閉店日を延ばそうと直訴した店長時代の店員Kの話~決定は絶対~

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店員Kです!

今日は私が雇われ店長時代の実話を。

私が雇われ店長をしていたお店は
2016年の8月に閉店が決定しました。
閉店日は1か月後。

あまりにも急なお話でした。

私は色々考えた末に
”閉店日”を延ばすことはできないだろうか?
そう考えました。

理由はいくつかあります(後に書きます)

勿論、そんなこと不可能であることは分かっていました。
でも、どうせ行動しようが、行動しまいが、店が潰れて
しまうのは同じこと。

で、あれば後悔しないように、ダメ元で行動してみよう。
そう思い、私は”最後の悪あがき”をすることにしたのです。

今日はその時のお話をしていきます。
どのようにお店を延命させようとしたのか。
そして、大きな力には絶対にかなわないということをー。

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なぜ、閉店日を延ばそうとしたのか?

私が閉店日を延ばそうとした理由はいくつかあります。
閉店が決まってしまった以上、閉店は必ず訪れます。
あくまでも、その日付を延ばすことしかできません。

勿論、私もそれはちゃんと理解していました。
”一度決定した決定事項は覆らない”

私が雇われ店長時代に学んだこの世の事実。

会社組織において、上層部が決定したことは
何があっても覆らないのです。

ですが、私は11月末までのお店の延命を目論みました。

その理由は3つです。

理由その1

まずはお客さんの為。
これは別に綺麗ごとで言っているわけではなく、
本当にそう思いました。。

何がお客さんの為、かというと、
当時、2016年には11月にゲームをプレイする人ならば
必ず知っているであろう超人気ゲームの新作が2つ
発売される予定になっていました。

当然、8月までは閉店などという予定は無かったので、
新作ソフトの”予約”をバンバンとっていたわけです。
その数は数百単位。

閉店してしまえば、その数百人は予約したのに
ソフトを購入できなかった!ということになってしまいます。。

もちろん、12月以降の予約も少しはありましたが、
11月前に店を閉めてしまうのは、あまりにも多くの
お客様に影響が出る、
これは阻止しなくてはならない…。

そう考えたのが第1の理由ですね。。

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第2の理由

第2に、私が店長をと務めているお店で働くスタッフさん達のこと。
1か月後に閉店、などと言われても、突然次の仕事を探すのが
難しい方も居ましたし、
翌年から就職で、ちょうど年末ぐらいまで働きたい!と言っている
スタッフも居ました。

そんなスタッフのみなさんに、あと1か月でバイトおわり!に
させてしまうのは心苦しかったのです。
(こういう考えが甘い、と経営者サイドからは言われそうですが)

11月末まで閉店日を延ばすことができれば
スタッフたちも仕事を探す人はゆっくり探せるでしょうし、
学生で、就職を目前に控えていた方たちも、
11月まではしっかりお金を稼げるようになる…。

そんなことから、第2の理由はアルバイトスタッフさんたちのためにも
お店の閉店を延長させてあげたい、、その想いが強くなりました。

第3の理由

これはもう「自分のため」です。
綺麗ごとばっか書いてちゃ意味ないですからね、
正直に言いましょう。
第1の理由、第2の理由が大事だったのも事実です。
しかしながらこの第3の理由も大事でした。。

人間、誰だって自分自身も得したいものじゃないですか(笑)

その理由とは、私はもともと独立(自分でお店を開く)予定で
着々と準備を進めていました。
大分準備も進んできていたのですが、できればもう少し猶予が欲しい…

そう思ったのです。

開店準備はだいぶスムーズに進んでいました。
しかし、やはりまだ金銭面や知識面の最終確認が必要、
そんな感じの段階でした。。

が、閉店日は1か月後。
ちょっとだけ、もう少しだけ、自営業を始めるための
”最後の調整”をする時間が欲しかったのです。

これが3つ目の理由ですね。
自分の独立のための時間稼ぎ。。

具体的に何をしたのか?

