「いずれ結婚するつもり」の人が多く見える理由とは?

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「いずれ結婚するつもりだ」と考える人は
案外多い、というような調査結果を
聞いたことがある人もいると思います。

こういったものを引き合いに出して
「未婚の人でもほとんどが本当は結婚したいと思っているんですよ!」
みたいなことが言われることもあります。

が、これは、必ずしもそうとは言えず、
そういう数字が出やすい環境になってしまっているのです。

それは何故なのか。

仮に9割近くが「いずれ結婚するつもり」と答えていたとしても、
その9割が「結婚したい」と考えているかどうかは
また別の話になるのです。

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「いずれ結婚するつもり」の調査とは?

いずれ結婚するつもりの人の割合を出す調査…
結婚願望云々の話題では、
定期的に8~9割は結婚したがっているんですよ!
みたいな話題が出て来ることがあります。

これは「出生動向基本調査」という調査の
統計によるもので、
5年に一度のペースで行われている調査です。

その、調査の結果で、
最近では大体、8~9割程度の回答者が
「いずれは結婚するつもり」と答えている、
そういうデータが存在するのです。
(詳しくは出生動向基本調査のサイトで見れます)

確かに、そういう結果を聞くと
「結婚したい人が多いんだなぁ」と思う人もいるかもしれません。

ただ「いずれ結婚するつもり」=「結婚に積極的」とは
限らず、なんとなく「いずれできればいいなぁ」程度の人も
含まれているため、必ずしも、結婚したがっている人が
8~9割存在する、ということではありません。

その理由を詳しく見ていきましょう。

選択肢が2つしかないことによるもの

これまでの統計の選択肢は
「自分の一生を通じて考えた場合、あなたの結婚に対するお考えは
次のうちどちらですか」という質問に対し

1・いずれ結婚するつもり
2・一生結婚するつもりはない

という、2つの選択肢しか存在していません。

これを見てみると、どうでしょうか。

自分の中で「絶対に結婚しないんだ!」と頑なに決めている人以外は
1を選ぶのではないでしょうか。

「結婚…?別にしてもしなくてもどちらでもいいや」程度の人で
あっても、「一生結婚するつもりはない!」と断言するほどでもなく
じゃあ「1にしておくか」となる(人が多い)のです。

この選択肢自体、結婚願望あり側の人数が
多くなってしまいがち(意図的なのかどうかは別として)な
選択肢になっているのは事実です。

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片側だけが強く、片側は弱めの選択肢

これが、回答が偏る原因の一つになっています。

1・いずれ結婚するつもり
2・一生結婚するつもりはない

この選択肢をもう一度見てみてください。

「1」のいずれ結婚するつもり、の方は
比較的弱い・曖昧な言い回しです。

「絶対に結婚したい!」というニュアンスではなく
「できればしたいかな」
「どちらかといえばしたいかな」みたいな意味合いまで
含まれる言葉になっています。

逆に「2」のほうを見てみてください。
「一生結婚するつもりはない」
これは、強い決意を感じさせる選択肢です。

「結婚しないつもり」ではなく
「つもりはない」と断言しています。

これでは「絶対に結婚しない!!」と心に決めている人以外は
「1」を選ぶ人も多いでしょう。

「結婚は特に考えてないけど、
絶対にしないってほどじゃないからなぁ」
という人も1を選ぶでしょう。

このように、選択肢自体が
若干偏りのある選択肢に感じます。

意図的なのか偶然なのかはさておき、
1は弱め
2は強めな感じになってしまっており、
この選択肢ではバランスが取れません。

ほとんど興味がなくても「結婚願望あり」に含まれてしまう

結果的にこの選択肢だと
「ほとんど結婚願望がない」ような人も
統計上「結婚したがっている」というところに
含まれてしまいます。

「そのうち理想の相手が見つかったりすれば
結婚するかもしれないけど、見つからなきゃいいや」
の人も、「いずれ結婚するつもり」をとりあえず選ぶ
可能性は高いですし、
「結婚する気はあるけど、相手がいたら。
自分から何かしてまで結婚しなくてもいいや。」という人も
やはり「いずれ結婚するつもり」を選ぶ人もいるでしょう。

