「失敗」に終わるゲーム機の特徴!売れない理由はスペックではない。

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ゲーム機の中には
「あまり売れずに」失敗で終わってしまう
ハードも存在しています。

ニンテンドースイッチやプレイステーション(1や2、4など)、
DSシリーズなど、成功しているゲーム機もある一方で、
日本ではお世辞にも成功しているとは言えないXBOXシリーズや
スタートダッシュに失敗したプレイステーション3、
目立たないままその役目を終えてしまったWiiUなどなど
売上だけ見れば「厳しい」結果のハードも多く存在しています。

では、これら「失敗」に終わっているハードの特徴としては
どんなものがあるのかどうか。

店員として業界に携わっていた経験を元に解説していきます。

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「スペック」ではない

よく勘違いされますが、
ハードの「スペック」は実のところ、
あまり売れる・売れないには関係ないのです。

例えば、スペックが低いハードが売れていた例も
たくさん存在しており、
大ヒットした「Wii」は、競合していた「PS3」
よりもはるかにスペックだけで言えば負けていましたが、
それでも、売上的には(特に序盤は)PS3を圧倒していましたし、
DSシリーズもPSPと比べればスペック面は厳しかったですが
それでも結果的にPSPよりもはるかに売れています。

逆に、PS3はハイスペックでしたが出だしは失敗しましたし、
XBOXONEは、非常に性能的には高いですが
日本市場では空気でした。
過去に遡るとセガの「ドリームキャスト」というハードは
当時のハードの中では圧倒的な性能でしたが、
それでも惨敗に終わり、セガがゲーム機から
撤退する決定打となりました。

このように「性能が高ければ売れる」ということではなく
「性能が低いとうれない」ということではないのです。

もちろん、スペックが高いに越したことは
ないのですが、そこが重要な部分ではない、
というのも事実です。
ある程度の水準に達していればスペックが低くても売れますし、
逆に”他の大事な部分”が欠けていると
スペックが高くても「失敗」してしまいます。

では、大事な部分とはどのような部分になるのかを
見ていきましょう。

「価格」は非常に大事

まず、ハードの運命を分けてしまう部分が
「価格」です。
本体の定価が高いと、どんなにスペックが高くても
結果的に”一部の層”にしか売れずに、
そのハードは失敗してしまいます。

ハードが売れない=ソフトも売れない=ソフトの発売数が減るという
悪循環に突入してしまうのです。

「このスペックでこの価格は安い!」と言う人もいますが
スペックまで見て「うおお!安い!」なんてなる人は
一部の人だけです。

多くの人は「数値」で判断しますから、
3万と5万の現行機種があれば、
3万の方に、人は流れやすいのです。
スペックまでいちいち見て判断する人は、
マニア層だけです。
多くの人は、「価格」と、次で詳しく触れますが
「遊びたいソフトがあるかどうか」というところです。

この”価格”で失敗した例としては
初期のプレイステーション3などが挙げられます。
プレイステーション3は当初、非常に高額な価格設定が
されており、それ故に序盤のスタートダッシュに失敗、
競合のWiiが圧倒する形となりました。
また、前世代のPS2の方がしばらくメインの状態となってしまい
”高すぎる価格設定”が原因で、完全に失敗した例と言えます
(結果、早い段階で値下げが行われて後半はだいぶ巻き返しました)

このように、ハードのスペック(PS3は当時としては
競合機種と比べても、スペック上は良かったですし、
ソフトもある程度揃ってました)が高くても
”価格”が高すぎると、失敗してしまうのです。

レトロゲーム機と呼ばれるような、昔のゲーム機の中にも
この”価格”で失敗しているハードは数多く存在しています。

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ソフト不足

遊びたいソフトが無ければ、どんなにハイスペックだろうと
人は、ゲーム機を買いません。
遊びたいソフトが無ければ、ゲーム機はただの、オブジェクト
でしかありません。

ですので、スペック云々よりも、まずは”魅力的なソフト”を
用意することが重要ですし、
これができないと、本体が売れず、結局”失敗”することになります。

ソフトが出ない=本体が売れない=さらにソフトが出なくなる、
という悪循環です。
また、開発しにくい環境のハードだと、
ソフトが出にくくなるので、そういった面も、考慮する必要があります。

この例としては、任天堂の「WiiU」でしょうか。
WiiUは当初からソフトの発売ペースが非常に鈍く、
特に、任天堂のゲーム機の要とも言える「任天堂のソフト」が
発売直後、ほとんど発売されなかったことから、
スタートダッシュに大失敗し、そのままずるずると引きずってしまう形で
短命ハードになってしまいました。

WiiUが発売された2012年12月に任天堂が2本タイトルを発売、
その後、2013年3月に1本出ましたが、その後は7月まで
任天堂はタイトルを発売せず、これがWiiUが大失敗に終わった
大きな要因であると考えられます。
(任天堂は通常は月1本ペースぐらいで発売しています)

ソフトが用意できない、ということはそれだけ
深刻なことなのです。
(後継機のニンテンドースイッチでは、この失敗を生かしたのか、
早い段階でビッグタイトルを連続投入し、結果、大ヒットしています)

日本市場を見ていない

そもそも日本市場向けに展開していない本体は
やはり、日本市場では厳しいです。
好きな人は買いますが、それ以上の人は買わないため
ハードは売れず、ソフトは少なく…という悪循環になります。

この例としては「XBOX」ですね。
私も遊んだことがありますが、とにかく日本向けには
作られていない印象で、
ファミリー層はまるで取り込めない感じのハードです。

XBOX360の時は人気グループを利用した
CMなども展開し、ある程度日本を意識していましたが
XBOXONE以降は、完全に諦めムードで
「日本で売ろう」という意志を感じられません。

結果、現在ではお店によっては
そもそもXBOXを取り扱わないお店まで
ある始末です。

XBOXシリーズはスペック面では非常に優れている
ハードの一つですが、展開方法的に、
日本ではヒットに至っておらず、空気的な状況になって
しまっています

複雑すぎる・奇抜すぎる

ハードが複雑すぎたり、奇抜すぎたりすると、
売上に響く可能性があります。

例えば、任天堂の「バーチャルボーイ」は
スコープを覗いてプレイするという特殊なゲーム機で、
全くヒットしませんでしたし、
ソニーの「プレイステーションgo」はパッケージ版使用不可という
当時では全く受け入れられない形式の本体を出し、
全くと言っていいほど売れませんでした。

”奇抜すぎるアイデア”が、前面に押し出されていて
それが失敗すると悲惨な状態になります。

例外として「3D機能を使わなくても大丈夫」な
ニンテンドー3DSなどは、
奇抜なアイデア中心でも、それをオフにもできることや
価格・ソフト面から、不発には終わらず
結果的にはヒットしています。

”避けられない”奇抜なアイデアを搭載し、
それが失敗すると、ハードとしても
失敗する可能性が高くなります。
(バーチャルボーイは普通にテレビでは遊べない、
PSPgoはディスク使えない、など3DSの
「3D機能をオフにできる」とは違い
避けようがないですからね)

まとめ

ゲーム機本体が失敗してしまう最大の要因は
「価格」「ソフト」「展開方法」
この3つが大部分を占めています。

スペックは二の次です。
スペックが高いものが売れる、というわけではない、
というのが今までのハードの売れ行きを見ていても
ハッキリと数字に出ています。

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