PS4との縦マルチを切るとどうなる?良い影響もあれば悪影響も。

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最新ハードと、一つ前のハードに
新作が同時発売されることを
”縦マルチ”と言います。

この”縦マルチ”は
最近ではPS5とPS4で良く行われていますが、
PS5も発売されたから3年以上が経過しており、
”もう縦マルチはいいんじゃないか”という声も
聞こえることが多くなってきました。

しかし、一方で”PS4版も欲しい”という声も根強く、
実際に2023年11月発売の龍が如く7外伝などをはじめ、
国内タイトルに関しては未だにPS4版の方が売れているケースも
見受けられるなど、実際に需要も多く存在する状態です。
(※龍が如く7外伝は初週は僅差でPS5版がPS4版の売上を上回りましたが、
その後、2周目以降の売上でPS4版がPS5版を逆転しています)

では、この状況で縦マルチをやめてしまうと
どんな影響が出るのでしょうか。
良い影響も、悪い影響も含め、解説していきます。

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売上は”確実に”落ちる

今の状況でプレイステーション4版の発売を無くすと、
売上だけの話をすれば
”確実に”落ちることになります。

プレイステーション5版だけにして、売上が
PS4版も出した場合と比較して上がることはないでしょう。

と、言うのも、PS4版を待っているユーザーは、
PS4で出るからこそ買うのであり、
”自分の持っていないPS5”で発売された場合
”本体ごと買うかどうか”はまた別問題です。

特に、PS5の場合は本体自体の価格が非常に高額のため、
自分の欲しい新作が”PS5のみ”になった場合
”じゃあいいや”と考えるユーザーの割合もそれなりに多く
”欲しいゲームのために本体ごと買う”という動きが、
コアユーザー以外には起きにくいハードなのは事実です。

3万~4万ならともかく、PS5は6万~7万と
家庭用ゲーム機としては”異様”な価格設定でもあるため
なかなかコアユーザー以外を牽引することは難しいのが現実です。

それが”ライト層も遊ぶ可能性が高いソフトほど、PS4版の売上がまだ高い”という
数字にもしっかりと現れていますし、
PS5のみの発売となったファイナルファンタジー16の売上数字などにも
ハッキリと現れていることからも明らかです。

ファイナルファンタジー16は15⇒16でパッケージ初週売上は半減しており、
15当時よりもダウンロード比率が高いとは言え、当時もそれなりに
DL版は売れていましたし、半減したということはやはり
”PS4しか持っていないユーザーがそれなりの数、購入を諦めた”ことが
売上数字を落とした大きな要因の一つと言えます。

また、FF本編の新作ともなれば、本体の売上を大幅に牽引するのが
通常ですが、PS5の場合、前週よりも増えたとは言え、
それほど爆増はせず、特に目立つ新作のなかったswitchの売上も
下回っている結果に終わったため
”大作であっても、PS5ごと買ってくれるユーザーはそんなに多くはない”
ということが言えます。

ですので、今の時点(2024年開始時点)でも、
縦マルチを切る、という選択は
特にそのソフトが国内市場向けであればあるほど
”売上の大幅ダウン”を招くことになります。

コアユーザー向けであるほど影響は少ない

縦マルチを切ることは、
そのソフトがコアユーザー向けであればあるほど、
影響は少ないです。
これは、既に売上数字でもハッキリその傾向が現れており、
PS4版とPS5版が同時発売されるソフトの売上比率が、
洋ゲーやコアゲーマー向けのソフトであるほど、
”PS5版の方が多く売れている”傾向にあります。

特に、最近ではコアゲーマー向けのソフトは
PS5版の方が売上が高いことが多く
PS4版を下回ることはほぼなくなりました。
こういったソフトであれば、PS4版を切っても、
さほど売上に大きな影響(それでも減りはすると思いますが)は
出ないでしょう。

