ゲームボーイミクロが失敗に終わった理由は?発売タイミングが苦しい。

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任天堂から発売された
「ゲームボーイミクロ」は、
任天堂の携帯ゲーム機・ゲームボーイの
現時点での最後のハードです。

その後、ゲームボーイシリーズは終了し、
ニンテンドーDSシリーズにシフトしていくことになりました。

しかし、この”最後のゲームボーイ”でもある
ゲームボーイミクロは、残念ながら厳しい結果に終わってしまったのも事実です。

では、どうしてゲームボーイミクロは
上手くいかなかったのでしょうか。
この点について考えて行きたいと思います。

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売上はどのぐらいだったの?

ゲームボーイミクロ本体の国内での売上は90万台と
言われています。
この数字は、数多くのあまり売れることなく消えて行った
ゲーム機と比べれば、確かにそれなりの数字では
あるのですが任天堂ハードとしては非常に寂しい結果に
終わった数字であるのは事実ですし、
ゲームボーイシリーズの中では最も低い売上を
記録したハードであるのも事実です。

どうしてこのような状態になってしまったのか、
その点をそれぞれ見て行きます。

後継機が発売された後に発売した

最大の理由の一つと言えるのが
「ゲームボーイミクロ」は、ゲームボーイアドバンス系の
マイナーチェンジ版のゲーム機になりますが、
発売されたのが、2005年の9月です。

しかし、その前年…
2004年の12月にはゲームボーイアドバンスの
後継機である「ニンテンドーDS」が既に発売されており、
実質上「後継機が発売された後に、前のハードの新モデルが発売された」
という形になってしまっています。

勿論、過去にもそういうハードはありましたが、
当然のことながら「次のハード」が出ていれば
そちらの方が売れるのが基本ですから、
ゲームボーイミクロのマイナス点となってしまった要素の
一つであることは、決定的です。

こうなってしまった理由の一つが
ニンテンドーDS発売当初は「第3のゲーム機」のような扱いで、
当時の据え置き機であるゲームキューブ、そして携帯機の
ゲームボーイアドバンス、
さらにニンテンドーDSで展開していくようなことを
最初は言っていました。

そのため、ゲームボーイの新モデルも出したと考えられますが
結局はゲームボーイアドバンス⇒ニンテンドーDSのような形に
なったためにゲームボーイミクロ自体が
”少し中途半端な存在になってしまった”ということは
紛れもない事実かと思います。

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価格面でも問題が

価格の部分にも売上を鈍らせたと考えられる
大きな原因が存在しており、
ゲームボーイミクロの定価は11429円+税でしたが、
初代ゲームボーイアドバンスの定価は9800円+税、
ゲームボーイアドバンスSPは9333円+税と、
後から発売されたモデルにも関わらず、
価格が上がってしまっています。

ゲーム機の普及にはこの”価格”の部分は
非常に大事であり、
実際に価格面で失敗して普及に苦しんでいるハード・苦しんでいたハードも
多くあるので
”旧モデルよりも価格が上がってしまった”ということは
苦戦する大きな要因の一つになったと言えます。

また、後継機として先に発売された
ニンテンドーDSは14286円+税であったために、
”あとちょっとお金を足せば次のハードを買える”という状況にも
なってしまっており、余計にゲームボーイミクロ自体の
普及を鈍らせたものと考えられます。

プレイステーション4とプレイステーション5のように
”何万円も差がある”のであれば、
旧ハードの方が買われることもあると思いますが、
流石に5000円を切る価格差であると、
どうしても新しいハードの方が有利になってしまう、ということは
否めません。

周辺機器に互換がない

ゲームボーイミクロは形状の違いから、
ゲームボーイアドバンス系のハードであるにも関わらず
これまでに発売された
ゲームボーイアドバンス及び、ゲームボーイアドバンスSPの
周辺機器の多くが利用できないハードになっていました。

同じ種類のゲーム機なのに、
周辺機器に互換がない、となるとこれもまた致命的で、
例えばゲームボーイアドバンスが故障してしまい、
買い替えようと思ったユーザーも、
ゲームボーイミクロだと周辺機器を使えないから、
アドバンスのほうを買おう、と、そういう流れになってしまう
ケースも多かったものと考えられます。

周辺機器が使えない故に、買い替え需要も
逃していたのではないでしょうか。

ゲームボーイとの互換もなくなっている

もう一つ、問題点となるのが
”初代ゲームボーイとの互換もなくなってしまっている”という点で、
ゲームボーイアドバンス系では、
ゲームボーイカラーまでの初代ゲームボーイのソフトも
遊ぶことができましたが、
ゲームボーイミクロではこれもなくなってしまい、
初代ゲームボーイのソフトは、遊ぶことができなくなって
しまいました。

人間の心理を考えると
”仮にゲームボーイソフトで遊ばないとしても、やっぱり遊べる選択肢が
多い方がいい”と、いうことになる人も多いと思いますし、
この点も、一つのマイナス点になったと考えられます。

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将来性が既になくなりつつあった

後継機が発売された、の項目と
少しに通った部分になりますが、
ゲームボーイミクロは、後継機のニンテンドーDSが
発売された後に発売となりました。

勿論、それでも”まだゲームボーイアドバンスに将来性がある”状態であれば
良かったと思いますし、
実際にプレイステーション2やプレイステーション4など、
後継機が出たあともしばらくソフトの発売数が
衰えず、ハードもそれなりに売れ続けたものもありました。

しかし、ゲームボーイミクロが発売された2005年9月は、
既にソフトの数がかなり減少している段階での発売で、
”ゲームボーイアドバンスというハードの将来性”も
なくなってしまっている状態でした。

実際、2004年には185本のソフトが発売されていますが、
2005年には79本、2006年には31本と、急激に減少している
最中での発売でした。

しかも、最後に発売されたタイトルは2006年11月と、
ミクロ発売から1年も経過しないうちに
アドバンス自体の展開が事実上終了してしまっており、
これも、ゲームボーイミクロが売れなかった原因の
大きな点であると感じます。

例えば、アドバンスのソフトが2010年まで同じぐらいのペースで
発売され続けていたのだとすれば、
DS発売後であっても、価格が高くても、今よりは
もっと売れていたはずです。

DSでアドバンスソフトも遊べてしまう

初期のDSでは、
ゲームボーイアドバンスソフトも遊べるようになっていました。

後継機のDSが”DSソフトしか遊べない”のであれば、
アドバンスのソフトを遊びたい人が、ゲームボーイミクロを買う
可能性は十分に考えられました。

しかし、ニンテンドーDSでもゲームボーイアドバンスソフトが
遊べてしまう、となると、
単純にゲームボーイミクロの立ち位置は
”DSソフトが遊べない本体”となってしまい、
ゲームボーイ(初代)との互換性もないために、
DSの劣化版、みたいな感じになってしまっても仕方がない状態でした。

数千円しか違わず、
しかも「DS+GBA」が遊べるか「GBA」だけか、となると
やっぱり前者を選ぶ人が多いでしょうからね…。

まとめ

ゲームボーイミクロは、発売タイミングが悪く、
価格的にもお買い得の色を出すことができなかった…
と、いうのが苦戦の最大の要因であると
考えられます。

仮に、あと数年早く出すことができていれば、
ゲームボーイミクロの運命もまた、違っていたのかもしれません。

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