バスが遅れる理由とは?「遅れるな」と言うのは”無理”

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バスを利用している皆様の中には
「どうしてバスはあんなに遅れてしまうのか」と
思う人も多いと思います。

確かに、朝の混雑時だったりすると、
バスはほぼ確実にある程度
遅れが出ています。

電車でも、遅れが出ることは当然ありますし、
人身事故や自然災害などで止まってしまって
大幅に遅れてしまうようなケースもありますが、
それでも、バスほどは遅れません。

では、どうしてバスは、そんなに遅れてしまうのか。
なかなか、バスの運転と縁がないと分からないと
思いますので、詳しく解説していきたいと思います。

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バスに遅れるな、は「不可能」

バスが遅れて到着するとイライラしていたり、
不満を口にしたり、
「遅れるな!」みたいな人をよく見かけます。

しかし、それは、現実的に「不可能」なことです。
バスに遅れるな!なんて言っても
そんなこと絶対にできないわけですね。

それはなぜなのか。
分かりやすく解説していきますので、
ある程度バスが遅れても「仕方ない」と思えるような
余裕を気持ちの中に持つようにして下さい。

道路を走る以上、時間通りに動くのは難しい

バスが走るのは一般道路です。
観光バスなどであれば高速道路を走りますが
普通のバスに関しては、一般の道路を
走りますので
「時間がずれる要素」がそこには
色々とあるのです。

時間どおりに動け!と言われても
動くことができないわけですね。

どのような要素があるのか、
それを見ていきましょう。

・信号
信号が赤になっていれば、当然、
バスは停車しなくてはいけません。
信号はバス会社がコントロールしているわけでは
ありませんから、当然、バスにとって都合の悪いタイミングで
赤になりますし、救急車のように
「救急車通過します!」みたいなこともできません。
赤信号を無視しようものなら大問題になります。
ですので、そもそも、この「信号」の時点で
バスの到着時間に遅れが生じる可能性は十分にあるのです。

・渋滞
道路はバス会社の持ち物ではありませんので、
当然渋滞する可能性があります。
渋滞してしまった際にも、やはり、救急車のように
普通の車を押しのけて、
突破することなんて、できません。
渋滞に巻き込まれれば、バスも普通の車と同じように
停車して、のんびり進まざるを得ないのです。
そして、渋滞はバス会社のせいでも、運転手のせいでもありません。

・工事
道路工事などが行われていれば当然、その分
バスは遅れます。
道路工事はバス会社がやっているわけではありませんし、
「ここはバスの通り道だ!工事をするな!」なんてことは
できませんから、これもバス会社・運転手のせいではありません。

・交通事故
交通事故が発生していれば、それに伴う交通規制などで
当然バスには遅れが生じてしまいます。
これも、バス会社や運転手がどんなに気を付けていても
避けることはできません。

・悪天候時
バスの時刻表は「雨の日はこう」だとか
分かれているわけではありません。
ですが、道路は大雨になれば、それだけ走る際にも
気を付けなくてはいけませんし、
当然、車を利用する人も増えますから、通常時よりもさらに
気を付けながら走行する必要が出てきます。
そのため、どうしても”時間”が晴天時よりかかるようになってしまい、
結果的に遅れる可能性が高まります。

ここまで見て頂けたのであれば
お分かりだとは思いますが
バスが決められた時間通りに動く、ということは
かなり難しいことなのです。

実際に車を運転したことのある人は分かると思いますし
そうでなかったとしても、頭の中で考えてみれば
「バスが時間通りにきっちり動く」などということは不可能に
近い、ということが分かると思います。

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バスの乗り降りでも遅れが出る可能性

バスは、電車以上に「お客さん」とのかかわりも
強くなります。
電車に関しては料金は電車に乗る前に既に
払っているわけですから、基本的には
人身事故が起きたり、ドアの前で立っていてドアが
閉まらなかったり、そういうことがない限りは
お客さんが原因で遅延が起きることはありません。
(もちろん人身事故やトラブルなどで遅れることはあります)

が、バスは、その「電車が遅れる理由」にさらにプラスして
遅れる可能性のある要素が多く、
例えば「支払にモタモタしている人」がいたり、
お金が足りない!みたいな人がいたり、
クレーマーがいたり、そういった
”電車”では起きることのない「お客さん関係」の出来事も
バスでは起きます。

こういったことの積み重ねでも
遅れは生じるものですし、
お客さんに対して「早くしろ!」なんて言ったら
それこそ問題になってしまいますから
そういうこともできません。

”人間相手”の仕事である以上、
そこの部分でも遅れが出てしまう、
ということですね。

早くバス停を出ることはできない!

遅れそうなら、それを見越して
バスを早めに発進させればいいんじゃないの?と
思うかもしれませんが、
それはできません。

例えば、自分が時刻ギリギリにバス停に走って行ったのに、
バスは既に走り去っていた…なんてことになれば
当然、怒ると思います。

また、法律上も「早発禁止」というものがあり、
バスの時刻は守らなくてはいけない、と決まっています。
(処分対象になってしまいます。)

遅れた場合の処分はありませんが
(これは無理なことですからね)
バスの時刻表よりも早くバスが出発してしまうのは
やってはいけないことなのです。

そのため、仮に誰もバス停で待っていないような
状態であっても、
時間より早く出発してしまうことは
原則的にはできない、ということです。

余裕を持って運行ダイヤを作るのは?

運行ダイヤがギリギリで
遅れてしまうのであれば、
運行ダイヤを余裕を持って作ればよいのでは?と
思うかもしれませんが、
これも現実的には難しいのです。

当然、「何事もなければ普通に到着できる時間」に、
運行ダイヤは作られています。
普通に走ったのに遅れてしまうほどギリギリの時間ではなく
混雑さえしていなければ、問題なく到着できるレベルです。

そのため、混雑しているような状況にないときは、
時間よりも早くバスが到着するようなこともあるのです。

しかしながら、↑で書いたように”遅れるような要素”が
ある時…
これにまで対応するのは非常に難しく、
もしも、バスの遅れが絶対でないように!ということだけ
考えて運行ダイヤを作れば
今よりも十分単位で、時間を調整しなければならなくなります。

そうなってくると今度は逆に「普通に走ることができた場合」
10分以上も時間が余ってしまうことになってしまうわけですね。

そうなると、先ほども書いたように「時間が余ったから
早めに出発してしまおう!」ということはできないために
今度はバス停に長々と停車することになってしまいますし、
それをやったらやったで、

・バス停に停車していると邪魔になる
(広々としたバス停ばかりではありません)

・普通に走ることができた場合、お客さんをバス停に
 停車しているバスの中で待たせることになる

・運行ダイヤの時間の幅を取ることでバス会社の収益低下

なども考えられます。
現実的に考えればこれは非常に「難しい」ことであり、
”バスが遅れることを想定したダイヤづくり”は
できないのです。

逆に利用者側にとっても、不便になってしまいます。

まとめ

バスが遅れる、というのは誰のせいでもありません。

遅れないように運行ダイヤを作れば、
不便が生じます。
とは言え、渋滞や工事、事故、天候などの面に
関してはバス会社には「どうすることも」できません。

バスは遅れるものです。
そして、これはこの先何十年、何百年と経過しても
どうすることもできない
”やむを得ない”ことなのです。

相手のこともちゃんと理解して
バス運転手にクレームをつけたりすることのないよう、
注意しましょう!

どうにもできないものを文句言われたって
どうにもできない…!
と、いうことは、皆様にも分かると思います。

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