お店の商品棚の後ろから商品を取るのはアリ?元店員が語ります。

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お店の商品棚の後ろの方から商品を取る!
という人もいると思います。

色々と議論のある部分ではありますが、
「商品棚の後ろのほうから商品を手に取って購入する」ということは
果たして悪いことなのか、その点について解説していきます。

”どうして商品棚の後ろのほうから商品を取るのか”という
基礎的な部分をはじめ、
元店員の立場から、
食品ロスの観点から、
”きれいごと抜き”でお話していきます。

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「手前から取るべき」という決まりは存在しない

まず、法律の観点からお話をすると
「商品棚の手前から商品を取らなくてはいけない」
というルールは存在していません。

そのため、商品棚の手前から商品を手に取るのも、
商品棚の後ろの方に並べられている商品を手に取るのも
これは”個人の自由”です。

お店側が「手前から取って下さい」と言っている場合に
関しては、できる限りそれに協力したほうが良いですが
事情がある場合に関しては、仕方がありません。

私も店員・店長経験があり、
賞味期限などのある商品も取り扱いをしていましたし、
実際に後ろの方から商品を手に取る人もいましたが、
”ちゃんと戻しさえしてくれれば”(これはのちのマナーの項目で解説します)
特に不快感を感じたりすることはありませんでした。

と、いうのもお客さんにも「色々事情があるから」ですね。

そもそも後ろから商品を取るのは何のため?

スーパーやコンビニなどで”商品棚の後ろのほうから商品を取る”のは
何故なのか、と、疑問に思う人もいるかもしれません。

この理由としては、
基本的にお店は「賞味期限・消費期限などの近いもの」、
食品でなくても「古いもの」などを先に売りたいため、
手前に賞味期限などの近いもの、後ろに新しい(賞味期限の遠いもの)などを
置いていきます。

そのため「手前には古いもの 奥には新しいもの」が
並んでいるケースが多いです。
(そうしないといけない、と決まっているわけではありませんので
全てのお店がそうしているとは限りませんし、
お客さんが触るうちに順番が変わっている可能性もあります)

そうなると「手前のモノ」を取ると、必然的に
後ろのものよりも賞味期限などが近いもの・古いものを
買うことになります。

そのため”より賞味期限の長いもの”などを求めて、
商品棚の手前ではなく、後ろの方から商品を取る人がいる、
ということです。

ただし、これは必ずしも”悪い”事ではありません。
後述する通り、ご家庭によって色々事情もありますからね。

また、手前に並んでいる商品は
他のお客さんが手にとって戻していたり、
子供などがイタズラしていることもあるために、
若干傷んでいたりすることも、場合によってはあります。

「賞味期限や消費期限の長いものが欲しい」
「傷んでそうなものを買いたくない」
などの理由から、後ろから商品を取る人がいる、ということになります。

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食品ロスの観点で「後ろから取る」のは悪いことなのか?

これは、一概には言えません。
中には「後ろから取るのを悪い」と決めつけている人もいますが、
それは想像力の足りない意見であり、
「悪い」と決めつけることはできないのが現実です。

食品ロスは、確かにできる限り少なくするべきです。
そのため「特に理由がない」のであれば、
手前から取るように意識するのは良いことですし、
そうした方が良いでしょう。

しかしながら、だからと言って
他人にまで「後ろから取るな!手前から取れ!」と
事情も知らずに言い放つのは、それは「自分目線」でしか
ありませんし
「自分の考えを他人に押し付けている」だけです。

こういった”押し付け”をしたり、
”後ろから取る行為を悪と決めつけている”人に多いのが
「食品ロスを減らすためにいいことを言っている」と
まるで自分のことを正義と勘違いしているようなタイプですが、
それは、違います。

人の食生活や家族事情などはそれぞれ違います。

例えば納豆。
手前にあるのが1週間後まで、
奥の方にあるのが10日程度持つものだったとします。

人によっては”1週間では食べきれない”という人もいるでしょう。

そういった人に「手前から取れ!」と言えば
逆に「食べきれないから捨てる」という結果になり、
食品ロスを増長させる結果になっている可能性もあります。

「他人の家庭の事情を知らないのであれば口を挟まない」
これは、とても大事になことです。

「食品ロスをできるだけ減らしたい」
その考えは立派です。
しかし、想像力が足りないと、
逆に他人への押し付けが「食品ロスを増やす」結果にも
繋がることがあります。
そういった部分まで想像し、
一方的に”後ろから取る人を悪者”と決めつけるような
ことがあってはいけません。

手前にある賞味期限・消費期限の短い商品じゃ
「その期間内に食べきれないから捨てることになってしまう」けれど、
奥にある賞味期限・消費期限の長い商品を買えば
「その期間中に食べられるから、ロスをせずに済む」と、いう人だって
いるわけです。

”賞味期限が長いものが必要”な人もいるわけですから、
ここはしっかり覚えておきましょう。

大事なのは”理由がないなら手前から取る”ということで
”この期限内だと食べきれないかもしれない”と思うなど、
理由があるのであれば、後ろからとっても良いのです。

それが、食品ロスの削減にもつながります。

マナーを守るのは大事。店員から見た視点

商品棚の後ろから商品を取ることは
別に悪いことではありません。

確かにお店側からすれば、「賞味期限などの近いもの」から
売ってしまいたい気持ちはありますが
「マナー」さえ守ってくれていれば大抵の店員は
あまり不快感は抱かないでしょう。

商品棚の後ろの方から商品を取る場合は、
下記のようなことだけ、注意していただけると、
店員の観点から見ると、助かりますし、
悪印象を持たれにくいです。

・一度どかした手前の商品はちゃんと元に戻す
・別の場所にもどしたり、どかしたままにしない
・商品をどかす際に必要以上にベタベタ触ったりしない
・商品を乱暴にどかしたりして、壊したりしない
・商品棚の前をずっと独占して他のお客様に迷惑をかけない

このようなところでしょうか。
後ろから取るのは基本的に構わないという
店員も多いと思いますが
↑のようなマナーを守ってくれないと
お店側は「マナー違反の客」と考えるので、
その点は注意しましょう。

理由があれば後ろからとってもいい

なぜか「綺麗ごと」ばかり書いているようなものも
目立ちますが商品棚の後ろの方から商品を取る、
という行為は「悪いこと」ではありません。

「理由があれば」後ろから取ってよいのです。

例えば、コンビニのおにぎりなどでも、
「夜に買いに来る時間がないから買っておこう」という
時に手前のおにぎりを見ると、消費期限がそれまで
持たないようなこともあります。

「大丈夫だよ!」という意見もあると思いますが
誰にも保証はできませんし、
特に消費期限の場合や、夏場の場合はやはり不安だと思います。

「すぐ食べる」なら手前から取った方が良いですが
「夜に食べる」などの事情があるなら、後ろからとっても良いのです。

無理してこういう人にまで手前から取らせれば
結局、夜になって「もう遅くなっちゃったからやめておこう」と
捨てることになり、食品ロスが増えることになるかもしれません。

何でも極端すぎる考えはNGです。

「理由がないなら」手前
「理由があるなら」奥でもいい。

そういう柔軟な対応こそが、食品ロスの削減にもつながります。

あなたも、理由があるなら「後ろから」とっても良いのです。

まとめ

「商品は必ず手前から取るべきだ!!!」
みたいな意見は偏りすぎです。

綺麗ごとに基づき、偏っている意見は
言葉で言うのは簡単でも、実用性がありません。
自分は良くても、他の人のことを想像できない意見では、
食品ロスなど減らすことはできないのです。

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