ゲーミングPCが家庭用ゲーム機の代わりになるのは難しい。その理由は?

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最近では、PCでゲームを遊ぶ人も
昔以上に多くなりました。

ゲーミングPCもコア層を中心に普及を広げています。

しかしながら
”いずれゲーミングPCが家庭用ゲーム機に取って代わる”というのは
現実的には困難で、
以前、別記事でも書きましたが
”ゲーム専用機がなくなるの?”と言われれば答えはNoでしょう。

その理由について、解説していきます。

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今後も広がる傾向も、ゲーム専用機に取って代わるのは厳しい

ゲーミングPCの市場は今後も広がるとは思います。
特にプレイステーションやXBOX陣営にとっては、
今後、大きな競合相手の一つになっていくでしょう。

しかしながら、ゲーミングPCが
ゲーム専用機の市場に取って代わるか?と言われると
答えはNoで、
”ゲーミングPCが広まってゲーム専用機がなくなる”と
考えている人は、視点がコアゲーマー視点になってしまっています。

ゲーム業界を全体的に見渡せば
ゲーム専用機がなくなる、というのは非常に厳しいと思いますし
ゲーミングPCはそこまで幅広いユーザーに対応できるか?と
言われると、あくまでも”コア層中心”の存在から
抜け出すことは難しいと考えられます。

コアユーザー中心に、今後もさらに勢力を伸ばすことは
ほぼ間違いありませんが、
その先は、家庭用ゲーム機との共存、という形になっていくでしょう。

ライトユーザーやファミリー層・子供には厳しい

ゲーミングPCが家庭用ゲーム機に取って代わることが
できない最大の理由は
「コアユーザー以外の層にとっては非常に厳しい」と、いうことです。

例えば子供がゲーミングPCを組み立てよう!とかそんなこと
するかどうかと言われれば資金・知識的にも難しいと思いますし、
ファミリー層にとっても、なかなかハードルが高いでしょう。
当然、普段ゲームをあまり遊ばないユーザーにとっても
厳しく、例えば実際にゲーム店で勤務していた際に
よく聞かれた声として”普段ゲームをやっていない人にとっては
プレイステーションすら難しい”のが現実です。
(よく分からん、とよく言われました)

ですので、ゲーミングPCはコアユーザーが考える以上に
”その他の層にとっては厳しい”というのが現実です。

確かにコアユーザーには広がるでしょう。
ですが、ゲームユーザーはコアユーザーだけではありませんので、
取って代わることは難しいのが現実なのです。

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慣れていない人には「難しい」

ゲーミングPCは、慣れていない人からすれば
”非常に難しい”ものです。

ゲーム専用機ならその機会を買えば遊べますが
ゲーミングPCだと”買えば遊べる”ものもあっても、
色々種類がありすぎて、分からない人にとっては
非常にハードルが高いです。

分かる人にとっては簡単、でも、
分からない人にとっては本当に分からない、というのが
ゲーミングPCの世界です。

先程も書いたように、
ゲームを遊ぶ人はコアユーザーだけではないので、
普段遊ばない人やファミリー層、子供の一部が
ゲーミングPCに移動したとしても、
大半はゲーミングPCにはなかなか手が伸びないでしょうし、
コアユーザーも全員が全員ゲーミングPCに移るわけではなく
両方遊ぶ人や、PCではゲームをやらない人もいるわけですから、
そういった意味でも、家庭用ゲーム機に取って代わるのは
なかなか難しいことです。

価格面の問題もある

ゲーミングPCは、良い環境を整えようとすると
ゲーム機以上に費用が掛かります。

例えば、6万円のプレイステーション5(2023年開始時点)でも、
ファミリー層や子供にとっては非常に高額な買い物になりますし、
その結果、なかなかそういった層には普及が進んでいません。

