年金の納付猶予とは?申請から承認までの流れを解説!

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国民年金…。
どうしても支払えない!という人も多いのではないでしょうか。

また、支払おうと思えば支払えるけど、
支払ったら病院にも行けないぐらいに
生活が苦しくなってしまう!という人もいると思いますし、
中には自分の食べるものを削ったり、
虫歯の痛みを我慢したりしてまで
年金を払っている人もいるのではないでしょうか。

ですが、そこまでして払うものではありませんし、
ちゃんと、そういった方は納付を待ってもらったり
免除してもらうことができる制度が存在します。

ただ、免除になると、世帯主の収入なども基準になるので、
実家暮らしなどの場合はなかなか、
免除は難しいかと思います。

そこで、注目したいのが「年金の納付猶予」と呼ばれる制度ですね。
これであれば、実家暮らしでも収入がなければ
申請が通りますし、
一人暮らしの場合でも、免除に比べると遥かに
審査が通りやすいものになります。

もしも生活が苦しいのであれば、
この納付猶予を利用することも検討してみた方が
良いですよ!
では、納付猶予について解説していきます。

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どのような制度なの?

納付猶予とは、一定の条件を満たしている人が
申請することによって、申請が通れば
年金の納めるのを待ってもらえる、という制度です。

簡単に言えば、年金を支払わなくても良い状態になるのです。
年金を支払うことができないからと言って
放置しておくと、督促状がしつこく届いたり
最終的には、差し押さえなどの強引な手段が
行われる可能性もありますから、そのまま放置
してしまうことは望ましくありません。
年金を払わないとどうなるの?の記事も参考にどうぞ)

一番良いのは免除ですが、
免除は、世帯主の収入なども影響するため、
なかなか申請できない、という人もいるかと思います。
そんな時に役に立つのが、この納付猶予なのです。

後から追納することもできますし、
仮に追納できなかったとしても、
差し押さえが行われたりすることも、催促されたり
することもあります。
将来の年金支給額は増えません(支払わなかった分は増えない)が、
猶予期間の間も、年金受給資格を得るための期間にはカウントされるため、
将来貰える金額が、ずっと全額納めている場合よりも減りはするものの、
障害年金や遺族年金などもしっかりと受けられますし、
年金受給資格を失うこともなければ、催促されることもあります

つまりは”払っても払わなくても大丈夫”な期間になるわけです。

では、どのような条件があるのか、
どのような流れで申請するのか、それをご説明していきましょう!

猶予を受ける条件は?

まず、納付猶予を受けるための条件は
何になるのでしょうか。
条件はいくつかあります。

1つは年齢。
20歳~50歳未満の方が対象となります。
以前よりも対象となる年齢が長くなっているので、
猶予を受けやすくなりました。

そしてもう一つが所得。
下記の計算式の範囲内の所得であれば基準を満たします。
(前年の所得)「扶養親族等の数+1X35万円+22万円」

これに当てはまることが条件になります。
つまり、独身であれば1X35+22=57万円以下の所得、
既婚者であれば2X35=22=92万円以下の所得であれば
申請できることになります。

このため、世帯主の収入は関係がないため、
世帯主がいくら収入があっても、
自分が独身(または既婚でも)で、上記の条件を
下回っていれば、申請する条件を満たしている、
ということになります

条件は基本的にはこれだけですね。
免除などと比べても、大幅にハードルが下がっているのが
分かるかと思います。

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申請するためにはどうすれば?

年金納付猶予のためには、書類を提出する必要があります。
提出書類は、各市区町村のホームページなどで
ダウンロードすることができるので、
それを印刷して、記入し、あとは窓口に持参するか
郵送を行えば、問題ありません。

なお、提出物は、
申請用紙以外に身分証明書のコピーなどが
必要になります。
各市区町村によって、送付先や提出書類・決まりなどが
若干異なるために、
必ず、自分のお住まいの地域ごとに確認し、
ホームページなどで分からない場合は
役所に電話で問い合わせをするようにして下さい。

記入方法は、市区町村のページなどに記載されているほか、
分からなければ窓口で直接確認するのが
一番手っ取り早い方法です。

申請してから承認されるまで

郵送でも、窓口への提出でも、
申請してから承認されるまでには時間がかかります。
提出してすぐに「はい、そうですか!承認です!」とはなりません。
結構な時間がかかります。

審査結果は2~3か月程度で、郵送されてきます。
ただし、場合によっては1か月ちょっとで送られてきた!
というケースもあるようですし、
4か月ぐらいかかったというケースもあるようです。
申請時期や審査内容などなど、色々な状況によって
どのぐらいかかるかは異なるので、提出してみないと分かりませんが、
数か月単位でかかる、ということは覚えておきましょう。

申請中は支払う必要なし

年金猶予の申請中は、年金を納める必要はありません。
年金猶予の申請を出して、それが承認されるまでには
数か月間かかります。

その間、必ずしもあるとは限りませんが
場合によっては督促状などが届く可能性があります。

ただ、督促状が届いた場合でも猶予の申請を出していれば
その審査中ということで問題はありませんので
心配しないようにして下さい。
ただ、審査が長引く場合で、心配な場合に関しては
念のため記載の連絡先に連絡して、
年金猶予申請をしていて、その結果待ちだと言うことを
伝えておくとより安心です。

猶予の申請を出していれば、その結果が
来るまでに関しては支払う必要はありませんし、
差し押さえなどが行われることもありません。
そのため、督促状が結果待ちの最中に届いたりしても
心配しないようにして下さい。

この際に、年金を納付してしまうと、
後からそれを返してもらう、ということは
難しいので、年金は納付せずに、
猶予申請の結果が来るまでは、待つようにして下さい。

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結果次第で…

猶予の申請が承認されれば、年金を納付しなくても、
未納になることはありませんし、
将来の年金支給額を増やしたいのであれば
後で余裕のあるときに追納すれば問題ありません。
また、お金に余裕がなくて追納することができなくても
未納扱いになって督促状が来たりすることもなければ
年金受給資格を失うわけでもありませんから、
その点も安心して下さい。
(追納する場合は10年以内という期限があります)

ただし、猶予の申請が却下されてしまった場合に関しては
記載の事項に従って再度申請などを行うか、
もしくは諦めて年金を支払うかしかありません。
もしも、却下された理由が不明(条件的には問題ないはずなのに)の
場合は年金事務所や役所に確認することも可能になっています。

いずれにせよ却下されたまま放置しておくと
問題が生じる(最悪の場合は差し押さえが行われてしまう)ため、
何らかのアクションは起こすようにして下さい。

まとめ

年金を支払う余裕がない!けれども免除の申請は
通らなそう(あるいは通らなかった)という場合は
納付猶予の申請を行ってみましょう。
世帯主の収入などは関係がないので、
免除ができなくても、猶予であればしてもらえる、
という人は存在すると思います。

苦しい状況の中、年金を支払い続ける状況があるかどうか、
と言われれば答えはNoです。
払える時期になったらまた払えば良いのです。

とは言え、何もせずに無視をしていれば
督促状などが届いてしまいますから
必ず、申請は出しておくようにしましょう。

なお、私も自営業でやっていたお店が閉店になり
赤字になった際に
納付猶予申請をしました

その時の体験談も別記事でお話していますので
参考にしてみてください!

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