緊急事態宣言の効果が薄れた理由とは?反省点を振り返ることは大事。

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感染症対策として用いられた「緊急事態宣言」。

しかしながら、当初のような効果は次第になくなり、
効果が薄れてしまっているのも事実です。

では、どうして緊急事態宣言の効果は
薄れてしまったのでしょうか。

その点について、客観的にいろいろな面から
考えていきたいと思います。

※この記事では新型コロナの際に発出された
緊急事態宣言の効果についてお話しています。
今後、別件で発令された場合は、また話が変わりますので
ご了承ください。

※あくまでも一個人の分析です!
人によって考え方がいろいろとあると思いますのでご了承下さい!
また、何かを批判するものではなく
良いものは良い、悪いものは悪い、と指摘していきます。

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当初より効果が薄れた理由を考える

緊急事態宣言は、当初よりも効果が薄れました。

1回目の発出の時は、それなりに”いつもと違う日常”な
感じも出ていましたし、
人の流れについても、かなり抑制されていたと言えます。

また”悪い方面”での効果も出てしまい、
スーパーで生活必需品の買い占めが起きたり(ティッシュなど
転売などが横行したりするような点も見られました。

が、2回目、3回目と緊急宣言が発出されるたびに
これらの効果は薄れ、今では人の流れを抑制する効果も
薄れていますし、
↑で書いたような、生活必需品の買い占めのような
”悪い影響”も出なくなりました。

つまり、良い方向でも、悪い方向でも
効果が出にくくなっている、というのが現実です。

そうなってしまった理由について、
色々な面からみていきましょう。

「慣れ」によるもの

まず、何事も人間は「慣れ」ていくものです。

緊急事態宣言に対しても、新型のウイルスに対しても、です。
コロナウイルスの騒ぎが始まってから、ある程度の時間が経てば
やはり人間はこれに対して、良くも悪くも「慣れて」いきます。

そうなってくれば、自粛をするほどではない、と考える人も
当然でてきますし、
最初のような「恐れ」の感情が減ってくるのは、
紛れもない事実です。

また、コロナだけではなく、緊急事態宣言に対しても
「慣れ」は出てきます。
最初は「どうなってしまうのか」という不安があった人も
多いと思いますが、今では「日常茶飯事」のようになってしまい、
「こういう感じ」というのがはっきりと分かってきていますから、
当初のような緊張感を発出の度に感じている人は、
もうほとんどいないでしょう。

これは緊急宣言やコロナに限った話ではなく、
人間は「未知」のものを恐れ、「ある程度日常に浸透したもの」に
ついては「慣れ」を感じていくものです。

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緊急事態宣言の乱用によるもの

緊急事態宣言を短い期間に何度も何度も
繰り返したことも、効果が薄れるのを早めた原因の
一つであると言えます。

人間は、何度も同じことが繰り返されると
「またか」と感じる人も増えていきますし、
良いことであっても「ありがたみ」のようなものも
薄れていく生き物です。

緊急宣言は、短い期間でかなりの回数が繰り返されており、
その結果、うんざりする人を増やしてしまったり、
”特別な状況”を作り出すために必要な”特別感”も
失われてしまいました。

緊急事態宣言のような対策は「いつものこと」に
なってしまっては、本来いけないことです。
最初に書いた「慣れ」の部分もそうですが、
日常的に発出されていれば人間は慣れていくものですし、
「特別な危機的状況である」という感覚は薄れます。

「日常的に緊急事態宣言」という状況は
本来は避けるべきであり、
ここぞという場面に「今が緊急事態!」ということを
伝わるようにしておく、というのが理想です。

これまでの発出の仕方を見ていると、
仕方ない部分もあったとは言え、簡単にポンポンと
出しすぎているのも事実で、
「感染対策としては」正しくても
「効果を薄れさせないようにするための戦術」としては
非常によろしくないやり方であり、
最初にも書いた通り「慣れ」はどうしてもありますから
長引けば長引くほど効果が薄れるのは当然なのですが
それを早めてしまった、というのは否めません。

緊急事態宣言は
嘘をついているわけではありませんが、
あまりにも繰り返していると
オオカミ少年のような状況になってしまうのです。

自粛をするには「お金」がいる

自粛をするには「お金」が必要です。
企業の活動もそうですし、個人も生活していくためには
お金が必要です。

そのため、緊急事態宣言が出ても、仕事に行く人が
ほとんどですし、
イベント業界やスポーツなど、
そういったものも、なんとかして「いつも通り」に近い形で
やっていこうとします。

そうでないと、企業は倒産してしまいますし、
個人は生活ができなくなってしまいます。

緊急事態宣言が長引けば長引くほど、
このダメージは大きくなり、
金銭的に耐えきれなくなった企業や個人から順番に
「緊急事態宣言に従わなくなる(従えない)」か
「そのまま倒産・破産してしまう」のどちかになってしまいます。

そうなると、当然前者の方を選ぶ企業・個人が多く、
飲食店などに関しても、当初のように休業するようなお店は
減りつつあります。

これは、当たり前と言えば当たり前のことです。
「これ以上従ってたらつぶれてしまう!」となれば
そのまま黙って潰れるか、緊急事態宣言を無視するか、しか
選択肢はなくなってしまいますからね。

