソフトの充実が
何よりも重要になるのですが、
PC-FXに関しては発売直後からこのソフトラインナップを
あまり充実させることができないまま、
次第に発売されるソフトの数も減っていき、早い段階で
勝負がついてしまいました。

同じような傾向にあったハードとして、
後の任天堂の「WiiU」もそうでしたが、
WiiUも、任天堂のハードは”いかに早く任天堂のヒットタイトル”を
連続で投入できるかが鍵になるのにも関わらず、
発売から半年以上かかって3本しか任天堂タイトルを発売できず、
(しかも、パーティ系のものが2本)
WiiUも早い段階で勝負は決してしまった状況に陥っていました。

PC-FXも”ソフト不足”がまず、致命傷となったのは
間違いありません。

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価格が競合機よりも高額だった

1994年のほぼ同じ時期に発売された、
プレイステーション1、セガサターン、PC-FXですが、
このうちPS1は39800円、セガサターンは44800円、PC-FXは49800円という
価格設定でした。

価格が全て、とは言いませんが
ゲーム機は”価格”でもかなり左右される部分があるのは事実で、
これまでの日本のゲーム業界において
”その世代で一番高いゲーム機”が、トップに立ったケースは
非常に少なく、特に5万円前後を超えたハードは
軒並みその世代のトップに立つことはできずに、市場から
姿を消しています。

PS1とは1万円、セガサターンとは5000円差ですが
この”価格”も、かなり大きく響いたのは事実でしょう。

その後、早い段階で店頭価格は暴落しましたが
既にその時には手遅れの状態になっていましたし、
”最初に躓くと”巻き返しは非常に難しいので、
(現代までのゲーム機でも、最初に躓いて何とか巻き返したのは
 PS3や3DSなど、ごく一部のゲーム機のみです)

スタートダッシュが重要なゲーム機市場において、
”同じ時期に発売されるゲーム機の中で一番高い”スタートを
切ってしまったのは、致命的なミスと言えるでしょう。

価格面で躓いたゲーム機の代表例としては
「PS3」と「3DS」
(ただし、両ゲーム機共に大幅な値下げで何とか巻き返してはいます)や、
国内におけるプレイステーション5などが代表例と言えます。

特に、PS5は値上げを繰り返しており、国内では
以前として苦しい状況が続いています。

このように、ゲーム機は”価格”面が非常に重要な要素になるので、
PC-FXも競合機より高額での発売になってしまった点は、
非常に苦しい部分の一つであると言えます。

機能面の問題

PC-FXと同時期に発売されたプレイステーション1と
セガサターンには3DCGの機能が搭載されていましたが、
PC-FXにだけはそれがなく、
3Dのゲームなども登場するようになっていた時期に、
PC-FXだけは唯一遅れをとってしまうような、
そんな状況になりました。

これは、ソフト不足の原因の一つにも繋がったでしょうし、
他2ハードと違う、ということで、
PS1とセガサターンには発売されるけど、
PC-FXには出ない、みたいなソフトも多くなってしまい、
失敗の大きな要因の一つになったと考えられます。

勿論、任天堂のWiiやswitchのように、
”競合ハードより性能が低い”状態で発売しても、
競合ハードに打ち勝つことは状況によってはできるのですが、
Wiiやswitchの場合は
”競合機よりも価格が安い”ことや、
”ソフトが揃っている”という点がPC-FXとは決定的に
違っていました。

PC-FXの場合は、競合ハードよりも性能面で劣る部分があるだけではなく
競合ハードよりも価格も高く、
競合ハードよりもソフトも揃っていない、と
全ての要素が揃ってしまっており、
その結果、PCエンジンの成功が嘘のように”真逆”の転落を
辿ることになってしまいました。

ゲーム業界は性能が全てではなく、
実際に”その世代のゲーム機の中”で、性能一番高いハードが
トップに立つケースは少ないのですが、
(例えばWii、PS3、XBOX360の世代は一番性能が低いWiiが勝利していますし、
今もスイッチ、PS5、XBOXSeriesで、スイッチが性能だけ見れば一番低いですが
国内においてスイッチが他機種を圧倒している状態です)
とは言っても、その上価格も高いしソフトも少ないですよ、では
やはり厳しい、ということになるのです。

有効的な対策を打てなかった

出だしで躓き、早期に大幅の値下げを決断、
補填まで行い、何とか軌道修正した3DSや、
値下げや薄型の投入で、発売当初の高額路線を
何とか払拭して巻き返したPS3などとは違い、
PC-FXは最後まで有効的な対策を打つことが
できませんでした。

当時、アニメ戦略など色々な対策はしてはいましたが
どれも”有効的”と言える対策にはならず、
迷走とも言えるものが多く、結果的にPC-FXは
PCエンジンから大幅に販売台数も、ソフトの数も落とす結果に終わり、
結局、PCエンジンシリーズはここで終焉を迎える…
という結果になってしまいました。

大きく転ぶことで、ゲーム機からの撤退にも繋がってしまうという
一つの例になったとも言えます。

まとめ

もちろん、PC-FXにも魅力はありましたが
それを生かしきることはできず、
スタートダッシュで致命的な失敗をした上に、
有効的な対策も打てなかった…ということで
”かなり厳しい”結果に終わりました。

ここまで”前のハードから”人気が下落するケースは
他にあまり見ないので(台数の規模は違いますがWii⇒WiiUがそんな感じですが)
ハードの乗り換えの難しさを現した例とも言えますね。

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