逆に、先ほど挙げた龍が如く7外伝だとか、
もっとライト層もプレイするようなゲームだと、
売上には大きく影響が出ます。

龍が如くもライト向け…とまでは言えませんが
少なくとも洋ゲーや、もっとコア層向けのゲームに比べると
それなりに一般層にも浸透しているゲームです。
そういったソフトの場合、まだPS4版の売上がPS5版とほぼ同等で、
2週目以降の売上でPS5版を抜くケースも多いです。
(龍が如くや2023年3月のバイオハザードRE4もそうですね)
※2周目以降に買うユーザーが多いのも一般層の特徴なので、
龍が如くやバイオなどが2週目以降にPS5版を逆転する現象も
PS5はコアユーザーが多いことを示している現象と言えます

国産タイトルであること、
そして一般層にも浸透しているタイトルであればあるほど
PS4版を発売しないことの影響が強く、売上に出て来ることになるので、
国内メーカーのタイトルに関しては、今後も
縦マルチを続けて行かないと、売上的には厳しい部分も出て来るでしょう。

逆に、コア向けのソフトに関しては
PS4版の売上も大分落ちてきていることから、
そろそろ移行しても、売上にそこまで大きな影響は
出ないものと考えられます。

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クオリティの向上やコスト削減効果はメリットに

PS4とPS5版を作ると、どうしてもPS5版の方が
ある程度PS4版に引っ張られる形で
クオリティが落ちやすい傾向にあります。

一般ユーザーからすればあまり気にならない程度であるのは
事実ですが、コアユーザーを中心に敬遠する人も多少はいて、
”PS4との縦マルチだから様子を見る”というユーザーもいるのは事実です。

縦マルチを切ることにより、クオリティは全体的に向上し
”縦マルチだから買わない”というユーザーは減らせるはずです。
(※ただ、全体的な話をすれば「縦マルチだから買わない」ユーザーよりも
「PS4版がないから買わない」ユーザーの方が人数は多いと考えられるため
売上自体は前述した通り、総合的にはマイナスになると思います)

また、コスト面に関しては
PS4版とPS5版、2機種に作るとその分、開発費なども増えて行きますので
(何もせずに魔法のように2機種に対応できるわけではないですからね)、
そういった部分のコストやリソースをPS5版一つにすることで、
節約することができます。

ですので、売上が多少減っても、それが開発費の削減で賄えるようになれば、
PS4版を切っても、利益的には問題はなくなっていくことになります。
ただ、”PS4版を出さないことによるマイナス”の方が現状では
大きい状態であるため、多くのメーカーが縦マルチを続けている、
ということですね。

本体の牽引効果はハードメーカーの努力が必要

PS4版を切って、PS5版のみにすることで
”PS5の売上を牽引する”…と、言う効果もある程度は望めますが
PS5自体が現状では”高すぎる”ため、FF16の時もそうでしたが
今のままでは他社がいくら頑張っても、
その売上は鈍いままです。

これを改善するためには、ハードメーカー(SONY)の努力が必要で、
本体の値下げ、あるいは廉価モデルの発売など
”一般層にも手の届く価格”にしていくことが重要と言えるでしょう。

これをしないと、”他メーカーにも迷惑がかかる”ことになりますし、
その状態が続けばゲーム機はプレステだけではありませんから
”じゃあ、他のハードで出します”と言うことになってしまいかねませんので、
特に、PSは”他メーカーのソフトで支えられているハード”なので、
この部分はハードメーカーとして努力が必要になるかと思います。

まとめ

現状だと、PS5独占にしてしまうと
一般層に手の届きにくい新作になってしまい、
結果的にシリーズの衰退を招く可能性があるのも事実で
コア層向けのソフト以外にとっては
PS4との縦マルチを切る選択は、なかなか難しいところです。

実際、国内メーカーのソフトで、
国内での売上が望めるソフトであればあるほど
2024年も縦マルチが続いている状態なので、
これを打開するのは、やはり”PS5自身が動く”しか
ないのではないかと思います。

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