それを防ぐためには「補償」になるのですが、
残念ながら、補償は十分とは言えません。
ダメージを受けていない企業や個人に補償する必要はありませんが
「緊急事態宣言や、それに伴う要請」でダメージを受けるところに
対しては、十分な補償をする必要があります。

確かに、補償にも限界があるのは事実ですし、いつも通りの収益・収入を
100%補償するのは難しいでしょう。

ただ、個人のお金や企業の経営にも”限界”があるのもまた事実で、
十分な補償をしなければ、緊急事態宣言に従いたくても
従うことができない、という企業・店・個人を増やしてしまい
結果的にこれも、緊急事態宣言の効果を薄れさせている原因となります。

”金がなければ自粛はできない”
これが、現実です。
長期化したことや、一部への補償が不十分であることから
”金がないから、もういつも通りやるしかない”というところを
増やしてしまったのも、事実です。

効果をなるべく持続させるためには
難しくても「ダメージを受けるところにはしっかり補償する」
必要がありました。
要請だけして、金は払わない、ではこうなるのは当たり前のことなのです。

人間はロボットではない

お金の問題はさておき、仕事とは関係なく
外出したり、遊びに行く人も増えています。

これに関しては、生きるために必要な行動ではない、
というのも事実ですが、
ここで一つ理解しないといけないのが「人間はロボットではない」
ということですね。

例えば人間がロボットなら、お金の問題でやむを得ず
緊急事態宣言を無視するロボットはいても、
遊びなどに関しては永遠に我慢していられるかもしれません。

しかし、人間は機械ではありませんから
我慢の限界、というものがあるわけです。

そのため、長期化するにつれて、徐々に
「やってられるか!」という人も増えつつあり、
我慢している人・我慢の限界を迎えた人、
二極化している状態です。

また、メッセージを発する側が
本人にそのつもりがある、ないは別として
どこか「人間味」を感じない人が多く、
あまり感情を感じさせない人が多いのも
より不満を高める原因の一つになっているかとは思います。

もっと、感情を持っている(ように見える人)人がいれば、少しは変わったのかもしれません。

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言うことがコロコロ変わっている

これも緊急事態宣言の効果を薄れさせてしまった
原因の一つで、
言うことがコロコロ変わっている、というのは
問題です。

私が以前勤務していたブラック企業もそうでしたが、
ノルマを急に増やしたり、
約束や言っていることをコロコロと上層部が変えていた結果、
最後にはあきれられて、ほとんど相手にされなくなっていました。

緊急宣言も同じことで
「これが最後!」と言って平然と繰り返したり
「真剣勝負!」と言って、次も別の言葉で同じことを繰り返したり
「コロナと共存!」と言って、すぐに方針が変わったり…
こういう「コロコロ」なやり方は、本来、ダメなのです。

人が言うことを聞いてくれなくなってしまう一番悪い例であり
「いうことすぐ変わるからなぁ…」という人が増えてしまいます。

この点は緊急宣言関係なく、
しっかり反省し、見直した方が良い部分であるのは事実です。

未曾有の自体で、ある程度変わるのは仕方ないですが、
「すぐ変わる」ようなことを、あまり安易に口にしないことです。

これは本当に大事なことなので、今後に生かした方が良いでしょう。

ビジョンが示されていない

緊急事態宣言を解除したあとにどうするのか。

これが、示されておらず、
出口が見えない状態で永遠と宣言を繰り返している…

これは、うんざりしてしまう人もいるでしょうし、
経営的に「もうだめだ付き合ってられない」という人も
出てきてしまいます。

例えば「あと1か月!そのあとはこういう対策を取り、前に進んでいく」
ということを示していれば、その1か月なんとか頑張ることも
場合によってはできるかもしれませんが
「いつ終わるかわからない」状態では、もうだめだ!となってしまう
わけですね。

実際に解除⇒宣言⇒解除⇒宣言⇒解除⇒宣言を繰り返しており、
この「解除すれば増えてしまう」という点に対する
具体的な対策があまりにも伝わっていない、というのは
問題です。

対策は立てているとは思いますが
それが明確に伝わっておらず
「このままじゃ、感染者が増えるたびにこうなるのでは?」という
不安を与えてしまいます。

「今後、こういう対策をし、こういうことをするので、
感染者が増えても、これによって重傷者は減り…」というような
具体的なビジョンをあまり伝えられておらず
「一生繰り返すのではないか」という不安を与えているような
やり方になってしまっているのも
緊急宣言の効果を薄めた、と言えます。

まとめ

これらの点が原因で、緊急宣言は効果が薄れてしまった
と考えられます。

これは、ほかのことでも同じことで、
例えば(日本では現時点では法律上不可能な)「ロックダウン」を
しても、同じやり方をすれば、間違いなく同じように
効果がなくなっていくでしょう。

誰を責める、とかそういう話ではなく
緊急事態宣言の効果を薄めてしまった原因をしっかりと見つめなおし、
反省し、次に生かしていく、ということは大事なことです。

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