PS5は成功しているの?失敗しているの?現実を徹底解説!

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2020年に発売されたプレイステーション5は
発売以降、転売などを起因とする品薄などが
続出し、”発売から約1年が経過してもずっと抽選販売”という
異常事態に晒されているハードです。

過去に人気で品薄が続くハードは多々ありましたが
”発売からずっと品薄”という状況がここまで続いているのは
「異常事態」と言えます。

しかし、そんなプレイステーション5も”販売台数”を見ると
前世代機のプレイステーション4よりも早いペースで
国内100万台を突破しています。

そう言われると「成功してるのか」「失敗してるのか」
分からない人も多いですよね。

実際のところ、どこが成功で、どこが失敗なのか、
客観的に解説していきたいと思います。

私自身もプレイステーションシリーズには
お世話になっていますが、「好きだから全部褒める」では
意味がありません。

厳しい部分も含め、元業界関係者としても
詳しく語っていきたいと思います。

※PS5発売1年経過時点のお話です。
今後、色々な面が変わっていきますので
その点はご了承ください。

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販売台数だけ見れば「4」より成功

まず、他の要素を全て無視して
販売台数だけを見るのであれば、
ファミ通調べのデータによれば、
およそ2か月ほど早いペースで
「100万台」を突破しています。

しかしながら、これは販売台数だけを見れば、という点で
あることに注意する必要があります。

PS5の品薄の要因の一つには「転売屋」の存在が挙げられており、
つまり、人気のPS5を買い占めて高く売る、という人たちの
ことですが、
これによって「100万台のうち、実際にプレイヤーの手に
渡っているのは、何台なのか」ということが大きな
問題となってきます。

転売屋はプレイヤーではありませんので、
PS5を何台購入しようとも、ゲームソフトを購入することも
なければ、PS5で遊ぶこともありません。
もちろん、その転売された本体がプレイヤーの手に渡れば
別ですが、高額転売では、なかなか売れないこともあり、
「実際に100万台がプレイヤーの手に渡っているわけではない」
という現実があるのは事実です。

ただ、「本体の販売台数」だけで見れば
PS4より速いペースであるのも事実で、
他の要素を全て無視するのであれば
販売台数は「PS4より良い数字が出ている」ということになります。

ソフトの売上は低調

一方で、PS5ソフトの売上は非常に低調で
あるのも事実で、
100万台突破時点で一番売れていたソフトが
ファミ通調べで6.7万本というデータ(バイオハザードヴィレッジ)が
出ていました。

これは、非常に低い数字であり、
集計には「ダウンロード版」は含まれないという事情を考えても、
それは、現代の他のハードも全て同じ条件であり、
かなり厳しい数字であると言えます。

実際にPS5発売後に、
PS5のみで発売されたソフトは軒並み、厳しい売上が出ており、
ラチェット&クランク最新作や、ファイナルファンタジーリメイクの
バージョンアップ版などは、苦戦を強いられました。

加えて、前述のバイオハザードや、
テイルズオブアライズ、ロストジャッジメントなど
「PS4と同時発売」の人気シリーズは
いずれも「PS4版のほうが倍以上売れている」状態であり、
かなり厳しい状況が伺えるのです。

ちなみに、PS4本体が発売された際に
「龍が如く維新」という人気シリーズの最新作が「PS3」と同時発売
されましたが、これの売上が
PS3が14万、PS4が7万という数字でした。
この時は本体発売直後にも関わらず、「差は2倍」でしたが
バイオハザードやテイルズなどに関しては
「PS5発売から半年以上経過」しているのにも関わらず
「差が3倍近く」ついていることから、
PS3⇒PS4の時以上に移行が進んでおらず
結果的に「PS5じゃなくてPS4でいいや」という人が多い、
(あるいは手に入らないからPS4版を買っている)ということを
示しています。