結婚願望は低い、
「相手次第。でも自分からは行動する気は0」という人まで
結婚したがっているように見えてしまう、
という問題点はあると思います。

先ほど解説したように、
全員がそうではないとは思いますが
上の選択肢では
「絶対に結婚しないんだ!」という人以外は
とりあえず流れで1を選んでしまいがちです。

「--まぁ、出来なくても別に?」みたいな
中間層の人まで含まれてしまっている結果が
この8~9割、いずれ結婚するつもりと答えている、
という状況を生み出しているものと思われます。

そのため、本来「結婚したい!」と積極的に考えている人間は
もちろん、いるとは思いますが
確実に8~9割全部ではなく、その中の一定数、ということです。

「消極的」な中間層が含まれてしまっている

この選択肢だと、消極的な中間層も
「結婚したい」扱いにされてしまっているのが事実です。

1「いずれ結婚するつもり」
2「結婚するつもりはない」
どちらを選ぶか。
それを考えてみましょう。

まず「結婚したい!」と思っている人や
既に恋人がいるような人は、当然「1」を選ぶでしょう。
これは、本当の意味で結婚願望のある人たちです。

一方、まだ相手がおらず
「結婚できればする、出来なければ別にいいや」という
いわゆる”どっちでもいい”系の人も
「結婚するつもりはない」とまでは思っていないわけですから
やはり、大半は「1」を選ぶ人が多いでしょう。

そして「自分から一切行動する気はないけど、
奇跡が起きて相手からプロポーズされたら」レベルの
結婚にかなり消極的な人も
「(結婚に対する)努力を一切しないでも、万が一相手から
プロポーズされれば結婚する」という場合、
やはりこれは2「結婚するつもりはない」には
あまり当てはまらず、1をえらぶ人は多いかと思います。

2を選ぶのは本当に
「自分は結婚しないんだ!」と、決意している人
ぐらいになってしまうのです。

1は、「結婚したい人」「どっちでもいい人」「相手がいればするかもね、な消極勢」
これが全て含まれてしまっており、

2は、「絶対結婚しないと決めている人」だけ。

これでは、1が8~9割になるのは
ある意味で当然と言えるでしょう。

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改善点はあるの?

質問の表現を変えるか、増やした方が良いでしょう。

今のままではどうしても「結婚したいと思っている人が
実際よりも多めに出てしまう」ということは
紛れもない事実です。

1・いずれ結婚するつもりだ
2・今のところ結婚するつもりはない

など、「2」の部分を若干弱めた文言にするか、

1・いずれ結婚するつもりだ
2・どちらともいえない
3・結婚するつもりはない

など、「できても、できなくてもどっちでもいいや」な
人向けの選択肢を作るか、
そういった対応をしなければ、
結婚したいと思っている人が(事実よりも)多めに
出てしまう状況を改善することは
できないのではないか、と思います。

実際、消極的であっても「1」を選ぶ人は多いでしょう。
「断固しない!」という人以外は、
「ほとんどする気がない」でも、1を選ぶ人は
多いのです。

まとめ

調査の続きを見ると「1」を選んだ人のうちの
「理想の結婚相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」という
統計も出ており、
ここで「中立」な状態、積極的に結婚は望まない人の割合も
出てはいるのですが、
最初の質問の統計結果ばかりが目立ってしまっている状態で
結果的に「ほとんどの人は結婚したがってる!」という
勘違いを生んでしまっています。

この点は、一つの事実として
覚えておいたほうが良いですね

8~9割というのは
「別にどっちでもいいや」のような消極的な人も
含まれている数字です。

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