混乱時に買い占めパニックを防ぐための報道とは?報道が煽ってはいけない。

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自然災害発生時や、
感染症拡大時など、
何らかの有事が起きると、
その都度、人々は何かを買い占めようとしたり、
パニックを起こして買う必要のないものを
大量に購入したりして、
”意味のない品薄”を引き起こしてしまうことがあります。

実際に過去にはそういった事例が何度もあり、
東日本大震災発生時や、2020年の感染症拡大時など、
複数回、そういったことが起きています。

世の中が冷静に行動すれば、
本来、発生しなくても良かった品薄が発生してしまい、
本来起きていること(例えば地震なら地震、感染症拡大なら感染症そのもの)とは
関係のない”人災”が起きてしまうのです。

それを助長してしまう原因の一つが”報道”で、
もちろん、悪意はないのだと思いますが、
例えば「こういったものを用意しましょう」などと過剰に
深刻に伝えた結果、買い占めを誘発してしまったり、
”スーパーでは〇〇が品薄に”みたいな報道を
空の商品棚の映像と共に報じたりして
”不安を煽る”結果になってしまい、
結果的に、その報道を見た人がさらに商品を買いに行ってしまい…
ということにも繋がります。

もちろん、ほとんどの番組は悪意があって
そういうことをしているのではないと思いますが
”結果的に”そういった映像を流したりすることが
品薄の助長、余計な混乱の助長に繋がることになってしまうのです。

では、”無駄な品薄や買い占めを起こさない為”には
どのような報道をする必要があるのでしょうか。

この点について、見ていきたいと思います。

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伝え方を工夫しないと、加害者になってしまう

自然災害など、何かが発生した際には、
”買い占め”などが起きる場合があります。
これに関連するニュースを報道することも、
もちろん大事なことだとは思いますが、
だからと言って、伝え方を何も工夫せずに
報じれば、
逆に”品薄を悪化させる”ことになってしまったり、
”更なる混乱”を引き起こしたりしてしまうことにも繋がります。

つまりは、”加害者”になってしまうことがある、
というわけです。

報道をする側もそれは本意ではないと思いますから、
自然災害発生時や感染症拡大時などに発生する(ことがある)
買い占めパニックなどに関しては、慎重に報道を
していくことが求められます。

こういったパニックによる品薄は人災ですので、
それを阻止するように伝える側も、受け取る側も
冷静に考えていく必要があります。

空の商品棚の映像などの使用を控える

まず、非常に重要な点は、
”空の商品棚の映像などを報じない”と、
いうことです。

これは、以前問題になったこともあり、
ニュース番組などで、
例えば水が品切れになっている際に、
「ご覧ください 水がひとつもありません」みたいな感じで、
水の売り場が空っぽになっているような映像を流せば、
当然、それを見て不安に駆られる人もいるわけです。

そうすると、本来、その映像を見なければ買い占めに
走るようなことがなかった人まで買い占めに走ったり、
映像を見て不安に思った人が追加で水を購入したり…
そういった”余計な事”が、起きてしまうことになります。

勿論、必要な備え・買い物などをしている人に
呼びかける、という意味ではあればそれで良いのですが
空っぽの商品棚などを映せば、そういった人たちだけではなく、
”もうそれ以上買わなくてもいい人”まで、不安を煽られる結果となり
”買わなくてもいいのに買ってしまう”と、
そういう事態になってしまうのです。

映像によって不安になった人が買う⇒さらに品薄になる⇒
また不安になる人が出て来る、という悪循環に陥るため、
空っぽの商品棚は映すべきではないのです。

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品薄を報じる必要はない

自然災害発生時の防災グッズの購入・備えや、
感染症拡大時の備えなどもそうですが、
報道番組などでは、
”備えにこういうものがあるといいですよ”ということだけを伝えれば
良いだけであって、
わざわざ「これが品薄になっています」と、そういうことを
報じる必要はありません。

それを報じることによって、映像ほどのインパクトはないにせよ、
「品薄なのか…じゃあ買っておかなくちゃ」となってしまう人を
増やしてしまい、結果的に余計に品薄を悪化させることに
なってしまいます。

”備えの呼びかけ”までで止めておき、
”買い占めパニックが起きている”だとか”品薄になっている”だとか
そういった報道は控えることが望ましいです。

人間は、そんなに強い生き物ではありませんから
そういうものを見るとどうしても不安に駆られる人も
出てきますし、余計に買い占めを広めてしまいますからね。

買い占めを控えるように呼び掛ける

”一切買い占め関連の話題を出さない”のも一つの方法ですが、
買い占めを控えるように呼び掛けるのも、
良いかとは思います。
(これは、どっちもどっちだと思うので、
 判断が難しいところだとは思いますが)

報道番組で、買い占めを控えるように強く伝えることで、
ある程度のブレーキをかける効果はあると思いますし、
そういったことを伝える際に、
”在庫は普通にあること”や、”商品の入荷もすぐに行われること”など、
買い占めをする必要がない、ということを
根拠と共に報じることで、より混乱を抑えることは
できるかと思います。

買い占めパニックの風景を長々と流すのではなく、
買い占めの話題に触れるのであれば、
こういった部分に時間を割くことです。

在庫がたくさんある点を重点的に伝える

”品薄になってますよ”ではなく、
”在庫はたくさんある”ということを重点的に伝えるのは、
無駄な品薄を防ぐためのポイントの一つになります。

例えば、お店の商品棚にたくさん
品薄になっているものが並んでいる映像を流したり
(実際に品薄になっている場合は、在庫があると勘違いして
 店に行ってしまう可能性もあるので、トラブル防止のために
 あまりよくありませんが)、
物流の倉庫やメーカーの倉庫などに赴き、
”在庫はこんなにあるので安心して下さい”というスタンスで
映像を流したり、こういったことが重要な点の一つになります。

空っぽの商品棚などを見せられると
人間は不安に思い、無駄な買い占めなどに走ってしまう生き物ですが、
逆に、在庫がたくさんある光景を見れば安心感を得ることもできますから
そういった”プラスの報じ方”をしていくことが、
報道による品薄拡大を引き起こさないためにも、重大なポイントになります。

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過度な不安を与えるような表現はしない

品薄以外の部分でも、
今、起きていることに対して
過度に不安を煽るような報道は、
買い占めパニックなどを増長させてしまう可能性があるために、
控える方が良いです。

もちろん、伝えるべきことはちゃんと伝えるのは
当然としても、
”煽る必要のない不安まで煽らない”と、いうことですね。

実際に、”そこまで煽る必要はないのでは?”というような
伝え方をされているケースはありますから
そういった部分はもう少し、パニックを防ぐことも考えながら
対応していく必要があるのではないかと思います。

世の中がパニックを起こして買い占めなどに走ると
”本来起きていること”以外のことによって
社会が混乱する可能性もありますからね…。

まとめ

買い占めパニックを防ぐためにも、
報道においては、
品薄の商品棚を映したりしないようにし、
品薄状態であることをあまり過度に伝えないように
することが大切です。

その上で、買い占めを控えるように強く呼びかけたり、
在庫があることを示す映像などを流すことができれば、
多少のパニックは抑えることができるはずです。

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