プレステの課題の一つはライトユーザーへの極度なアピール不足。改善点は?

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人気のゲーム機「プレイステーション」シリーズ。

しかし、近年、
以前と比べると”ライトユーザー”に対するアピールは少なく
コアユーザー寄りのハードにどんどん偏っている印象を受けます。

確かに、ライトユーザーなど幅広い年齢層に強い任天堂、
コアユーザーに強いプレイステーション、と
棲み分けできるのも良いことですが、
以前は、ライトユーザーを含めた幅広い層の任天堂ハード、
完全にコアユーザー寄りなXBOX、
その中間のプレイステーション、という感じでしたが
今ではプレイステーションもどんどんXBOXの方向性に近付き、
ライトユーザーが置き去りになっている感じの展開が
続いています。

もちろん、メーカーとして”それを目指す”のであれば
それはメーカーさんの方針ですから仕方のないことですが、
もしもライトユーザーも取り込もうと考えているのであれば
やはり、色々考えないといけない部分があるのも事実でしょう。

”どのような点”がライトユーザーや一般的なユーザーに向けた
アピールに欠けるのか、または良くない部分になってしまっているのか、
この点について解説していきます。

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徐々にコアユーザー寄りに傾くプレイステーション

元々、私がゲーム販売店にいた頃は、
全年齢層の任天堂、コアユーザー限定のXBOX、
その中間のプレステ、という感じでしたが
今ではプレステも中間ではなく、
大分コアユーザーしか見えていないような展開に
なってきているように感じます。

特に、プレイステーション5が出てからは
その傾向がかなり強まり、
ライトユーザーの獲得は諦めたのではないか、と
思ってしまうような面も多数見受けられます。

実際に、クリスマス商戦などでは
以前にも増して任天堂ハード一強になっており、
プレイステーションが”ライトユーザーから離れている”
状況が強く、売上からも出てしまっています。

もちろん、コアユーザー向けも大事ですが、
どのような点がライトユーザーから敬遠されるのか
その点を理解していても損ではないと思います。

実際にコア向けを目指すなら別として、
そうではない場合に見直す部分とは
どのようなところになるのか、
見ていきます。

本体の価格が高額すぎる

これは”ライトユーザーや一般ユーザー”などから見た
視点での「高い」ですが、
PS5はゲーム機としては少々高額すぎる部分もあり、
2022年に値上げされてからは通常モデルでは約6万円という
ゲーム機として考えれば”恐ろしい高額商品”に
なってしまっています。

確かに、スペックなどを考えると
決して高額の商品ではないのですが
スペック云々などまで詳しく見る人は
ライトユーザーにはほとんどいません。

単純に、他のゲーム機と比較して
「圧倒的に”価格”は高いPS5」を見れば
その時点で購入候補から落ちますし、
クリスマスプレゼントなどとして考えるにしても
6万(デジタルでもおよそ5万)は高すぎて
候補から落ちるご家庭がほとんどでしょう。

また、子供が自分で買うにしても
なかなか手の届く金額ではありません。

色々な社会情勢などがあるにしても
”この価格”では、既にその時点で
ライトユーザーをターゲットから外している、
ということになってしまうので
(そういう方針であったとしても、意図しないことであったとしても)
廉価モデル(XBOXSeriesSやスイッチライトのような)を作るなりして
ライトユーザーへのアピール(を、するなら)をしていく必要が
あるのも事実でしょう。

最低5万レベルでは、
その時点で「たかっ!」となってしまい、
多くのライトユーザーやファミリー層はPS5を購入候補から
落としてしまいます。

それが、どんなに良い商品であったとしても、です。

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周辺機器が高すぎてよりマニアックなイメージに

安い周辺機器もありますが
最近では、周辺機器も高額なコアユーザー向け商品が
増えており、新型のコントローラーは1万円越え
(※通常のデュアルセンスは引き続き生産)、
PSVR2に至っては7万円越えと、
ライトユーザーから見れば”常軌を逸した価格設定”の
周辺機器が増えています。

