プレイステーションVitaはなぜ失敗したのか?

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店員Kです!

ソニーから発売された携帯ゲーム機、
プレイステーションVita。

確かに人気もありましたし、
良いゲーム機であったとは思います。

しかし、市場的に見れば、一定のシェアはあったものの
失敗の部類に入る商品であると思います。
現に、携帯ゲーム機の市場においては、一度もその中心に
なることなく生産終了を迎えることになりましたし、
後継機の発表の予定も現時点ではない、ということは
やはりメーカー的にも、成功と言えるような状態では
なかったのでしょう
(成功であれば後継機は出てくるはずです)

今回は、プレイステーションVitaが何故失敗したのか。
元販売店店員として、分析していきたいと思います

Vitaが失敗した理由

”失敗”と言っても、商品自体を貶す意図はありません。
愛用されている方がたくさんいるのも知ってますし、
今でも利用されている方が多いのも知っています。
そもそも、私自身も利用しています。

しかしながら、後継機が発表されないまま生産終了、
携帯ゲーム機として、トップに立つことができないまま
生産終了、ということは、やはり決して”成功”ということは
できないのです。
前の世代の携帯ゲーム機、PSPと比べても、
その失速ぶりは見てとれます。
では、失敗した背景には何があったのでしょうか。

①競合機との競争に勝てなかった

まず、大きな部分はこれですね。
家庭用ゲーム機において、携帯ゲーム機は、
近年、その立場をスマートフォンなどに奪われつつあります。
据え置き機(テレビにつないで遊ぶタイプ)と違い、
スマートフォンと、ジャンルとしては完全にかぶってしまうので、
携帯ゲーム機のシェアが奪われつつあるのも事実でしょう。

また、それだけではなく、
家庭用携帯ゲーム機だけで見ても厳しい苦戦を強いられました。
それが、競合機であるニンテンドー3DSの存在。
ファミリー層を中心に幅広い世代に圧倒的な支持を得ており、
家庭用ゲーム機におけるライバル、そしてスマートフォンの存在。
これらの板挟みとなり、苦戦していたのは事実でしょう。
また、2017年にはニンテンドースイッチが発売され
爆発的なヒットを記録。
これも、さらに追い打ちをかける素材であったのも事実かと思います

②ソフトラインナップの面での失敗

これも、大きな失敗要因の一つです。
まず、”大ヒット作が発売できなかったこと”

PSPのヒットの背景には何があったかと言えば、
カプコンから発売されたゲームソフト
「モンスターハンターポータブル」の大ヒットがありました。
しかしながら、Vitaでは、そのモンスターハンターの続編が
発売されることはありませんでした
(オンライン専用の外伝作品は出ましたが)
これは、相当な大打撃だったでしょう。

Vitaを展開しているのはソニー、
モンスターハンターはカプコンで、別会社ですから
モンスターハンターが3DSの方に移行したのは、
どうにもならないのかもしれませんが、
Vitaにモンスターハンターが出ない、
ということは”相当大きな打撃”になったのは事実であると思います。

もしも、何らかの方法で、Vitaに
モンスターハンターの本編やポータブルが提供されていたのであれば、
Vitaの運命は大きく変わったのかもしれません。

そして、もう一つの要因が
プレイステーション3、プレイステーション4との差別化の失敗。
これにも、原因はあるかと思います。
PSPの時代は、PS3とは性能が大きく異なっていたため、
「PSPにしか発売されないソフト」も多く存在していました。
しかしながら、プレイステーションVitaは違いました。
プレイステーションVitaになってからは
性能がPS3やPS4とマルチ展開(同時発売できる)ように
なってしまったため、
多くのソフトが「PS3とVitaで同時発売」あるいは、
「PS4とVitaで同時発売」、ということになってしまったのです。

これも致命的だったのではないかと思います。
”PS3でも出ている”
”PS4でも出ている”
そんなソフトに満ち溢れてしまい、
”Vitaでしか遊べない”ソフトが少なくなってしまったことも
Vitaが結果的に苦戦してしまった原因の一つではないかと思います。

③大元の諦めが早すぎた

プレイステーションVitaは、ここ数年もソフトは多数発売
されていましたが、発売元であるソニー自身が、
Vitaソフトの開発を早い段階でやめてしまっており、
その早さも、Vitaの盛り上がりを失わせた原因の
1つであると思います。

ソニー自身は、2015年以降、Vitaでほとんど
ソフトを発売していません(ほんの数本です)
本来、ゲーム機は、大元のメーカーがソフトを率先して発売し、
引っ張って行かなくてはならないのですが、
それができなかった、というのは致命的だと思います。

また、これは”あくまで噂”と先にお断りしておきますが
ゲーム店勤務時代に、ゲームメーカーで勤務している方が
「Vitaソフトをやめたがっていて、
他のメーカーにもPS4でゲームを出すように要請している」
と言う話も聞いたことがあります。
ただし、これは具体的な証拠などがあるわけではなく、
その人から聞いた話なので、話半分に、ではありますが、
とにかく、大元があるタイミングで見切りをつけてしまったのは
事実であると思います。

④ファミリー層の取り込みに失敗?

ゲーム店で実際に勤務していた経験から、
PSPに比べて、子供(小学生ぐらい)が持っていることが
少なかったように思います。

この要因として考えられるのは
PSPと比べて、高かった定価
(PSPは最初19800円、
Vitaは安いモデルでもそれを越えていました)や、
2バージョンでの発売などから
(ゲーム店で売っていた経験上、複雑な発売形式は
ファミリー層に敬遠されやすい傾向にあります)
ファミリー層への求心や、PSPからの移行が上手く
進まなかったようにも思います。

当初の「Wifiモデル」「3GWifiモデル」の発売形式は
当時、お店で結構「?」という感じで問い合わせを受けており、
販売上、良くないやり方であったのではないかと
あくまでも個人的にですが、思います。

素体を活かすことができなかった

プレイステーションVitaのゲーム機自体は
良いものであると思いますし、評判も悪くはありません。
実際に今でも利用している方は居ますし、
私の仕事仲間にも、プレイステーションVitaを活用している
人はいました。

しかしながら、その良い素材を活かせなかったことこそ
最大の失敗要因ではないでしょうか。

ソフトラインナップを確保できなかったこと、
大元のメーカーの早い見切り、
最初の発売形式の失敗…

あくまでも個人的な考えではありますが、
この辺りが積み重なったことにより、
一定の売上は記録できたものの、成功し、後継機が
生まれるまでには至らなかった、
というのは事実ですし、
プレイステーションシリーズの中では、
”失敗”に位置するハードになってしまったのは、
否定できないことかと思います。

まとめ

もちろん、このVitaよりも売れていないハードというものは
そこら中にあります。
ですが、このプレイステーションVitaは、
プレイステーションシリーズの中では存在感を発揮できなかったのも
事実ですし、最初にも書いたことですが
”後継機”の発表がないうちに生産終了になってしまう、
ということは、つまりそういうことなのです。

時代の流れもありますが、
素体を活かしきれなかった悪条件の積み重なり、
これも、痛い部分であったのは事実なのではないでしょうか。

充分に売れてはいますが、
総合的に見ると”成功”とは言えない。
そんなハードになってしまったのだと思います。