ゲーム屋で実際に勤務していた時代もそうでしたが、
”その時代で価格の高いゲーム機”は、なかなか一般層にまでは
普及しません。

ゲーミングPCはプレイステーション5以上に高額なものも多く、
十分なスペックのものを用意するとなれば、
さらに費用が掛かります。

今後、時代が進んでゲーミングPC自体が
3万、4万程度で十分なスペックの環境を用意できるようになれば
話は別ですが、
それはなかなか難しいでしょうし、
仮にそれができるようになれば、家庭用ゲーム機の値段も
下がる傾向が出て来るでしょうから、
やはり、価格的に考えても、ゲーミングPCが
家庭用ゲーム機に成り代わることは、難しいでしょう。

任天堂タイトルが発売されない以上は厳しい

ゲーム業界において、日本では圧倒的な売り上げを
誇っているのが「任天堂」のゲームソフトです。

これは、好き・嫌いではなく、
売上数字から見る、揺るがない事実で、
近年、パッケージソフトだけで100万本を超えたソフトは
ごく一部を除き、ほぼすべてが任天堂、あるいは任天堂関連のソフトです。

それほどまでに圧倒的な売上を誇る任天堂ソフトですが、
任天堂は自社でゲーム機を展開しているため
”自社タイトルは他機種には出ない”のです。

もちろん、PC向けも例外ではなく、ごく一部
スマホ向けにマリオなども出ましたが
それは「ゲーム機には出ない別のもの」が出ただけで
本編などが移植されたわけではありません。

任天堂タイトルがゲーミングPCに出ない以上、
どんなにゲーミングPCが広がったとしても、
任天堂ハードだけは、ゲーミングPCとは異なるものとして
生き残ると考えられます。

また、上で書いた”価格面”と”分かりやすさ”この2つも任天堂ハードは
クリアしており、プレイステーションやXBOXのような高性能路線とは異なっていて
客層も被りません。

任天堂のタイトルが出ないということは
「マリオ」「ポケモン」「ゼルダ」「カービィ」「スプラトゥーン」
「どうぶつの森」「ファイアーエムブレム」「ピクミン」「スマブラ」
「ドンキー」「メトロイド」などの名だたるタイトルが
ゲーミングPCには出ない、ということです。

それだけでも、ゲーミングPCが家庭用ゲーム機に取って代わることは
不可能でしょうから、
任天堂がハードから撤退でもしない限り(現状ではまずそれは考えられない)
ゲーミングPCがゲームの全てを担うのは厳しいと考えられます。

プレステのソニーとマイクロソフトのXBOXにも自社タイトルは
ありますが、任天堂タイトルほどの売上は国内では少なくともなく、
(半分にも満たないはずです)
また、この2社はPCにも移植してる自社タイトルも多いため、
任天堂とは事情が異なっています。

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ゲーミングPC市場が拡大しても任天堂ハードは残る

プレイステーションとXBOXに関しては
正直なところ、ゲーミングPC市場が拡大すれば
遠い未来、どうなるかは何とも言えません。
目指す方向性が基本的に同じで、
自社タイトルに圧倒的強みがあるわけでもないので、
最終的には1本に統合される可能性はないわけではありません。

ただ、ゲーミングPCは決して”子供向け”や”家族向け”に
作られている感じの商品ではなく、
ゲームは子供や家族、普段あまり遊ばない人たちも遊ぶわけで
ゲームユーザー全てがコアユーザーではありませんので、
任天堂ハードは仮にゲーミングPC市場が大幅に拡大しても
”別のもの”として残るでしょう。

”PCに限りなく近い形”に変容していく可能性もありますが
それでも、任天堂タイトルの強さは圧倒的ですし、
ライトユーザーにも向けた唯一のゲーム機、という立ち位置からも、
任天堂ハードがゲーミングPCに取って代わられる可能性は
非常に薄いと考えられます。

まとめ

ゲーミングPCを普段から遊ぶユーザーからすれば
そう見えるかもしれませんが、
ゲームを遊ぶ層は”詳しい層”だけではないですし
スペックなどどうでもいい、というユーザーもたくさんいます。

そういったユーザーもいる以上、
ゲーミングPCだけになってしまう、ということは
やはり、考えられにくいですし、
”ライトユーザーでも遊べるゲーム機の存在”というものが
今後も無くなる可能性は低いでしょう。

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