特に、VR2はコアユーザーの中には歓迎している人もいますが
詳しい人以外はほとんどの人が「高い」と感じるでしょうし、
もはやライトユーザーからしてみれば
”本体さえ高いのにそれより高い周辺機器”など
理解の範疇を越えていて「おかしなことをしてる」としか
思えないでしょう。

元々、ライトユーザーやファミリー層がVRを買うとは思えませんが
イメージ的に、より”PS”というハードが遠い存在に
感じられてしまうような、そんな状態になっています。

海外をターゲットにしたソフトが増えた

他社はともかく、プレイステーションを展開するSONY自体の
ソフトがPS1・PS2・PS3初期などと比べると
”海外市場を意識したソフト”ばかりになっており、
これもライトユーザーへのアピールとして考えると
厳しい理由の一つです。

例えば任天堂はマリオ・ポケモン・ゼルダ・カービィ・スプラトゥーンなど
多数の”子供から大人まで”の国内でも大人気のシリーズがありますが
SONY自体にはそれがほとんどありません。

これはライトユーザーへのアピールという点では相当厳しく
強いて言えば”ラチェット&クランク”ですが
売り上げベースでみると国内へのアピールには成功していません。

過去には”みんなのGOLF”や”ぼくのなつやすみ”
”パラッパラッパー”、”トロシリーズ”など、国内向けの
まぁ、そこそこ人気のあるシリーズはあったのですが
最近はそういったものがほとんど新作が出なくなり
”海外市場向けソフトばかり”出している状態なので、
日本国内においてはメーカーそのものが
ライトユーザーへのアピールをする気がないソフトばかり
出している状態です。

任天堂レベルの人気作を作るのは難しいとは思いますが
もしもライトユーザーへのアピールもするのであれば
”国内を意識した全年齢層向けのソフト”を開発する必要があるでしょう。

他社は以前と変わらず国内も含んだターゲットの
人気シリーズを出しているところも多いですが
やはり、ゲーム機は「ファースト(本体を出しているメーカー)」が
積極的に引っ張っていかねばなりませんし
他社のソフトはスイッチや「Steam」などでも出ますからPSの強みになるか、
と言われるとなかなか難しいところです。

PR力を磨く必要あり

自社の配信番組「ステートオブプレイ」は
任天堂の「ニンテンドーダイレクト」に大きく差をつけられており、
実際に両方見てみても、残念ながらPR力は大幅に劣っているように見えます。

公式ツイッターでもそうですが
全体的に”海外的な雰囲気”で、あまり国内に向けたアピールは
上手でないように感じます。

コアユーザーは自ら調べますが
ライトユーザーはPRが届かなければなかなか興味を持ちません。

PS5もほとんどの人が”高くて品薄な謎のゲーム機”みたいな
感覚でしかないでしょう。

もしも幅広く売るためには、やはりPR力を
”もっと日本国内を意識したつくりで”磨いていく必要が
あると思います。

海外は海外、
日本は日本で考えていかないと
なかなかうまく、響かないのは事実だと思いますからね。

まとめ

プレイステーションが昔とは違い、
XBOXのような「完全にコア向け(※少なくとも国内では)」な
ハードを目指すのであれば、それも一つの選択肢です。

ただ、もしも”多くのユーザーに親しまれるハード”を
今でも目指しているのであれば
低価格モデルの準備や、周辺機器の異様な価格での展開、
自社ソフトの見直し、PR力の向上など、
見直すべき課題は多いです。

もちろん、一部のコアユーザーは喜ぶ部分もあるとは思いますが
”幅広いターゲットに親しまれるようにしたい”のであれば
それは逆行している流れなので、
ライトユーザーは切り捨てるのか、
それとも軌道修正するのか…。

最終的にどの道を選択するのか、今
後のプレイステーションの行く末を
見守っていきたいと思います。

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