”お客さんの予約””
”スタッフの今後”

そして、”自分の独立のための時間稼ぎ”

その為に私は閉店日を延ばすことを決意しました。
勿論、本部が「この日に閉めろ」と言えば
閉めるしかありません。。

なので、直訴することを決意したのです。

店舗の直接の上層部にあたる
”営業本部”は子会社だったため、
何の決定権も持たない存在でした。

そこに”閉店日を延ばしてほしい”などと言っても
全くの無意味です。

なので私は親会社の専務に直接お話しすることに
しました。

親会社の専務と言えば、店舗の店長からすれば
雲の上に位置する存在です。
その連絡先すら、お店側には伝えられていません。

しかし、私は行動を起こしました。
何もせず、そのまま消えるぐらいならー。

ですが、
専務の居場所は分からないので会いに行くことはできません
(そもそも店長なので、そんな時間もなく…)

そして電話も、連絡先が分からずできません。

なので私は唯一連絡先の分かる、メールでありのままを書きました。

予約者が多く、9月に閉店すれば多くのお客さんを失うことになる
ということ。

スタッフの現状。

そして、閉店が覆らないことは理解している旨など、
色々と最大限の注意を払って文章を作りました。

そしてメールが完成。
私は意を決してそれを専務に送りつけました。

私の旧勤務先は上層部の権力は絶対でした。
子会社の、若造な店長がこんな直訴メールを送るのは、
あの会社の歴史上、後にも先にも私だけだと思います(笑)

メールを送った私は覚悟していました。

専務から電話でもかかってきて罵倒されるかー。
それともこのまま無視されて終わるかー。

その専務は、よく会議などで成績の悪い店長を
罵倒していました
「お前にやる気はあるのかー」という感じで。

なので、当然、私も
「お前ふざけてんのか?」みたいな返事が来ることを
覚悟していたのです。

専務からの返事

その日の昼。
専務からのメッセージが届きました。

「今日、店長は夜までいますかー?」と。

私はその日、オールだったので居る、と返事をしました。

すると
電話で直接話をしたいが、今移動中のため
後で電話します と、そう返事があったのです。

専務の不気味な敬語 に私はさらに違和感を感じますー。

何の為に末端の店舗の店長に直接電話をしてくるのかー。
やはり罵倒されるのかー。
それともあのメールで延命について、考えてくれる気になったのか。

しかし、私には分かっていました。
ほぼ100%延命は無い、と。
それが社会というものですからねー。

が、それでも心のどこかでー。
専務という存在を”電話”というステージにまで
引っ張りだせたので
もしかしたらーーと、そう僅かながら期待してしまう気持ちも
どこかにはありました。

そして夕方に電話がーーー。

結論は
「店長の気持ちは痛いほどよく分かりました
 けれどもーもう他の取締役が全員賛成しているから
 大変申し訳ないけど、閉店日は変えられない。
 9月で閉店になる」

という話でした。

高圧的なイメージしかない専務が
何故か、とても申し訳なさそうに謝っていました。

罵倒されると思っていた私には
拍子抜けの結末ー
けれども、やはり望んでいる結末にはたどり着けませんでした。

結局、
数百名の予約者を切り捨て、
アルバイトスタッフさんも1か月で退職することになり、
私自身も”完全”とは言えない状況化で独立することになるのでした。

後悔はしていない

けれども、最後に直訴したことを後悔はしていません。
向こうには「面倒なヤツ」と思われたかもしれませんし、
結果は何も変わらず、無駄な労力になりました。。

が、あの時行動していなければ恐らく
長い間後悔することになったでしょう。。

今、私は後悔していません。
結果的に、結果は変わりませんでしたが、
やれるだけのことはやったのです。
自己満足かも知れませんが、行動して良かった、と私は思います

”力”には敵わない 決定は覆らない

会社組織というものは”上”の決定が絶対です。
そして、一度決定したことは、そう簡単には、、、いえーーー
絶対に覆ることはありません。

もしかするとあの時、専務の心情的には、延命したかったのかもしれません。
けれども、専務には専務なりの動けない理由があったのでしょう。

勿論、ただの社交辞令だった可能性もありますけどね…。

皆さんも会社を辞める時、何かを失う時、
例え結果が変わらなかったとしても、後悔しないように
行動できると良いですね!

終わった後に後悔しても遅いのですから…

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