このことから、ソフトの売上に関しては非常に厳しい
現実が浮き彫りになっています。

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ソフトラインナップの状況

現時点では「PS5でしか遊べないソフト」が非常に少なく
これは「PS4で十分」というユーザーを増やす要因に
なっています。
PS5とPS4版を見比べれば全然違う!という人もいますが、
「ソフトがPS4でも遊べるならPS5には興味すら持たない」人も
多いので「そもそも映像などを比較することもない」のです。

そのため、普及にはPS5ソフトの充実が重要ですが、
現状は非常に厳しく、前述のように「PS5だけでは売れない」のが
現実なため、現時点ではほとんどのソフトがPS4やスイッチと同時発売です。

PS系はもともと以降に時間がかかり
PS4の時もPS4/PS3は多かったですが、今回はそれ以上で、
ハードを発売しているソニーですら、
当初「PS5のみ」で発表していたグランツーリスモ7を
PS4でも発売する方針に転換したりと
「異例の状態」です。
(他社はともかく、発売から1年以上経過して、ハードメーカーの
ソニーがそのような展開をするのは極めて異例です。)

それほどまでに現状は厳しい状況であるというのが現実で
ここはメーカーの想定通りに進んでいない、と言えます。

他メーカーからの評価

現時点では「PS5専用」新作の開発に舵を切るメーカーは
非常に少なく、
グランツーリスモのほかにも「後からPS4版の発売も決定した」
ソフトは「バイオハザード」など、複数存在します。

また、アトリエシリーズというソフトは
PS5版の発売を当初はしていましたが、
PS5発売後から2作目の新作は「PS4/Switch」になるなど、
厳しい反応が伺えます。

ハードとしては魅力であっても
ゲーム開発はボランティアではない、というのが
現実的な部分になるのではないでしょうか。

ソフトが売れるようにならなければ、
メーカーも「作りたくても、他のハードに出すしかない」
となるわけです。

ユーザーからの評価

購入したユーザーからの評価は高い傾向にあり、
ハード性能も申し分ない、というのが現実です。
「商品自体は優秀」というのは紛れもない事実でしょう。

しかし一方で、1年経過しても普通に買えないという
状況は極めて異例で、
毎週の販売台数を見る限り、生産数を増やそうという気も
まるで見受けられません。
公式ツイートにも不満の声があふれており、
ユーザーの反応は「二極化」している状態です。

中には「もう面倒臭いからいいや」という声も
聞かれるようになっており、
「購入できなかった人の不満」が爆発している状況が
現状です。

また、Xボタンを決定にする点など、
若干、国内のユーザーを置き去りにするような
方針には、不満の声も見受けられます。
ツイートに関しても、品薄のお詫びのようなものは
全く見受けられず、この点も
若干強引な雰囲気があるのは否めないでしょう。

商品は素晴らしい商品ですが
展開に関しては(品薄が解消できない点も含め)
改善点があるのは事実です。

これは今後のPS5新型やPS6の発売にも
生かしていきたいところとなるのではないでしょうか。

まとめ 今後の課題は?

とにかく「生産を増やすこと」です。

発売当初、私は品薄は続かないと考えていましたが、
それは「メーカー側が改善の努力をする」ことが前提でした。

が、生産数は全く増える気配がなく
(週間販売台数を見る限り全く増えていないため、
当初とほぼ同じレベルの生産水準と考えられます)
何かアナウンスをするようなこともなく、
結果的に品薄を全く改善できていない状態です。

PS5が今後「成功」するためには、
とにかく生産を改善することであり、
それができなければソフトの売上も上がらず、
結果的にソフトは減っていく…という
悪循環に陥ってしまいます。

「本体の生産状況の改善」
あるいは
「何らかの大きな対策を打つ」

これが、
現時点では「決して成功とは言えないPS5の国内市場の状況」の
改善につながる唯一の道となります。

このまま「何もしない」のであれば
PS5の日本国内での立ち位置は非常に厳しいもののまま、
次の世代のハードに交代することになってしまいます。

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